- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062749787
作品紹介・あらすじ
母・幸田文に教えられ、初めて浴衣を洗った娘時代を振り返り、庭掃除に母娘のやりとりを懐かしく思い出す。その母を見送って十年が過ぎ、ようやく住まいを片付ける決心がつくのだった…。東京・小石川の家を中心に、祖父・幸田露伴からつづく"心を込めた暮らし"をこまやかな視点でつづる珠玉の随筆集。
感想・レビュー・書評
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青木玉 著「上り坂下り坂」、2001.11刊行、2005.1文庫化です。母、幸田文を見送って10年、祖父、母と過ごした小石川での暮らしを綴ったエッセイです。小石川はお寺、学校、坂の多い土地だそうです。蝸牛庵(幸田露伴宅)跡は傳通院の近く善光寺坂にありますね。長寿の世の中、著者は「さて、どんなものだろう。思う先は長く、過ぎる時は短かろう。」と語っています。解説は、川本三郎さんです。
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挿し絵が合ってて良い…
落ち着いた文章が好みでした -
明治の文豪・幸田露伴の孫娘、幸田文の娘。
幸田文が書く随筆が以前からすごく好きなのです。
小石川の幸田家、青木家。
「かつての後楽園球場。
ドームになる前はここ一番の大勝負でホームランが出ると
わーっと歓声が上がり、
ドームができた今は、夏の夜若い人向けのコンサートが開かれると、
機械で増幅された音はモンスターのごとく、ぐわんぐわんと鳴り響く。」
→嵐の東京ドームコンの思い出が甦った。
モンスターのごとく、一緒に鳴り響いてます。ワタシ。
玉さんが、こんな風に書いて下さったのがなんかうれしい。
「三株から五株くらいをひとまとめにして植え付ける。
それを二束くらいを精白して炊いたものが、
およそ一膳の御飯になる計算だという。
二束の稲が植えられる広さは三十五センチ四方に収まるのではないかと。」
お米、植物を育てるということ。その大変さ。
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青木玉さんのエッセイは、ほのぼのしている中にするどい視点があって、先へ先へというよりは丁寧に読みたい、と思わせます。