蛇変化の淫 素浪人半四郎百鬼夜行(三) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 22
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062779210

作品紹介・あらすじ

2015年版「この時代小説がすごい!」(宝島社)書下ろし部門第5位

妖艶な蛇踊りの裏に怪異がひそむ。江戸の怪異退治隊(ゴーストバスターズ)出陣!

丹精かつ美しい筆致と、背筋が凍るほどの恐怖。―末國善己(文芸評論家)

藩を首になった素浪人の榊半四郎、謎の老人・聊異斎と小僧・捨吉。江戸の怪異に立ち向かう好評シリーズ第三弾。

出会い茶屋で商人風の男が殺された。下手人のお哉(かな)は長屋に亭主を置いて姿をくらます。浅草寺境内の芝居小屋で踊り子として紛れ込んだ女の悲惨な末路―「蛇髪変容」

突然店の主が何者かに取り憑かれ、修験者と半四郎でその遣わすモノを探る―「土瓶(トウビョウ)遣い」

女に誑かされた末帰らない跡取り息子を心配する主をも惑乱させる土瓶遣いが暗躍する―「龍女狂乱」

蛇の化身”カカ様”とその娘、蛇巫女の正体が露わになる―「炎龍飛翔」

市井の時代小説の味わいを保ちつつ、江戸を襲う幽玄かつ壮大な伝奇世界が展開する!

感想・レビュー・書評

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  • 第三弾
    江戸における怪奇現象が再び
    悲しき蛇神の化身達、おのれの身を犠牲にして江戸を救うが、背後に蠢く者達は

  • これまでの短編各話完結の物語ではなく、1冊通して蛇に関わるエピソードを連ね、龍蛇神一族の悲しい末路を描いています。蛇を操る見世物小屋の斎姫女と半四郎に、束の間の恋愛が生まれるのかと思いきや、全く甘い雰囲気にはならず悲劇になってしまった。今回半四郎の活躍は少ないものの、彼は主人公なのだからもっと日の目を見てもよかろうに…と残念に思いつつ、不幸を背負う哀れな姿がまた愛おしくもあるのです。江戸の闇を深めようとしている存在が姿を見せつつあります。物語が大きく展開し始めました。次巻も楽しみです。

  • 素浪人半四郎百鬼夜行シリーズ、3作目。

    蛇神に絡む話。古来からの蛇神信仰とか、神と人間の関係とか伝奇的解釈にまで広がっていて、興味深く読めた。
    カカ様の描写が生々しくて、怖かった。ニョロニョロ系に弱い人には辛い。
    突然ながら、怪異の裏には誰なのか黒幕がいる模様。これが、今後のシリーズの展開の鍵になっていくのかな。気になる展開であります。

    不満な点が一つ。1作目から思っていたことだけど、人称の書き方が「半四郎」と「若い浪人」という風に各々に2通りあって、ものすごく読みにくい。一人称と三人称の違いかなとも思ったが、線引きが微妙。決して文章下手とは言わないけど、下手に見えてしまう。

  • 江戸に怪蛇が出没。老人・聊異斎(りょういさい)は来る大きな変異の兆しだと仄めかす。男を殺して逃げた女が身を隠した奥山の見世物小屋では、大蛇を抱えた妖艶な巫女の舞が催されていた。女の不幸な境遇を透視できるという巫女・斎姫女(いつきめ)。複雑怪奇な「蛇」の謎が次第に露わになる。半四郎の妖刀が火を噴く!〈文庫書下ろし〉

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著者プロフィール

1961年、宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。学生時代は映画サークルでシナリオ作成に熱中、二十数年のサラリーマン生活を経験した後、2011年『返り忠兵衛 江戸見聞 春嵐立つ』(双葉社)でデビュー。「半四郎百鬼夜行」シリーズが「この時代小説がすごい!」(宝島社)文庫書き下ろし部門二年連続ランクイン! 新シリーズ「御家人無頼」も好評。確かな筆力と個性的な人物造形で目利き絶賛の時代小説作家。

「2017年 『素浪人半四郎百鬼夜行(拾遺) 追憶の翰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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