UFO大通り (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062767712

作品紹介・あらすじ

鎌倉の自宅で、異様な姿で死んでいる男が発見された。白いシーツを体にぐるぐる巻き、ヘルメットとゴム手袋という重装備。同じ頃、御手洗潔は、この男の近所に住むラク婆さんの家の前を、UFOが行き交うことを聞き及ぶ。果たして御手洗の推理はいかに!?「遠隔推理」が冴える、中編「傘を折る女」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 短編でこのクオリティ!
    どちらもアナフィラキシーショックを題材にしたミステリ。おばあちゃんが見間違えた宇宙戦争が、まさか蜂の駆除だったとは笑
    しかも、ミステリとしてもかなりよく出来ている。
    2作目の傘を折る女も非常によくできたサスペンス。部屋に2体の死体が出てきた時はびっくりした。また、女が傘を折っていたという目撃者の証言から、ここまで話が膨らむなんてすごい。
    最近は御手洗さんが日本を去った後の話ばかり読んでたから、石岡くんとテレビ見たり散歩してる2人がとても懐かしかった。

  • 圧倒的な謎、名推理の御手洗、完璧な推理小説。言う事なし。

  • 中編2本からなら一冊。
    いつものとおり、些細なことから御手洗潔が事件の全貌を見抜き、事件を解決していきます。
    2本とも事件解決に必要な部分が同じところがあるので、敢えて揃えたのかな?と思われます。

  • 銀色に塗られた顔、目張りした部屋、シーツを被り死んだ謎の男、雨の日に傘を折る女、奇妙な事件から鮮やかに真相(トリック自体は言われてみればなんでもない)を掴んでみせるところが安定の島田荘司。はやく結末を知りたいとページをめくる手が止まらない。1981年とか1994年とか回顧する形式である必要はあるのかな。(トリックが現代科学ならすぐバレるからという理由とか?)

  • やっぱり島田荘司は読みやすいーっ!!
    (毎回言ってる気がする)
    やっぱり現代の科学捜査ならすぐ解決されちゃいそうだけど(笑)。
    どっちもアナフィラキシー落ちってあえて揃えたんだろうか?
    割と御手洗くんは動き回って解決する印象だったけど、傘を折る女では安楽椅子探偵に徹していて珍しいなぁ。

  • 御手洗ものとしては、たいしたことないのかなあ。
    しかしやっぱり面白いから、さすがの御手洗もの。

    島田荘司という人は、物語をあり得ない方向にぶん投げてしまう。
    読み手は、どうするんだよと呆れるわけだが、異世界に飛ばされた謎は、きれいな弧を描き、無事に現実へと戻ってくる。
    そんなブーメランの名手なのだ。
    その技法に、見事なトリックが組み合わさった時、占星術、斜め屋敷、奇想天動などという傑作が生まれるのだ。
    この作品のように、トリックとしては無理を感じるものでは、その技法のみで読者を引き込む力が一層際立ってくる。

    本格であり、社会派であり、ロマンチシズム溢れる御手洗ものは特に、このブーメランの技法により、これでもかと心地よく翻弄されるのだ。
    まだまだ数十年数百年、永遠に続いてほしいし、読み続けたいと願ってしまうシリーズなのだ。

  • 鎌倉の自宅で、異様な姿で死んでいる男が発見された。白いシーツを体にぐるぐる巻き、ヘルメットとゴム手袋という重装備。同じ頃、御手洗潔は、この男の近所に住むラク婆さんの家の前を、UFOが行き交うことを聞き及ぶ。果たして御手洗の推理はいかに!?「遠隔推理」が冴える、中編「傘を折る女」も収録。

  • 「UFO大通り」と「傘を折る女」の2編収録されている。

    読者への挑戦状は無く、細切れの情報から御手洗の快刀乱麻を断つ名推理で事件解決。

    御手洗清のキャラクターは実に面白い。
    京極堂シリーズの榎木津礼二郎も好きだが、御手洗の身勝手さも面白い。

    気が付けばまた一日で読了してしまった。

    個人的には「傘を折る女」の方が好み。

  • ラク婆さんが見たという宇宙人の戦争と、不可解な装備で死んでいた男との関係とは?「UFO大通り」
    雨の降りしきる中、傘を車に牽かせる女。彼女の行動の真意とは?「傘を折る女」
    この二つの中編が収録されている。


    島田荘司はやっぱりストーリーテラーだ。謎解きうんぬんは別にしても、物語で人を引き込む。と、「傘を折る女」で実感。
    肝心の謎解きに関しては…私はどちらかと言えば「傘を折る女」の方が好きかも。
    でも表題作には御手洗さんと石岡君の軽快なやりとりという見逃せない点もある。実際結構ひどいことを御手洗は石岡君に吐くんだけど、逆にそれが楽しそうで可愛い。
    まあどのみち今の状況を思ったら、もう無性に切なくなったりするんだけどね。石岡君……。

    ところで島荘はイラッとくる女を書かせたら天才だな。これも「傘を折る女」でよーくわかる。

  • 御手洗シリーズ二本所収した中編集。UFOが目撃された近所で宇宙服と見紛う姿で死んでいた男。雨の中ずぶ濡れになりながら車道で傘を轢かせていた女。引き込まれる発端から斜め上いく解決まで、わくわく止まらず一気読み。ただただ愉快なお話でした。

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著者プロフィール

1948年広島県福山市生まれ。武蔵野美術大学卒。1981年『占星術殺人事件』で衝撃のデビューを果たして以来、『斜め屋敷の犯罪』『異邦の騎士』など50作以上に登場する探偵・御手洗潔シリーズや、『奇想、天を動かす』などの刑事・吉敷竹史シリーズで圧倒的な人気を博す。2008年、日本ミステリー文学大賞を受賞。また「島田荘司選 ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」や「本格ミステリー『ベテラン新人』発掘プロジェクト」、台湾にて中国語による「金車・島田荘司推理小説賞」の選考委員を務めるなど、国境を越えた新しい才能の発掘と育成に尽力。日本の本格ミステリーの海外への翻訳や紹介にも積極的に取り組んでいる。

「2023年 『ローズマリーのあまき香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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