とりかえばや物語 (21世紀版・少年少女古典文学館 第8巻)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 81
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062827584

作品紹介・あらすじ

平安時代末期に成立した『とりかえばや物語』は、内気で女性的な若君と、男性的で快活な姫君とが、それぞれ女装して、男装して生きていくことで展開する王朝の物語である。「男女をとりかえたい」との父親の願いが、そのまま物語のタイトルになっている。源平の動乱の直前で、貴族社会は爛熟のあとの退廃に向かい、人々の心に不安が漂い始めた時代を反映してか、この物語には、ゆがめられた形の複雑な愛情表現や心理描写がなされており、それゆえにこそ、現代にも通じる文学としての地位を保っている。

感想・レビュー・書評

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  • あらすじだけは知っていたけれど、初めて読んで見て、こんなに面白い話だったとはーー!
    すっごいフェミニスト小説だったんですねえ。
    口語訳も、原文にはないキャラクター名をつけられていることもあってかなり読みやすい。

  • 後半で秋月が恋愛に目覚め男性としての人生を謳歌するのは以外でした。現代語訳も素晴らしく古典に抵抗のある大人も楽しく読めると思います。

  • 面白かった。いつの時代にかかれようが面白いものは面白い。

  • テーマとしても今に通じるトランスジェンダーの問題を扱いながら、その心理描写が豊かである。大林宣彦の転校生につながるが、もっといろいろ展開できそうだ。

  • とりかえばや物語。このお話が平安時代に生まれているのがすごい。「女としての生き方」とか「男としての生き方」というごく現代的なテーマで。ハッピーエンドだし。面白かったー。

  • 図書館に原本付きの良いやつがなかったので、恥ずかしながらこの少年少女版を手にとった。昔、ざ・ちぇんじ!を読んだことがあり、古典の教材で一部分を取り扱ったのをきっかけに興味を持ったのだが、面白かった。なぜこの作品があまりスポットライトを浴びていないのか。物の怪や怨霊の登場するような奇想天外な物語は平安期にも多いが、この話の面白いところはあながち信じられなくもない話であることだ。なまめかしい描写も美しい。是非とも人に勧めたい。
    秋月と女東宮の交わりの部分がゆりゆりしてて好き。

  • 女らしい男の子と、男らしい女の子の兄弟が、入れ替わって生活して、なんやかんやで、最後は男の子が男の生活、女の子が女の生活に戻り、万事丸く収まるという、まあ都合のいい平安時代の物語。
    平安時代の昔から「男性社会」に不満をもっている女性がいることが新鮮でした。

  • 男女入れ替わりの原型ともいえる名作。
    宰相中将のぶれないクズさがいい味を出してる。
    特に終盤などはかなりご都合主義なところもあるけど、男装した宮廷人が月一回実家に戻るとか、ところどころにある妙に現実的な描写が面白い

  • 氷室冴子の「ざ・ちぇんじ」を読んでから、ずっと原作が気になっていた。
    無理があるストーリーだけど、おもしろかった。
    夏雲の書かれ方がちょっとかわいそうだけど。

  • 面白かったです。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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