<図解>配線で解く「鉄道の不思議」 東海道ライン編 (講談社+α文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062815000

感想・レビュー・書評

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  • おやこんなシリーズがあつたのかと手に取る。実は「【図説】日本の鉄道」シリーズ」(あのB5の薄い本のシリーズだよ、と言つても分からないか)の別冊を書籍化したものださうです。更にそれを文庫化したのが本書であります。同シリーズを所持する人にとつては紛らわしい一冊ですが、わたくしは購買してゐませんでしたので幸いでした。
    第一弾として発表されたのが本書「東海道ライン編」。東海道ラインといふ呼称は著者・川島氏の造語だとか。色々と言葉を創り出す人ですなあ。

    3章構成であります。第1章は「駅と配線のミステリー」。東海道を謳ひながら、冒頭に「上野-秋葉原間1.6kmに隠された謎」を持つてきたのは絶妙であります。かういふ書物は、まづ首都圏の読者を惹きつけねばなりません。わたくし自身も秋葉原駅の歴史については無知でした。何しろテツではないのでね。
    因みに「愛知の鉄道・舞台裏」「名岐の鉄道」については、地元民だけあつて、わたくしには承知済みの事項でした。

    第2章は「知られざる鉄道史」。「東京駅の変遷」「横浜と鉄道」はまさに、日本の鉄道の発祥そのものと申せませう。個人的には「生駒山の壁」が興味深く読めました。近鉄各線が最短距離を通らず、不自然な線形をしてゐる理由が分からうといふものです。

    第3章は「配線図を楽しむ 絶景・名所クローズアップ」。「配線図」をダシにした観光案内ですかな。豊橋駅のホテルアソシアからのトレインヴューを紹介するあたりは、流石に川島氏であります。本当に絶景、といふかテツにとつてはいつまでも見飽きない光景なのであります。

    講談社の〈図解〉シリーズは、その名に反してあまり図解が目立たぬ本が多かつたのですが、この配線シリーズは文字通り「図解」が活躍し、その名に恥ぢぬ内容であります。カラー頁が多いのもいい。本書の後、「山陽・山陰ライン」「中部ライン」と続き、どうやら配線シリーズで全国制覇するつもりらしい。それも結構ですが、肝心の「大研究」シリーズを早く完結して頂きたいとも思想するわたくしでした。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-706.html

  • 文庫版だから仕方がないのだが、写真が小さすぎてよく分からない。残念。

著者プロフィール

川島 令三(かわしま・りょうぞう)
1950年、兵庫県生まれ。芦屋高校鉄道研究会、東海大学鉄道研究会を経て「鉄道ピクトリアル」編集部に勤務。現在、鉄道アナリスト。小社から1986年に刊行された最初の著書『東京圏通勤電車事情大研究』は通勤電車の問題に初めて本格的に取り組んだ試みとして大きな反響を呼んだ。著者の提起した案ですでに実現されているものがいくつもある。著書は上記のほかに『全国鉄道事情大研究』(シリーズ全30巻)、『関西圏通勤電車徹底批評(上下)』『なぜ福知山線脱線事故は起こったのか』『東京圏通勤電車 どの路線が速くて便利か』『鉄道事情トピックス』『最新 東京圏通勤電車事情大研究』『関西圏鉄道事情大研究(将来篇、ライバル鉄道篇)』『首都圏鉄道事情大研究(将来篇、ライバル鉄道篇、観光篇)』『最新 新幹線事情大研究』(いずれも草思社)、『全線・全駅・全配線』(シリーズ全52巻)、『日本vs.ヨーロッパ「新幹線」戦争』『鉄道配線大研究』『全国通勤電車大解剖』(いずれも講談社)、『全国未成線徹底検証(国鉄編、私鉄編)』『全国鉄道なるほど雑学』(いずれも天夢人)など多数。

「2022年 『名古屋圏鉄道事情大研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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