カント・アンジェリコ (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062774949

作品紹介・あらすじ

バチカンから逃げたカストラートの謎を知った枢機卿は彼をパリに追い、変死する。天使の美声はなぜ危険なのか。著者が驚愕の想像力により創り出した世界のなかで、十八世紀パリは、鮮やかな照明の煌めきに彩られ、惨劇の幕は開く。物語の力で、歴史をも塗り替える、江戸川乱歩賞作家によるSF大賞候補の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 時として誰かの運命を回す。 私があなたと一緒に歌うのは、それが一つの力であるからに他ならない。あなたわ一つの運命として私の元に引き寄せるために他ならない。

  • 面白かったです。
    カストラートが活躍する18世紀パリに煌々と輝く電飾と、張り巡らされた電話網…好きな世界でした。サイバーパンク、というジャンルなのか。。
    カストラートたちが電話をハッキングするハッカーというのが良いです。
    〈大天使〉と〈鳥〉…予想していた人物と逆でした。やられた。
    なんという心地よさだ…と満たされるのが、音楽、というのが素敵でした。全盛期のカストラートの歌声、聴いてみたかったです。
    オルランドとレスリー卿の黄昏はちょっと切なかったです。
    (電飾で)きらびやかなオペラを鑑賞したような作品でした。

  • 18世紀フランスを電飾に彩られたハッカー世界にしてしまうという大胆不敵なアイディアで歪んだ極彩色の異様な光景を展開する作者のたくらみが面白い。

  • もろもろ入り乱れた世界観がなかなか飲み下せず、前半はかなり苦戦。
    飲み下せないなりにもっていかれた、後半のオペラはさすが。
    毒々しさと清廉と。
    まさに見世物。稀代の見世物。

  • のめり込めず、途中で断念してしまった。

  • 1700年代初頭ルイ14世治世のパリが舞台であるはずなのに、読んでいると、あれっ?“電話?”“ルーブル前のガラスのピラミッド?”“ハッカー?”という言葉が飛び交うのに面食らう。【サイバーパンク】というジャンルがあるのを初めて知りました。テクノロジーとバロック、光と影の交差する舞台の脚本を彷彿させる構成で、実際オペラを鑑賞したような読後感でありました。

  • 読まず嫌いしていたのを文庫で見つけたので読んだ。なんで読まず嫌いしてたんだ…少し遠いところにある感じはするけど、幻想的ででも泥のような世界が面白かった。

  • バチカンから逃げた去勢歌手カストラートの謎を知った枢機卿は彼をパリに追い変死する.
    天使の美声は何故危険なのか.

    そんな感じで.

    そこそこ面白かったけどアレだな.
    セリフの言い回しがめんどくさいな.

    とか思ってるとあとがきに1996年刊行されたのの文庫化だったと.
    17年前か・・・.

    それはそれとして
    変声期を迎えさせないために少年の玉を切除するとか超怖い.
    ひゅんってなっちゃうわ.
    しかも麻酔というか道具が鋭いナイフと阿片.
    そして半分ぐらいが切除のショックで死ぬとか,超怖い.
    狂気の沙汰だよな.

  • 読み手と作品と劇中劇との間を行ったり来たりしながら、幻想的な怪しい世界へと引きずりこまれて行く。
    書き方は薀蓄が多いがすんなり入ってくるものである。ただアカデミックな部分の書き方が口上を読み上げるようで、物語の転換も詩人のような書き方に感じた。
    カストラート、とても興味惹かれる世界をここまで舞台にした作品は素晴らしい。

  • ムジカ・マキーナ以来?!
    妖しさ満点なスペクタル。
    ネットではなく電話のハッキングって面白い(1996の作品で!)

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著者プロフィール

1966年茨城県生まれ。茨城大学卒業。
お茶の水女子大学人文科学研究科修士課程修了。
1995年、第6回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作『ムジカ・マキーナ』でデビュー。著書に『アイオーン』、『赤い星』など。編書に『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(東京創元社)がある。2012年、『カラマーゾフの妹』で第58回江戸川乱歩賞を受賞。ほかの著書に『翼竜館の宝石商人』などがある。

「2022年 『大天使はミモザの香り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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