- Amazon.co.jp ・本 (616ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062752978
感想・レビュー・書評
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凄まじい大作だった。
上巻では、津島佑子らしくない創造力で意外性を見たが、後半は正に女性讃歌の一冊だった。
有森家の女衆の1人、桜子の魅力が物語を牽引している。彼女の顛末に関しては本作はおろかここ最近数作の中のハイライトだと思った。
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6代の物語である。下巻は山梨で空襲にあい、その先祖代々の家がなくなり、東京の江古田やそれ以外の所に移るという家の問題である。記録を書いている勇太郎が妻と一緒に米国に行っているが、そこのところの記録は書かず、米国に旅立つところで記録は終わっている。生まれては死にまた生まれては死にの繰り返しである。
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やっと読み終えた感じ。
何度もギブアップしかけた。特に上巻では。
どういう意図で書かれたのか、今もわからない。
妙な注釈が記入されているのは海外向けの用意だろうか。
「純情キラリ」を見ていないこともあって、語り部が次々と変わるのは感情移入が難しい。
下巻は敗戦を主軸とした一家離散滅亡への物語と読んだ。
人は必ず死ぬ。血もまた拡散されてしまう。
この物語の中には画家として登場する太宰治が居る。
娘から見た太宰の姿は目新しい。
拾いものである。
太宰治論に何か影響がsるのだろうか。 -
「純情きらり」原案、なんていう帯を読まなきゃよかった。おおよその筋を除き、まったく別のストーリー。非常に現実的だけど、時にくどいようにも思う。読み応えは普通。読んで特によかったとも思えない。現実的な、ある家族の記録。
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書き手は姉弟の間を移り、思い出は膨大だけれど、何か一本貫かれたものを感じるのは、姉弟の血か、故郷の名残か。人間を描き切る著書の真摯さに、読者である私は姿勢を正したくなる。人間の命は引き継がれていく。一生懸命に、あるいは無心に。
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『純情きらり』ファンにとっては上より下のほうが面白いかも。あー、この場面あったなー、とドラマを思い起こしつつ楽しめること請け合い。
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ドラマとは違う魅力。登場人物が多いにもかかわらず、ひとりひとりの人物像を丁寧に描いていると思う。「家族」とは何か?を考えさせられる。
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『純情きらり』はこれからどうなっていくのか原案と比べながらすごく楽しみ。達彦さんは死なずに戻ってくるかな〜?