- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062770187
作品紹介・あらすじ
漱石の小説を読むと、なぜこんなに癒されるのか。それは、登場人物が皆「降りている」からだ。『坊っちゃん』は田舎教師になり、それもすぐに辞めてしまう。『それから』の代助は不義の愛を貫いて、上流階級から滑り落ちる。でも「それでいいんだ」。人生の敗者たちに、漱石は、そう語りかける。文庫オリジナル。
感想・レビュー・書評
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時間を経た後、文化を構成しうる作品・・ってそういう表現をしたものなんだ・
教わりました。なるほど。
甲子園の決勝戦を観に行ってみるという、ひとり旅の連れにもっていった本でした。
高校生の晴れ舞台にいる熱い大勢の人たちの今現役の生気と降りてから生きた漱石、どっちもいいなって思った。
感動!丁寧にこの本を作ってくださった皆さんありがとうです詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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漱石の小説に登場する人物は、世の中に妥協して安定した地位を守るよりも、自分の自然な感情に則って行動し、世を降りる人が多い。そのことで、なんとなく爽やかな気持ちになった人(坊ちゃん)や、厳しい生活を余儀なくされる人(門、それから)もいる。漱石自身、明治時代のとんでもないエリートだったにも関わらず、英国で悩み、教員を辞め、しまいには作家になる。彼の作品の主人公は、漱石の生き方を現している。
なるほどね、そういう読み方があるんだ、という気づきがある一冊でした。 -
2011.11.14読了