コッコロから (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770583

作品紹介・あらすじ

私、恋って、どっか美人だけがするもんだって思ってた-彼氏いない歴21年、こけしそっくり顔の亜子が、人生で初めて恋をした。コッコロから=心からでないとなにかを「好き」と言えない亜子の、人生最初の恋。相手は超美形の東大生って、怪しい?佐野洋子が遺してくれた恋の本質。

感想・レビュー・書評

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  • 亜子ちゃんになって読み終えました。さてこの先はどうなることか・・・・

    とてもさわやかで清々しくて明るい本でした。

  • 角田光代さんの本を読んで、読んでみたいと思って借りた。
    夢中になって読んで、最後の最後でポロっとしてしまった。
    泣くところじゃないのに、亜子ちゃんが大人の階段登ってるー、だんだん子供じゃなくなってくー!と思うのが寂しかったのと、人生をちゃんと決めてくって腹を括ってるところがなんかぐさっときた。

  • 佐野洋子さんのエッセイが面白くて、本屋さんで小説を見つけたので読みました。
    読むと80年代?から90年代のちょっと懐かしい感じがします。
    主人公の亜子ちゃんが、自分には関係ないと思っていた恋に突然、出会うお話です。
    亜子ちゃんの言葉や感じたことがそのまま伝わってきて、10代に戻ったみたいに、きらきら瑞々しい感覚になります。
    人を好きになることからは、誰だって「自分には関係ない」と逃げるようなことはできないと、亜子ちゃんに教わったような気がします。

  • なんかしばらく重たい本というか、もっさりしたのばっか読んでたからか、ここでこの本は反則だな、という、ふぁわー、っていう本。これがギャップ萌えってやつか。
    でもまぁ話は単なるシンデレラストーリーなのである。シンデレラは見た目も美人だったけど、美人じゃなくてもシンデレるっていう、夢を与える話なのである。ただそれだけの話でも語りでいくらでも面白くできるっていう事なのである。あれだ、バッハだかなんだか、カラヤンが演奏するか小澤征爾が演奏するかで全然違うってやつだ。でもあれは違いが分からんけど。アメリカザリガニも一流料理人が調理すればイセエビと違いがつかないってやつだ。これだな。

  • 恋愛は自分とは無縁と思っていた、こけし顔の女の子の初めての恋愛♪
    相手は顔も頭も家柄も良い背の高い美男子☆

    夢のよぅな話のよぅで、でもコンプレックスって誰にでもあるもので…そぅいぅところが共感できて惹かれるんじゃないかなぁと思います。

    登場人物がとってもリアルに人間らしぃですし、亜子ちゃんの純粋で素直な感情表現に…引き込まれます。

  • 実際の初刊行は93年のようだけど、私のイメージは"80年代の終わり"な物語。彼氏いない歴21年、こけしにそっくりな亜子ちゃんの日々。
    訳あって物理的に辛い条件というか体勢で読むために持参した本で、かつエッセイだと思っていたのに小説だったわけですが、思ったよりもずっと軽い読み心地で2~3時間の助けとなってくれました。とはいえ内容は決して薄いわけではなく、ラストがいい。

  • 母に「アンタっぽい」と言われたので…。
    亜子が恋を理解する思考回路と過程の
    テンション低さというかマイペースさに共感して
    さらさら読めた。
    登場人物それぞれにとっての恋が
    ちゃんと全部違ってる感じが面白い。
    ケンとマサノリの恋愛観も変わってってるし
    成長してるな~。
    終わり方もいいな。あれ以上いらないよな。

  • 雑誌『オリーブ』で連載されていた青春恋愛小説。
    主人公・亜子は小さい頃から周囲に愛され褒められながら成長した。そして時を経て亜子は21歳。男友達はたくさんいるけれど恋愛とは全く縁がない。『こけし顔の自分には恋愛はできない。恋は美人だけがするもんだ』。そう思いこんでいた“清く正しい”亜子は、ある日突然モテ始める。

    『コッコロから=心から相手を「好き」になる』、テーマはすごくシンプルです。まっすぐで正直で純粋な亜子の人生最初の恋に、読み手もまるで亜子の親友のように側でじっと見守っているような気分に。文中の独特の表現が秀逸なのは勿論、亜子を始め登場人物が皆曲者揃いでにやにやします。
    女はやっぱり愛嬌ですねぇ(しみじみ)。

  • 佐野洋子さんの小説を読みました。佐野さん自身が書いた挿絵、それも色刷りで綺麗、開いてみただけ素敵な雰囲気が伝わってきます。おまけに帯には”抱きしめたくなるようなピュアな恋愛小説ありマス”との文字、秋も深まるこの時期これは手に入れて読もうという気になりました。

    主人公は21歳になるのにまだ彼氏のいない亜子ちゃん。彼女は幼なじみのケンちゃん始め、気軽にワイワイできる男友達は何人もいるのに、まだ肉体的な接触を男性としたことがないという女の子。こけしちゃん顔でみんながかわいいといってくれるものの、彼女自身はその顔に最大のコンプレックスを持っています。そんな亜子ちゃんを取り巻く家族や友達はからかい半分ですが、みんな個性豊かで素のまんまの関係でそのやりとりはコミカルで楽しくなります。
    読んでいてふと、山田詠美さんの小説にでてくる雰囲気だなあと思っていたら、ちゃんと小説の中でも、思いがけずとっても美男子の彼氏ができたばかりの亜子ちゃんもデートの前に読んでいました。
    山田詠美さんの「放課後の音符(キイノート」を。亜子ちゃんには今までと違う世界が見え始めてきます。さてそんな彼女の初めての恋の行方は・・・
    というところなのですが、結果はどうあろうとコッコロから(心から)ひとを好きになることで誰もがピュアな気持ちになれるのは素敵なことですね。

  • まぁおもしろいこと。
    電車の中で読むのはやめたほうがいい。


    絵本を描くように物語を書くとこうなるのだろう。
    シンプルに一番大切なことを一気に掬い上げる結末。豊かな情景描写。


    挿し絵もとても素敵だった。


    そして『シズコさん』を先に読んでいた私は少し悲しくなった。

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家。ベストセラー『100万回生きたねこ』のほか『おじさんのかさ』、『ねえ とうさん』(日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)など多数の絵本をのこした。
主なエッセイ集に、『私はそうは思わない』、『ふつうがえらい』、『シズコさん』、『神も仏もありませぬ』(小林秀雄賞)、『死ぬ気まんまん』などがある。
2010年11月逝去。

「2021年 『佐野洋子とっておき作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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