狐闇 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062750813

感想・レビュー・書評

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  • 壮大なミステリ、の一冊。

    狐シリーズ2冊目。
    前作より面白かった。

    旗師冬狐堂 宇佐見陶子が競り落とした魔鏡。

    それを発端に陶子の周囲で謎の不審死が相次ぐ。

    そして陶子にも最大の危機が…というミステリ。

    骨董の世界から次第に民俗学、歴史と壮大な拡がりと繋がり。
    興味はあれど知識に乏しい。
    でも歴史の裏側、仮説等を見せられるととにかく興奮スイッチがオン。
    ただひたすらこの流れに身を任せていたくなるほど惹きこまれた。

    ミステリとしてももちろんなんだけれど、最強メンバー勢揃い…まさに壮大なチーム陶子、これがまた良かった。

  • 旗師宇佐見陶子の古美術ミステリ『狐罠』の次作。蓮丈那智フィールドファイルの『凶笑面』ミクニがあそこでああなったやつはコレやったんやなぁ、としみじみつながっています。八咫烏魔境、贋作三角縁神獣鏡を中心にかなり大風呂敷でおもしろかったです。いくつかひっかかるのがなぜ村山槐多にしたんかとか、悪党のアルコール過剰摂取させて車にのせて事故をおこさせる手口ばっかりで、確かにものすごく手軽で現実味があるが、ワンパターンすぎるとか、あと猫のガスパールが魔猫すぎるとか(笑)。とにかく、ミクニはちらカメオですが那智、雅蘭堂やその他北森キャラがたくさんでてきてかなりアベンジャーズみたいな(笑)感じ。
    おもろかったです。もっそい三角縁神獣鏡が作りたくなってきました(贋作ではなくて工作です)。

  • 冬狐堂シリーズの長編。
    北森作品のオールスター登場でファンには堪らないのですが、ストーリーの結末があまりに壮大過ぎて評価に困る。
    ただ、作品に出てくる史実や史跡などは調べたところでは実存するものばかりなので、事実を組み合わせてこのレベルのフィクションに仕上げた筆力には脱帽です。

  • 4+
    狐と狸…と虎と狼と鴉と猫とあと何かいろんなものの化かし合いと助け合い。北森ファンにとってはある種の東映まんが祭り、オールライダー大集合。「双死神」との連携もお見事。

  • 古美術や民俗学のペダントリィも面白いけど 歴史ミステリーの骨格があるのが僕のテイストに合う。 しかもその真相がとんでもないホラ話だからたまらん(なんで古代の青銅鏡の謎が征韓論の真相に行き着くんだ!?) 新本格なんてとっくに興味を失ってるけど、 北森鴻だけはいい! もっと読むぞ。

  • 『狐罠』に続く冬狐堂シリーズ。今度は長編です。

     冬狐堂・宇佐美陶子が手に入れた銅鏡は果たして本当に三角縁神獣鏡なのか。
     贋作者の汚名を着せられた陶子に雪辱のチャンスはあるのか。
     
     古美術だけでなく古代史ミステリーも盛り込んで更に蘊蓄満載の傑作長編です。

  • 解説:野間 美由紀

    一気に読めるミステリー。旗師(鑑定する人? 骨董の売買をする人?)がチベットとの同盟を結ぶために明治政府が偽造したという天皇家の銅鏡を買ってしまい、その口封じ為に酷い目に合う話。ストーリや着眼点面白いのだが、何か足りない感じがする。惜しい!という感じ。そこが北森の他の作品を読んでみたくさせる。

  • 冬狐堂・宇佐見陶子シリーズ第2弾

    魔鏡を競り市で手に入れたことで話が始まる。
    市に参加していた男が電車に飛び込んだのを皮切りに周囲で命を落とす者が続出。
    陶子は絵画の贋作作りの汚名を着せられ、骨董業者の鑑札を剥奪されてしまう。

    単行本で500ページを超える長さだが、ストーリーの展開、文章の巧みさで一気に読んでしまう。
    蓮杖那智シリーズ「凶笑面」の「双死神」とリンクしており、且つ
    各シリーズの主要な人物が一堂に会する豪華な内容である。

  • 狐罠の続編。
    前作を読んで雰囲気に慣れたせいか、物語りに入り込むことが出来た。こうなると勢いで読めるので楽しい。
    やはり会話の部分が多く感じられた。登場する新たなキャラクターがそれぞれに魅力的だ。ガスパールと蓮丈那智が気に入った。
    昔の出来事は連綿と現代まで続いて事件を起こす、という考え方は高田崇史のQEDを思い起こさせた。タタラやデイタラボッチの話はQEDの方が詳しい。
    個人的には市のシーンが好きなので、今回少なくて残念だった。

  • 狐罠とセットで読むといいかもね

著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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