夏を喪くす (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.32
  • (39)
  • (164)
  • (254)
  • (56)
  • (9)
本棚登録 : 2372
感想 : 178
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062773829

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 原田さんの描く女性は、出来ますね~。
    かっこいい女性が多いです。
    でも、その裏で抱える苦難や葛藤が切ないです。
    そんな彼女たちが光を見つけ、次へのステージに向かいます。

    この4作品の中では、『ごめん』が好きでした。
    主人公の陽菜子は、不倫相手と海外旅行。
    その間に、夫は事故に遭い植物状態…。
    いろんな葛藤が渦巻く中、夫の謎(?)を解きに高知へ。
    そこでの出会いが、彼女に覚悟をさせます。

    高知弁を聞いていると、色々なことが「大丈夫かも」って思えちゃうのはなぜでしょう…。
    高知市内を走る路面電車は、東が「後免(ごめん)駅」で、「伊野(いの)駅」です。
    以前、高知を旅行した時に、両電車がすれ違うところを見て、「ごめん」「いの」と微笑ましく感じたのを覚えています。

  • マルタ島旅行中に読んだ。ひとり海外旅にぴったりの本だった。バリバリ働いて、お金、パートナー等手にした女性がふと岐路に立って人生を振り返る。短編ほどではない中篇がいいなーと思った。

  • 2023.8

    9月に読み終えたのだけど、感想を書くのを忘れていた。泣いてしまうので途中まで読んでから暫くの間眠らせていたけど、夏が終わるまでに読み終えたかったので良かった。今の年齢に合う本だった。泣きながら読んだ。

  • こういう読書体験をしたいから、私は本を読んでるんだなと思うほどに、沁み入る話たちだった。

    なくすことで、大切さに気づく。当たり前のことだけど、それを感じる女性たちの心の動きがありありと伝わった。

    また機があれば読み直したい短編集。手に取って良かったです。

  • 40代の日本女性の今を掬い取った、紛れもない文学作品。原田マハが単なるエンタテイナーではなく、人間を探求した文学者であることを示した意欲作を集めた中編集です。解説にフェミニストの斎藤美奈子を据えたのは編集の妙手です。

  • 全ての話が最後にどんでん返し。意外な結末と行く末を想像させられる終わり方が良かった。
    女性が主人公だからこそ、共感できるわがままな心があり読みやすかった。

    4つの話の中では天国の蠅が一番好きでした。

  • ハイヒール履いてアメリカの高層ビル立ち並ぶ街をコツコツ歩くできる女感あふれ出てる麻里子憧れの境地。自分の好きなことを世界を相手に大舞台で仕事にしてわかりあえる(?)同業者と結婚も決まってるって良いな~。
    今現時点で干からびまくってる大学生だけど、こうなりたいっていう人物像が描かれててずっと心に残ってる。
    解説にもあったけど、原田マハさん自身がこういう女性らしいからこういう話が書けるんだろうなぁ。私も「輝いている人」になりたい~ってことで今から目指します!笑
    とりあえず美術館とか展覧会とかが似合う人になりたい☆彡

  • 4作品全部面白い。裏切りながら失いながらそれでも、ほんのわずかな光りを頼りにしながら生きていく。2018.07.21

  • そうそう、中・短編集はこうじゃなくちゃ。4つの物語はどれも読んでいるうちに「じん」ときて。あまりの満足度に、読み終わって確認したら4つしかなかったんだと驚いて。はぁ、とため息とともに最終頁を閉じました。

  • 大人の恋愛中編小説集。
    絶望と共存するお年頃で、かなり共感しちゃうのですが、そんなに潔い選択ができそうにない自分に気づきました。

著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×