江戸の怪奇譚 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062765442

感想・レビュー・書評

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  • ただの怪談ではない。
    また、江戸時代の怪奇譚を紹介しているだけでもない。
    怪奇譚を現代的に分析している点が斬新。

  • 江戸時代に起こった怪事件や怪異譚(風聞含む)を、当時の資料や著書を通して解釈し、同時に著者の現代的な視点から解き明かそうとしたもの。「神隠し」「天狗の人攫い」を児童虐待や僧侶による少年愛、「河童」をストリートチルドレンとして解釈する見方は興味深い。だが怪異を須らく合理的解釈に結び付けたり、当時の人間の迷信として否定していないところには好感が持てる。

    「本書で紹介された幾つかの残酷シーンに無邪気で陰湿な興味を抱く読者がいるかもしれない点だが、そんな『子供』や『未熟な大人』にこの本はお勧めできない。これは他人が何と言おうと学術書(の一種9であり、彼らの渇を癒すにはいささか内容が複雑すぎるからだ」

    とのあとがきでの著者の言葉に、この本の性格と著者の態度(矜持)がよく表れているように思う。であればこそ、帯の煽りがいささかセンセーショナルというか、文字通り“煽り”となってしまっているようにも思えるのだが。

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著者プロフィール

氏家 幹人(うじいえ・みきと)
1954年福島県生まれ。東京教育大学文学部卒業。歴史学者(日本近世史)。江戸時代の性、老い、家族を中心テーマに、独自の切り口で研究を続けている。著書に『大名家の秘密』(草思社)、『かたき討ち』『江戸人の老い』『江戸人の性』(いずれも草思社文庫)、『増補版 江戸藩邸物語』(角川ソフィア文庫)、『武士道とエロス』(講談社現代新書)、『江戸の少年』『増補 大江戸死体考』(いずれも平凡社ライブラリー)、『不義密通』(洋泉社MC新書)、『サムライとヤクザ』(ちくま文庫)などがある。

「2021年 『文庫 江戸時代の罪と罰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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