ヴァイブレータ 新装版 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 44
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062774758

作品紹介・あらすじ

振動するもの=ヴァイブレータ。あたしの中身は震えつづけている。自分の中の「声」に悩まされ、アルコールと食べ吐きでなんとか己を支えているライターのあたしは、コンビニで知り合った男・岡部の長距離トラックに乗り込む。さわりたい-何度も重ねる身体。そして言葉も重なったとき、あたしの何かが変わる。

感想・レビュー・書評

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  • 解説の寺島しのぶが「20代最後の宝物」なんて書いているものだから、読んでみた。

    『東京プリズン』とは重みの違う彷徨。
    でも、その人にとっての彷徨の重さなんて、関係がないのだと思う。
    何かがあるような気がして、何かから目を閉じたくて、でも本当の終わりにはしたくなくて、結局は何かを求める。

    食べては吐いて、ぐっすり眠る。
    満たしては失って、明日を迎える。

    コンビニでふと触れた見知らぬ男を追いかけて、彼女はトラックに乗り込み、彷徨する。

    この男が、格好いい。
    随分な過去を持っているけど、優しい。
    触れること、求めること、拒むこと、どんなことにも応じてくれる。そんな人がすぐ目の前にいたら、やっぱり自分の彷徨に付き合わせてしまうような気がする。

    20代最後の宝物。
    その意味は分かる気がする。

  • んー、病んでる世界。求めてるのと少し違った。

  • たぶん、本を読むのは2回目。映画観て本借りて、また本を手に取った。

    映画の大森南朋さんの声で岡部を再生する。
    玲の声が生まれる瞬間のエピソードすっかり忘れていて、なんかわかるなあと思った、

    うまく共存できなくても、あるがままの、前よりちょっと良いものになった自分を受け入れていく。

    あとがきの、拾う-拾われるがテーマの一連の小説読んでみたいなと思った。

  • トラックの中で繰り広げられるストーリーと、文章が凄く良かった。

  • 最初に赤坂真理さんに触れたのは「ヴァイブレータ」の映画版だった。頭の中の複数の声や幻聴に悩まされて酒と食べ吐きに逃げる主人公の、徹底した一人称目線の映画で、映画でここまで一人称目線を徹底できるのかと驚いたと同時に、その描き方故かあまりにも幻聴や幻視的なものが近くに感じられて恐ろしかった。
    原作を初めて読んだけど、映画は驚くほど原作に忠実だった。あとがきにも書かれていたけど、最初に原作を読んでいたら、私も「これは絶対小説にしかできない」と感じていたと思う。
    言葉の崩れ方や去り方があまりにもリアルだから。

  • 小学校の国語の教科書で読んだ「赤い実はじけた(だっけ?)」の読後感を思い出しました。
    本当にわからない、理解できない。

    それなりに本を読んでいるので、自分に合わない作品でもそれなりの感想を持ったり、何かしらを得るのですが、こと本作に関しては「まあそんな人もいるよね」としか感じられませんでした。

    きっと合う合わないが分かれる作品だと思います。

  • これはわたし?って思うほどのめり込みました。
    わたしもトラックに乗り込みたかった。
    ふたりで束の間の逃避行したい。

    不安でぐるぐるになって、もうがんじがらめで苦しくなることがあるので、ちょっと悲しくて幸せになった。

  • ヴァイブレータって原作があったんだ、と思い手に取った。
    トラックで寺島しのぶと大森南朋がセックスするシーンが印象的で、ドキドキしながら見たのを覚えている。
    新装版の装丁の方が良いですね。じわっとします。
    言葉なんてなくっても、ってことなのかな。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。作家。95年に「起爆者」でデビュー。著書に『ヴァイブレータ』(講談社文庫)、『ヴォイセズ/ヴァニーユ/太陽の涙』『ミューズ/コーリング』(共に河出文庫)、『モテたい理由』『愛と暴力の戦後とその後』(講談社現代新書)など。2012年に刊行した『東京プリズン』(河出書房新社)で毎日出版文化賞・司馬遼太郎賞・紫式部文学賞を受賞。

「2015年 『日本の反知性主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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