- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062814430
作品紹介・あらすじ
国際的なファッションデザイナーとして活躍を続けるコシノ三姉妹、ヒロコ、ジュンコ、ミチコを、女手ひとつで育て上げた母親は、自身も強烈な個性を持つデザイナーだった。戦前の洋服黎明期に洋裁と商いの修業をし、結婚後はときに子を顧みず仕事に没頭し、夫との死別後は道ならぬ愛を貫き、コシノ洋装店を繁盛させた。父親から受け継いだ自由な生きざまを、娘たちに背中で見せることで昇華させた、小篠家ゴッド・マザーの物語。
感想・レビュー・書評
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朝ドラのカーネーションが大好きだったので
読んだ本。
事実は小説より奇なりとはよく言ったものだなあと思った。ドラマで面白かったところがノンフィクションだったことにびっくり。
綾子さんのだんじりのような勢いある人生
読んでいて勉強になった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
名作朝ドラ「カーネーション」にハマってから、是非ともモデルとなった小篠綾子さんの自叙伝である本書を読みたいとずっと思い続けてきた。この度ようやく手に入れることができ、その面白さに一気読み!世界的デザイナーのコシノ三姉妹を女手ひとつで育て上げた母、さすがのゴッド・マザーっぷりに改めて感服。
あくまでも朝ドラのモデルだから…と思いながら読んだので、思った以上に脚本が実際のエピソードに沿っていたことに驚く。二十歳そこそこで百貨店の制服を受注してきたことも、仕事を優先して自身の結婚式に遅刻したことも、子供らの執拗な(でもかわいい)「ピアノ買うて-」攻撃も、ミチコのテニス日本一にあまり関心がなかったことも…!一部ドラマ化にあたりアレンジはされているものもあるが、それでも、こんなにも史実がドラマティックなのか!と!
やっぱり綾子さんの父は豪放磊落な方ではあるが、厳しくも優しく、娘を見守り慈しんできたということが活字を通してよくわかる。戦前の昭和、女性が自立して洋服黎明期の中商売をすることがどんなに覚悟のいることか。時に手荒く諌め、己の体で理解してもらうために敢えて苦労させる。「好き」を貫くことは想像以上の茨の道。どんな思いで娘の歩みを見つめてきたのだろう…。
そんな綾子が母となり、彼女なりのやり方で娘達の自立を促す。特に、ドラマ化されていなかったエピソード(ミチコが滞在するロンドンに綾子が向かうくだり)が好きだ。何をしてやり、逆に何を「してやらない」か。娘の望むこと全てに手をさしのべては成長は望めない。心引き裂かれる決断だけど、それでも敢えて苦労させるところに、父上の姿が重なる。
こんなにも心をつかむ素敵なエピソードでいっぱいで、読みごたえありまくりなのに、今入手困難な状況であることが勿体なさすぎる!是非復刊してもらいたいです。「カーネーション」を見たことがない方にも、読んでもらいたい。洋服が根付く前、岸和田で奮闘してきたデザイナー・小篠綾子の生き様はこれからも沢山の人を勇気付けるに違いないと思うので。-
こんばんは、メイプルマフィンさん。
私も、これを読んで、あの話もこの話もホントにあったことなんだ、とビックリしました。
渡辺あやの絶妙な脚色...こんばんは、メイプルマフィンさん。
私も、これを読んで、あの話もこの話もホントにあったことなんだ、とビックリしました。
渡辺あやの絶妙な脚色でしたね。
数年前、ロケ地巡りということで岸和田にも行きました。あの実家は資料館になっていました。この2階からだんじりを見たのか!と実感しまくりでした。いくかいはあるところです。2022/06/19 -
kuma0504さん:こんばんは!コメントありがとうございます~。
先日古本で手に入れまして、即一気読みでした!仰る通り渡辺あやさん、すごす...kuma0504さん:こんばんは!コメントありがとうございます~。
先日古本で手に入れまして、即一気読みでした!仰る通り渡辺あやさん、すごすぎます。
岸和田のロケ地巡り、羨ましいです(実家、テレビで何度か見ました)。大阪製作局朝ドラが大好きなんですよ~、いつか関西行きたいです。2022/06/19
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有名デザイナー三姉妹の母親の自伝。バイタリティ溢れる生き方は、大阪商人と大阪のおばちゃんのエネルギーを体現しているが、その母親を直接形造ったのが彼女の父親で、このDNAがのちにファッション界を席巻したのだと思うと、意外な繋がりが面白い。このエッセイで一番印象的なのも、父親の娘への接し方で、厳しさと思いやりがベタベタしていないところが良い。配慮はしつつ当人が気づくまで黙っている、要求は呑むが中途半端は許さない、信頼できると見極めたら一切任せる等々、人を成長させるエッセンスが詰まっている観があり、一家族から才能が次々花開いたのは(本人の性格と努力は前提ながら)偶然ではなかったのだろう。私小説としても楽しく一気に読める内容で、編集者の手も入っていたのかもしれないが、著者の頭の良さも感じた。
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朝ドラ「カーネーション」の登場人物を当てはめながら読み進めていったので、頭にビジュアルが浮かんでわかりやすかった。
綾子さんは無我夢中で生きていっただけ。そこには計算はない。ただ真っ直ぐに。その背中を見て育った三姉妹。母は本当に強いのだ。 -
デザイナーコシノ3姉妹を育てた母、綾子さんの物語。
朝ドラにもなったということで興味を持って借りてみました。
昭和を強く生きた女性の物語、朝ドラに持って来いな内容でした(笑) こういう物語大好きです♪
カーネーションはまだ見たことがないので映像化されたこの物語も見てみたいなぁって思います^^ -
ページ数はそれなりにあるけども、さらさら〜と読めちゃった。
パワフルで、いろいろと見習いたいものよ。 -
面白く見ていた朝ドラ「カーネーション」が再放送されていたので。
コシノ三姉妹の母・小篠綾子さん自身が書いた本を読んでみました。
戦前の、まだみんなが洋服を着るのが当たり前ではなかった時代。
呉服屋の娘に生まれ、洋服作りを学んだというか、見よう見まねもありで修行し、工夫を重ねた綾子さん。
経緯はドラマのほうが詳しいので、それがどれぐらい事実に基づいているのかはわかりませんが。
厳しかった父親のユニークなしごき方。
「やりたいことをやるなら、それだけのことをしてから、やれ」と。
娘の才能と根性を見込んでいたのでしょうね。
綾子さんの子育ては意外と細かく指導したのではなくて、むしろ子育ては親や人任せ。
子どもが進路に迷っているときも、決断は本人に任せる。
自分が家族を背負って仕事をし、女性を美しくする服を夢中になって作り、楽しそうに販売する。
そのたくましい背中を見て、娘さんたちは成長したのでしょう。
夫亡き後の恋も、ドラマではこれ以上ないぐらい素敵に描かれていました。
現実はもっと思い切っていて。そりゃあ朝ドラでは描ききれないですね。
晩年になっても目を輝かせているお姿は、テレビで見た記憶があります。
70歳過ぎて、プレタポルテに進出したんですものね。
力強くきっぱりした文章に、さすがのパワフルさが感じられました。 -
朝ドラ・カーネーションのモデルになった小篠綾子さんの自伝。カーネーションは、かなり忠実に再現されてるシーンがあった。自分が背負えるものだけを心のリュックにつめて歩く、心に負担をかけない生き方、自分も心がけたい。
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2018.7.14読了。図書館で借りた。
借りてすぐ読み始めて、一気に読んだ。
『カーネーション』の再放送がこの三週間休止で、だったら小篠綾子さんの本があるかも? と調べたら何冊か出されてた。まずは1冊目。
ドラマのエピソードは、実話に基づくものが意外に多いことがわかった。実のところはどうなんだろうか、と思っていただけに。
パワフル、情熱的、職人で商売人。自分には無いものを持っていらした方。