覇王の番人(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (560ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770576

作品紹介・あらすじ

血みどろの戦を重ね、光秀は信長を「天下人」へ押し上げる。だが、冷酷非情な信長は無惨な虐殺をくりかえし、自らを神と称するようになる。悩んだ光秀は、ついに決断を下す…。亡き親の敵と信長をうらむ小平太は忍びとなって、光秀を助けるべく本能寺へと急ぐ!史上最大の謎が今ここに解き明かされる。

感想・レビュー・書評

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  • 今日、旧暦6/2本能寺の変があった日に読み終えた。
    明智光秀の本能寺の変への決意、実行、その後を描いた歴史小説。
    ラストの方はまぁ、そうなるよねっていう人物像だったけど
    下賤の忍びである小平太・外様大名であるのに重宝され続け、周りから妬み僻み嫉妬を浴び続けている明智光秀。
    実際はどうか、史実はこうかなんて分からないけど(今でも謎ですし)
    あぁ、こうであってほしいなと思って止まない小説だった。
    派手なアクションシーンももちろんのこと、世界に引き摺り込まれるような
    読んでて非常にワクワクもしたし人間の残酷さも現代に通じるのではないかと思ってしまう

  • まずは、人生初で歴史小説を読了した自分を褒めたい!

    でも、わたしがこれを読み切ることができたのは、今大河で明智光秀が描かれていること(イメージを作りやすい)、小平太という忍びからの目線で描かれるところが交互にあってそれが読みやすかったこと、そして下巻はやはりわたしのような歴史音痴でも知る本能寺の変が出てくること。

    しかし、まさかの裏切りというか企みというか、読みながら「ええーー!?」と何度声を上げてしまったことか。当時の武士はただ強いだけ、頭がいいだけ、人がいいだけではだめなんだ。明智光秀というひとは、家臣や民を大事にし、歌を愛し、基本的にはとても慈しみ深い人だったのかな。完全に光秀派になっていますが。

    史実がどうだったのかというのはさておき、本能寺以降のラストに至るまでの流れはとてもロマンティックだったし、歴史というのが勝者の歴史であったとすれば、そこに埋もれてきた長い長い日本の歴史、事実にはもっともっとたくさんのことが知れず存在するのだと思うと、それもまたロマン。

  • NHK大河ドラマの明智光秀像とは異なるが、最後まで私が抱いている光秀像からは逸脱しない内容で完結した。
    ここ10年ほどで、歴史学者たちの手で明智光秀の新たな史実が明らかになっているらしいが、信長への謀反を起こした当事者ということからだろう、光秀が世に貢献した記録は、勝者側の手によりかなり抹殺されていたようだ。
    これはいついかなる時も勝者側が都合の良い記録を作って行くものなので、歴史の必然なのだろう。
    その作られた歴史も新たな資料によって、見方や価値観は大きく変化するものだと、つくづく考えさせられる。

  • 光秀をめぐる歴史絵巻を、光秀と忍び小平太を描いた物語。本能寺の変後どうなったかがこの小説の最大の読みどころ。
    まあ、そんな想像してみるのも面白いかもね。

  • 明智光秀の死の後、一人の侍が寂れた寺の僧坊のもとを訪ねて明智光秀と忍びの小平太を捜しているとのことから物語が始まる、

    哀しい結末が多い中、この本は光秀が天海として生きているのと、玉が救い出されて重症ではあったが生きのびたと波乱万丈な人生の最後の数年は幸せであったのは歴史のいいように解釈できるたまものなんだろう
    また再読してしっかりまとめたい本に出会った。

  • 本当の感想は長いので読書メモに書いた。
    自分に酔っている・カッコつけキャラを書くのに参考になる小説。
    主人公だけでなく、他のキャラも地の文もそうだから気持ち悪い。
    主人公に都合がいいのも気になる(主に天気)

    宗教と女性の結婚はよく似てると思った。
    武田攻めについて疑問がわいてしまった。

    解説に驚きとあるのだが、どこにも驚きはなかった(強いて言うなら戸田さんが出てきて笑った)

  • ラストはそれなりに面白かったけど、途中はだらだらと長かった。
    本書では、本能寺の変は秀吉と藤孝に仕組まれた罠、という解釈をとっている。藤孝・忠興親子が、日和見の腹黒いやつ、というのが新解釈なのかなぁ。秀吉の抜け目なさは目新しくないし。途中までは、自ら神に成ろうとした信長を抹殺するために朝廷が仕組んだこと、というオチかと思ってた。こっちの方が面白いのになぁ。

  • 天下静謐を願う光秀に対し、非情な行動を続ける信長。ついに本能寺の変に至る。黒幕にはめられた光秀の有り様は、サラリーマン社会でも日常的にあることで、身につまされるばかり。

  • 特に新しい視点もなく。

  • 2016.2.1(月)¥250+税。(-2割引き)
    2016.2.28(日)。

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著者プロフィール

真保裕一(しんぽ・ゆういち)
1961年東京都生まれ。91年に『連鎖』で江戸川乱歩賞を受賞。96年に『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞、97年に『奪取』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞長編部門、2006年『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。他の書著に『アマルフィ』『天使の報酬』『アンダルシア』の「外交官シリーズ」や『デパートへ行こう!』『ローカル線で行こう!』『遊園地に行こう!』『オリンピックへ行こう!』の「行こう!シリーズ」、『ダーク・ブルー』『シークレット・エクスプレス』『真・慶安太平記』などがある。


「2022年 『暗闇のアリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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