森は生きている (新装版) (講談社青い鳥文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062853224

作品紹介・あらすじ

わたしたちのまわりには、森林のおくりものがいっぱいあります。本も、ノートも、鉛筆も、みんな森林のおくりものです。それだけではありません。わたしたちが呼吸する酸素は、だれが作ったのでしょう? これも、緑色の植物が、長い年月をかけて作ってくれたものなのです。
 水道の蛇口から流れる水も、森林からのおくりものです。
降った雨が森林の土にすいこまれ、地下にしみこんで地下水となり、ゆっくりゆっくりわきだして、流れでたものが、川の水なのです。
 森は人間を支えてくれています。そのうえ、森の土の栄養が、海に流れ込んで、魚を育ててもくれているのです。森林は、自然を支えてもいるのです。森林のさまざまな働きを知れば知るほど、その大切さがわかります。
 ロングセラーノンフィクション、「生きている」シリーズの新装版第3弾。自然や、人間の見え方がきっと変わる、小中学生から大人まで、必読の1冊!

感想・レビュー・書評

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  • 環境翻訳の先生に薦められて。

    大切なのは土。
    木を切っては植えるということを太古から続けてきた日本の植林の文化。
    森が我々の生活でいかに重要な役割を
    果たしているか。
    魚を獲ることも、元を正せば山の恵みと繋がっている。
    自然災害を、森は防いでくれている。

    自然の循環を歴史的な視点からわかりやすく書いていて、とてもいい勉強になった。

    大人にもおすすめの一冊。

  • 母親が小学生の姪に読ませたくて購入したという本(未だ興味を持たれていないようだ)。「自然と人間シリーズ」三部作で知る人ぞ知る良書らしい。青い鳥文庫的には小学中級からとあり、大人も一緒に読んでほしいとの思いで書かれた本だ。
    日本は国土の7割が森林である。森林がどれだけ大事で、わたしたちにどれだけの恵みを与えてくれたか。大人が読んでも、森林って凄い!と思わずにはいられない。その森林をずっと前から育ててきた山の人たち、荒れた大地を長い年月をかけて豊かにしてきた人たち。この本にはたくさんの感謝が詰まっている。いろんな人に読んで欲しい。まずは姪よ、読みなさい笑。
    シリーズの他の本も読んでみよう。
    201013読了

  • 森林の大切さ、とりわけ土の大切さが書かれている。娘達が小学生の頃、読ませたくて買った本。そろそろリサイクルに出そうと思って読んでいたら、今の時代にも通じる大切なことが書いてあって、まだ子供部屋に残すことにした。

  • 最初に出版されたのが1981年だから、そりゃ古い。どこの家庭も新聞とってて、こけしや桐たんすや障子が普通の家にあって、ブラウン管のテレビを見ていた当時のこどもたちには素晴らしい本だったに違いない。
    現代でも日本人が森林とともに歩んできた歴史や、人との関わりについて知るには良いと思う。
    ただ、歴史や科学を語るには、子ども向けとはいえ、ちょっと表現が情緒的すぎる。柱にそっと話しかけたら、柱が恥ずかしそうに答えるって、物語じゃないんだから。
    たくさんの要素を盛り込みながら、すんなり読めて分かりやすいのは素晴らしい。
    でも、森林とともに生きているのは日本人だけじゃないからね。スウェーデンやフィンランドは国土に占める森林の割合は日本より上だし、一人当たりの森林面積で言えば、日本は世界平均以下。モノカルチャー経済や安易な伐採で熱帯の森林が破壊されていることや、後継者不足で日本の森林も荒廃していることなども取り込んだもっとグローバルな新しい本ができるといいと思う。

  • 木々が果たしている機能、それによってわれわれが受けている恩恵について多角的に、子供向けのことばで書かれています。

    非常に勉強にはなるのですが、「なんとすばらしいのでしょう」「森に感謝しなければなりません」というような言い方が肌にあわないかったです。その感じ方に対して反対するわけでもないのですが。
    そういうわかりやすい言い方で、子供の感情を刺激したほうが、子供に感謝の気持ちを植え付けやすいのかもしれませんが…。

  • 森の多様なはたらきを、子どもにもわかりやすく語りかけている本。森は、紙や火、水、土という贈り物をくれる。森は風や雪、火事を防ぎ、気温を調節し、海の魚を養い、国土と風景をつくっている。そして、その中でも最も重要なのは、森が土のつくり手である。こうしたことについて、歴史的な視点も交えながら語られる。

    この本を読めば、森と土と水がつながってくる。そして、なぜ自然を守ることが大切なのかが、ストンと心におちてくる。

  • 「わたしたちのまわりには、森林のおくりものがいっぱいあります。本も、ノートも、鉛筆も、みんな森林のおくりものです。それだけではありません。わたしたちが呼吸する酸素は、だれが作ったのでしょう? これも、緑色の植物が、長い年月をかけて作ってくれたものなのです。
     水道の蛇口から流れる水も、森林からのおくりものです。
    降った雨が森林の土にすいこまれ、地下にしみこんで地下水となり、ゆっくりゆっくりわきだして、流れでたものが、川の水なのです。
     森は人間を支えてくれています。そのうえ、森の土の栄養が、海に流れ込んで、魚を育ててもくれているのです。森林は、自然を支えてもいるのです。森林のさまざまな働きを知れば知るほど、その大切さがわかります。
     ロングセラーノンフィクション、「生きている」シリーズの新装版第3弾。自然や、人間の見え方がきっと変わる、小中学生から大人まで、必読の1冊!」

    「本やつくえなど、わたしたちは森林からのおくり物にかこまれてくらしています。それだけでなく、土も水も全て森林のおくり物なのです。」

  • 森について木について、その美しさを言語化している本。
    小学校の理科の授業で、もしくは課題図書としてもぜひ、読んでもらいたい。

  • 社会科学と自然科学を結びつけて物事の本質を見極める眼は、もはや頭の柔らかい子供のうちに養わなければ遅いということ。
    子供のために書かれた本。

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著者プロフィール

●著者/富山和子(とみやま・かずこ)
群馬県に生まれる。早稲田大学文学部卒業。立正大学名誉教授。日本福祉大学客員教授。評論家。主な著書に『日本の米』『水と緑と土』(中公新書)『水の文化史』『水の旅』(中公文庫)がある。児童向けには、『川は生きている』『道は生きている』『森は生きている』『お米は生きている』『海は生きている』『びわ湖』(以上すべて講談社)がある。『海は生きている』は、青少年読書感想文全国コンクール課題図書にも選ばれた。川、道、森、お米、海と続く、「生きている」シリーズは、日本の自然と人々の営みをわかりやすく説いた児童向けノンフィクション作品としてロングセラーとなっている。

「2017年 『海は生きている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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