水の伝説 (講談社文庫)

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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062757904

感想・レビュー・書評

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  • ど田舎の林業の家に預けられた東京のいじめられっ子が、カッパを助けたことで龍神の贄にされかけ…?
    設定がかなりしっかりしている。
    最初の天候に左右される林業一家の描写はなかなか胸を打たれます。畑を見に行って亡くなる人のニュースとか、なんでだろうって思っていましたが、居ても立っても居られないんだ、って腑に落ちました。
    女の子らしい見た目をコンプレックスにしている主人公が、同い年のお家の子に弟が欲しかった、って言われて男の子らしい遊びに惹かれて生き延びる展開胸熱。
    ただ女の子らしい見た目描写がくどいぞ秋月先生
    思ったよりきちんと児童文学で他名義も読んでみたくなりました。

  • 子供向けに書かれた自然を大切にしよう啓発本?単純に波津彬子さんの挿絵に釣られて借りたんだけど、結構面白かった。都会の小学校に馴染めずいじめられて登校拒否になり、山村留学してきた主人公が村を愛しく思い、逆に村で育った少年は村を嫌って都会に出る事を夢見ていたり、村で林業と農業で生計を立てている人々が、杉ばかりの山では土砂崩れが起きやすい事を知らなかったり、龍神の祭りをしながら村の人が龍神の存在を信じてなかったり、現実にホントにありそうな事ばかりでかなり共感しながら読んだ。

  • 子供ができる約束の話。子供の責任をとるのは大人の仕事で、大人の責任をとるのは子供の仕事なのね。

    中学生の時分に読んだんですが、こんな文面だっけ。もっと透き通ったイメージだったんですが。「児童文学ーーーー!!」って感じの文面でした。

  • 著者が一連の作品群で訴えたいポイントなんだろうと推察される「上から目線ではない自然保護・環境保護」については、切実に伝わってくる物語だったと思います。  東京で登校拒否 & 引き篭もりになってしまっていた光太郎君が初めて持つことができた友達(と言っても前半はまるで保護者だけど 苦笑)の龍雄君が「僕は山を守る人になる!」という決心をしたというのもと~っても尊い大切にしてあげたい考え方だと思うんです。  でも、今現在、Lothlórien_山小舎をメインの生活の場としている KiKi にはそれでもこのお話がある種「綺麗ごと」に感じられちゃうんですよね~。

    この物語が書かれた1995年当時は今とはまた状況が異なったということもあるんだろうと思うけれど、今、この村付近の林業の実態を考えると「山を守る人になる」という理想と現実の生活との乖離に絶望的な想いを一層強く感じずにはいられません。

    (中略)

    この物語の龍雄君は、光太郎君と一緒に龍神さまや山姫さまと遭遇するという事件さえなかったら、「四年制の大学に進学して、都会でサラリーマンになって、マンションで暮らして・・・・・」という自分が経験したことのない、TVで見る一見華やかそうな生活に憧れていたという設定になっています。  もちろん彼には都会の厳しさみたいなものは恐らく一切見えていなくて、「カッコイイ」部分しかわかっていなかっただろうし、光太郎君のように精神的に追い詰められる人もいるということには思い至っていなかっただろうとは思うけれど、少なくともその道を選ぶ限りにおいては恐らく「山を守る人」になるよりもはるかに経済的に安定した生活が営めたことだけは事実だろうと思うんですよね。

    でも、彼が小学校6年生にして下した「山を守る人になる」という尊い決断は、少なくとも経済的にはかなり苦しい道を選択したことになってしまうのは必須(≒ 要するに金にならない)なわけで、そんな彼の決断を「良かったね♪」とは素直に言い切れない KiKi がいます。  もちろんいかに技術が進んだ現代であっても「山を守る人」は必要だと思うし、龍神さまや山姫さまと心を通わすような人間が今も生き残っているとしたらそれはそれでものすご~く素敵なことだとは思うけれど・・・・。

    こういう物語を読んで、龍雄君の決心を素直に喜べないのは、それだけ KiKi が都会ズレしている証拠でもあるけれど、現代社会全体がここまで経済主導的な社会である以上、哀しいけれどそれが現実だと思うんですよね。  そして、この2つの折り合いの付け方な~んていうのはかなり賢い人、知恵者が頭をひねったからと言ってそんなに易々とは答えが見つけられるものではないような気がします。  少なくとも KiKi 自身は都会で暮らしている時、こういう村で暮らしている人たちのことを「自分でその道を選択した人たち」と自分の生活とはある意味切り離して考えていましたから・・・・・。

    (全文はブログにて)

  • 児童書として対象を子どもに向けているのだろうけれど、大変深いテーマだし(自然破壊、人間の都合のいい山の残し方)、大人としても感じながら読みました。そして、泣きました!

  • 「ぼくの・稲荷山戦記」や「夜の神話」に続く「神様しりーず」(だったっけ?)の第三弾。
    相変わらず、何度も読み直していますが、コレが一番好きかな?
    環境問題を扱っているのに代わりはないですがより、他の似作品より青臭さが少なく(失礼)、ちゃんとファンタジーしていて、読みやすいです。

  • 友達に薦められて読んだ。

    …というか、秋月さんか!

    表紙の絵が波津さんな意味が分かりました(笑)

    らっぽり読みたいなぁ~。

  • 1月27日 ブックオフにて 105円
    1月28日読了

  • こころ温まるお話です

  • 好きすぎて仕方ない。これはいい話だったなぁ。

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