女の日時計 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062778053

作品紹介・あらすじ

裕福な夙川の造り酒屋に嫁ぎ、穏やかで優しい夫と何不自由ない新婚生活を送る沙美子。気難しい姑と、我が儘な義理の妹との日々は、窮屈ではあったが、充実しているはずだった。あの青年が現れるまでは――。
きらびやかな筆致で綴られた、狂おしいほどの秘めたる恋の行方。田辺文学の最高峰が鮮やかに復刊。

感想・レビュー・書評

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  • 白砂青松の酒造りの街。
    六甲山から流れる清水の夙川河畔に咲く桜。夙川舞花と呼ばれるこの桜、今年も変わらず咲いています。

    作り酒蔵の若夫人、沙美子を取囲む姑、小姑、女友だち。

    女女女女女…

    女だからこそ持つ母性、嫉妬や羨望で溢れる現実。

    傷つき悩みながらも、日々適度な温度に保たれているので、美しく上等となり一年もの時間をかけ本物となっていく。

    男は本物の酒を求めるように
    女は本物の愛を求める。

    そして今年の春もこの女たちは、淡いピンクに頬を染めながらもまた白い頬に白粉のせて、来年の愛を求めていくのでしょう、夙川舞花のように……


    どんなにほかのことで苦労があるにせよ、女の幸福も不幸も男という大きな翼の下ではぐくまれるか否かだけにかかっている。

    うんうん。

    読み終えて、私はこの物語に登場する女性の誰でも共感してしまう… 昭和44年~の作品というのに。

    結論は愛!

    本来なら昼ドラ的にどろどろしそうな話さえも四季折々の自然や関西ならではの表現を取り入れながら書かれる聖子さんはやっぱり好きだなぁー。

  • 1/5 読了

  • 20140908読了
    28歳で読み、歳を重ね一回りしてもう一度読みたい女の話。

  • 私もこの状況だったらこの選択するだろうな。と思った。存在の耐えられない軽さ、なんだけど、重みがあるほど地に足のついた幸せを感じる、って。

  • 女なら一度は考える?!もしあの時、、、

  • いいところの奥さまが、少し物足りない思いをしているところ現れた、義妹の見合い相手。
    いろいろあったものの、踏み出せない・・・そんなところが現実っぽい。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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