- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062816854
作品紹介・あらすじ
海賊とよばれた男・出光佐三が、自らの「和」の思想を大いに語り、社員たちと正面から本音の議論を激しくぶつけあった、その熱い記録、ここに文庫化。
社員は家族、非上場でよい、タイムカードはいらない――「人間尊重」を理念に掲げ、出光興産を一代で築いた稀代の企業家は、マルクスの思想は自分と同じ地点を目指していると語った。その理念が、ふたたび読まれる時がきた!
感想・レビュー・書評
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「海賊と呼ばれた男」を読んで知りました。
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期待ほどではなかった。
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「海賊と呼ばれた男」で紹介された本ということで、読んでみました。
立派な経営者だということがよくわかる本ですが、「従業員と正面から本音の議論を激しく戦わせた」という内容ではなく、かなり経営者に気を遣った質問をしているのが実態です。
1966年の本ですので、社長が当時81歳ですから、対談相手の社長室のメンバーなどひよっこ同然だったのでしょうね。
マルクス理論誕生の背景は、産業革命で馬車馬のように酷使され続けた労働者たちが劣悪な環境から脱出するための方法論だったといえます。
時代は違えど、後年、出光氏が官からの理不尽な強権に反発を覚えた経験と重ね合わせ、大きな力との対立構造という図式で重ね合わせある程度のシンパシーを感じたのも無理もありません。
ただし、2つの出発点と目標は近似であっても、マルクス理論は階級の対立闘争から社会変革まで視野に入れたのは階級が固定していた時代背景とは無縁でありませんし、一方の出光氏が戦後、家族的な和の経営のみに専念できたのは、日本が民主的な社会へと変わりつつあったからだという点は重要です。
出光氏が本書の結びで、本書のタイトルとは逆に、彼が当時の西欧社会に生まれていたならおそらくマルクスのような道を歩んでいただろうという述懐からわかるように、マルクスへの思い入れは強固ですが、マルクス理論をそのまま受け入れるのではなく、是々非々を咀嚼して我が物にしているのはさすがですね。 -
続いてこちらも出光さんの1冊。この本は石油のことはほとんど出てこず、日本古来の考え方と欧米から入ってきた考え方を比較し、いいところは取り入れ、違いを比較することで日本古来の考え方についても良さを見直そう、という本だったように思います。数字を追いかけて、成果や効率・生産性といった面を追求するのは悪いことだとは思いませんが、その中にありながらも心の面、豊かさや幸せを感じながら暮らしていくこともおろそかにしてはいけないなと感じた1冊でした。
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出光佐三 氏(「海賊と呼ばれた男」のモデル。出光興産の創業者)の経営哲学の本。マルクス思想、人間尊重がベースになっている
マルクス思想を現実の経営に どう活かすか 参考になる
資本主義、社会主義を忘れて、そのいいところをとる
「黄金の奴隷にはなるな」→お金は尊重するが、お金を目的にするな
「利益がどこから出るかより、利益をどう扱うのか の方が大切」
「商人は お客さんと対立する存在ではない〜互助が商人の使命であり、事業の社会性である」
「主義の奴隷になるな」 -
たらればは有り得ないことなので、さておき、日本にも著者のように世界に誇りを持って紹介できる人がたくさんいます。