失楽の街 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770361

感想・レビュー・書評

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  • 同潤会アパートは、写真集をちらりと見た記憶があるけれど、レトロで素敵な建物という印象。その末路の書かれ方はちょっと切ない。コミュニティとして機能していたアパートもある、というのはなかなか面白かった。

    冒頭に朔太郎の詩が引用されているのだけど、なんとなくイメージと違う殺伐とした詩だった。やはり朔太郎の詩も読まねばだなあと思った。

    今回、京介が情報を小出しにしていても腹が立たないのは、やはり相手がかんじ悪いからかな笑 あと、京介が何を大切にしているのかが明確だから。「生きている人間が幸せになるための真相じゃなかったら意味がない」という京介の気持ちがよく分かるラストが良かった。

  • 今までの建築はお金持ちの別荘とかが多かったが
    今回下町の古い共同体という事で珍しい。
    教授視点。

    木造は残すのが難しい。。。
    以前文豪の住んでいたアパートに行こうと思ったら取り壊されていたし。。。

    爆弾テロが題材だったのだが
    京介のセリフ
    戦争で沢山の人が死ぬのと、身近な人が一人死ぬの
    どちらがより悲しいか、
    確かに明言は避けるけれど、人ってそういうものだと思う。。

    今回は色々新しくて、展開が読めず。
    二部はこれで終わりらしいが、まだまだ未読があって嬉しい。

  • 建築探偵シリーズ第10弾(通算14)&二部完結。
    今回の舞台は東京。そしてメインキャラ達はまだマレーシア。
    そうなんです。前作とちょっとだけ被ってます。
    家出少年の行方と爆弾テロと元W大教授の息子の死の真相。
    狙われたW大と神代教授宅。
    ジメっとして粘着質で変に熱い思考が入り乱れて
    本当に梅雨のような心模様ですよ。
    蒼も爆弾テロに巻き込まれたために、京介が警察に協力することに。
    テログループ『火刑法廷』の目的とは?
    今回はちょっと物足りなさが残るけど、さりげなく過去キャラが
    登場してるし、京介ファンにはたまらないシーンもあって
    久しぶりに妄想炸裂してしまいました。

  • シリーズが完結したことを知り、再読。教授活躍。

  • ここまで読んできたシリーズ中、一番好みかも。
    視点は珍しく教授です。
    なので、どこか哀愁漂ってます。若者にはない空気感がある。
    東京出身の中高年にはどこか懐かしいものがちりばめられてる。

  • ■東京の街そのものが謎であり、罠――

    四月一日のW大講堂前を皮切りに開始された連続爆破事件。ハンドル・ネーム≪火刑法廷≫の犯行予告はなにを語る。故郷を捨ててさまよう少年、過去を引きずる男女、我が子を亡くした父。魂の置き場を喪失したものたちが、巨大都市・東京で交錯する時、その救済は何処に。建築探偵シリーズ第二部、堂々の完結。

  • 建築探偵桜井京介シリーズの長編10作目です。
    今回でてくる建築はあの同潤会アパートです。
    名称は少し変えてますが。
    でも事件の舞台となると「大都市東京」らしいです。
    建築物に隠された個人の遺志をひも解くといった、
    シリーズ当初の試み(?)の方が個人的には好きなのですが、
    今回もスピード感があって読ませられました。
    同潤会アパートの様子も描かれていてよかったです。
    難問山積だったでしょうが、
    それでも残して欲しかったですね。
    パターン化された冒頭の犯人らしき人物の独白も、
    今回はどれが誰の独白かすぐに分かったと思っていたら、
    最後にひっくり返されて良い意味で裏切られました。
    私は未読なのでたぶんですが、
    スピンオフ作品である蒼のシリーズに出ているらしい人物も登場します。
    一建築を舞台にした謎解きだったのに、
    とうとう東京中を飛び回るようになっちゃって。
    「どこへ向かっていくんだこのシリーズ」と思っていたら。
    シリーズ第二部完結ということで次回から急展開のようです。
    誰でも想像できますがもちろん京介の秘められた過去についてでしょう。
    本名を含め全てを秘した桜井京介という存在は、
    今後どのようにひも解かれていくのか興味深いです。
    個人的には建築物に対する謎解きが好きなんですけどね。
    くどいようですが。

  • ミステリだと思って読むから、どうしても気付いてしまうよなぁ。うーん、難しい。

  • 文庫発売記念に再読。
    しかし殆ど内容を覚えていないことに愕然としました…

  • 8月19日~30日

    四月一日のW大講堂前を皮切りに開始された連続爆破事件。ハンドル・ネーム“火刑法廷”の犯行予告はなにを語る。故郷を捨ててさまよう少年、過去を引きずる男女、我が子を亡くした父。魂の置き場を喪失したものたちが、巨大都市・東京で交錯する時、その救済は何処に。建築探偵シリーズ第二部、堂々の完結。

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる。著書に、『建築探偵桜井京介の事件簿』『龍の黙示録』『黎明の書』『レディ・ヴィクトリア』『イヴルズ・ゲート』シリーズなどがある。

「2022年 『レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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