- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062880565
感想・レビュー・書評
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フリーライダーを考えることはその逆のよく働く人間を考えることであり、フリーライダーを生む土壌を考えることはその逆の良い環境の職場を考えることなのであった.
適切な成果主義の運営がフリーライダーの増殖を阻む.
成長意識を持つ、新しいことに興味を持って参加していく、周囲に感謝していくことが、自分がフリーライダーにならないこと、ひいては周囲の人間もフリーライダーにしないことにつながっていくのであった.
軽い文体でボリュームも少ないけれど要点は参考になった.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本書は、あるある感だけで終わってしまうような内容について、わかりやすく論じるとともに、その対策も詳細に書かれているなかなかの内容。
まず、フリーライダーの定義として4種類の生態を紹介。そしてフリーライダーが生まれる背景についても説明がなされ、ここまでは「あるある感」たっぷり。
その後、それら4種類のフリーライダーへの個別の対策は、働いている限り手元に置いておく以外の選択肢を与えない手法が紹介されている。
たとえば、本書では「帰属理論」という聞きなれない理論から、人物をどのフリーライダーの型に当てはめるのかを決定する手法を説明する。タイトルや似たような内容の書籍とは異なり、より実践的な内容であり、もはや新書としての枠を超えているともいえる。
おもしろいのは「フリーライダー対策は誰が行うのかというジレンマ」として、「論理的に考えると社内で対策を行うと、対策にならない対策になるので、外部からの介入が必要」とはっきりと明言するあたり。
この指摘に対して、痛いところを突かれたと感じるか、いや自分ならできると開き直るか。どのように対策を進めていくかによって、企業の行く末が分かれるところなのだろうと感じた。
もっと早く読めばよかった。
https://twitter.com/prigt23/status/1063019951395549184 -
いろんなコミュニティを運営したりしてきて、フリーライダーをどう減らすか、どう見つけるか、そういう人たちとどう距離を置くかは自分の中でまだ解決策の見つかっていないテーマだったんで読んでみた1冊。フリーライダーにもパターンがいくつかあって、確かに確かにと頭の整理はできた1冊でした。解決までは至らずも糸口は見えてきたというか、自分のマネジメントで改善できる部分はまだまだあるなと。自分もどこかのコミュニティではフリーライダーになっていると思うので、もちつもたれつとも思いつつ、こういうとこに目や手が届く人でありたいと思いました。
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グループワーク形式の講義のお手伝いでフリーライダーについて話すことになったときにこの本を読んだのだけど、この本で紹介されているのはまさかの会社の中のフリーライダーでびっくり。学校の中に限定した問題だと思ったら社会的に問題になるかならないかレベルの問題だったようだ。
フリーライダーとは「自分は楽をしておいて、他人の努力や善意の恩恵にあずかっている人」のこと。フリーライダーを放置することは(ここでは会社を前提として)組織を崩壊させる要因を作ることになりかねない。会社への取材を元に様々なタイプのフリーライダーの存在を明らかにして、対処療法的な対策の方法論を解説する。次のステップとして、個人がフリーライダー問題と関わる時「自分がフリーライダー化する可能性」に注意してフリーライダーが生まれないようにする根治療法的な方法論を展開する。
感想としては、フリーライダー問題への対処をこれだけの文章量をもってしないと理解できなかった自分が情けなくなるというか、もはや人間が必然的に遭遇するだろう問題を企業の中だけに限定して語られるのは非常にもったいないなと思った。大学生はこれから社会に出て行く人々の大半になるのだから。調べてみると分かるけど、著者の河合大介と渡辺幹は大学生のフリーライダー問題について触れている様子は見られないので残念。せっかくの素材なので幅広い人々に手に取ってほしいなぁと思うので、星4つ。
(蛇足)学術的に見ると公共財とか著作権問題とかにフリーライダーの議論は見られるけど、これから社会人になっていく大学生のグループワークにおけるフリーライダーを社会的な問題とする研究は今のところ見たことがない。協調学習とかやってる人々に関心を持ってもらいたい領域だと思う。 -
ただ乗り、給料泥棒、感情音痴、手柄の横取り、サボリ等を
リサーチして、対処が書かれた本。
タイトルが悪い気がする。後半の対処方法をタイトルにしたほうがよい。
後半は前向きな対処が書かれていて、少し興味深かった。
自分がどのように見られているかは、気にしなければと思った。
人を文句言っておいて、自分がただ乗りしているみたいにならないようにと
思った。
実際に対処するには、組織的な対応が必要であり、相当厳しいことはわかった。そこまで希望する前に転職したほうがはるかに効率的だと、なおのこと思った。 -
会社にいるフリーライダーの存在を、心理学などの科学的な側面から分析して、その人との接し方や気づかせ方、そして、自分自身がフリーライダーとならないようにするための方法がやさしく、分かりやすく書かれている良い本だった。
自分自身の仕事のやり方、人との接し方を振り返って時に、フリーライダーのようになっているのではないかなと思ってしまったり、”ああ、こういう人がいるけど、本当にその通りだなあ”と感じてしまったりと実生活とシンクロして読むことができるのがおもしろかった。
中でも、フリーライダーにならないため(というより、普通に仕事を楽しむ、意味のあるものとするため)に、”巻き込まれ力””面白がり力”を大切にしようという啓蒙は非常に同感できるものだった。比較的、様々なことに巻き込まれがちだったり、近寄らんでもいいのに面白がって近寄ってみたりするほうかなと自分では思っているので、そういうマインドを大切にしていきたいと思う。 -
「ただ乗り社員」と定義される「フリーライダー」
どこの組織でも発生する周りにストレスを与える社員の事ですが、この職場全体の士気を下げるようなフリーライダーの問題を重要視し、社会科学的に分析していった一書。
人事に携わる人は、一度目を通す価値はある。 -
本日ご紹介する本は
「フリーライダー」=「ただのり社員」
ということで
フリーライダーとは
「大した仕事はしてないのに給料だけもらっている人」
みたいな感じの人のことです。
これを、体系的にまとめられていて
4つのタイプに分類しています。
①自分から動かない
②人に頼むけど、自分は報いない
③変化を嫌う
④プライドが高い
自分はそんなことはないと思いましたが
よくよく考えてみると、
自分のもらっている給料以上の働きを
していれば経営が苦しくなることは
ないはずなので、
本当に自分の働きは給料以上の価値を生み出す
のことを実践できているんだろうか
と考えさせられます。
しかしながら考えても
単純にはよくわかりません。
この本の中でも
解決策として、「成果型報酬」
ということが書かれており
仕事の貢献に応じて報酬が決まる
ようにすればいいのですが、
問題は、やった仕事の価値が
単純には測定できないことです。
その上で、組織として取り組むべきことと、
個人で取り組めることが書かれてあり
職場改善のヒントがたくさん
得られました。
現状に不安を感じて、
「とにかく現状を変えたいんだけれども
何をどう変えればいいかわからない。」
という方は必ず参考になることが
あると思います。
個人でも取り組める内容があるので
すこしづづでも実践できそうです。
ぜひ、読んでみてください。
◆本から得た気づき◆
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フリーライダー=自分は楽をして、他人の努力の恩恵にあずかる
「腐ったリンゴ効果」=フリーライダーが存在すると、ますますフリーライダーが増える
感謝するだけでなく、される人になれるように、全員が意識することが重要
ビジョン、方針の明確化=自分の考えをしっかりもち、一年間じっくり試行錯誤して組織運営
今までの延長では到底達成できないようなビックビジョンに常に取り組む
挑戦意欲のある人はどんどん機会を与える、保守的な人は居ずらくなる
本当のベテランは、自分をベテランと思わず、死ぬまで勉強を続ける
「興味があるんですよ」という姿勢がコミュニケーションでは重要
感謝の気持ちを表現できると、応援団がたくさんできる
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◆目次◆
第1章 ただのり社員に苛立つ職場
第2章 フリーライダーの分類―日本の職場にいる四種類のフリーライダー
第3章 なぜフリーライダーが生まれるのか
第4章 組織としての問題解決―勤勉な社員が夢を見られる会社づくり
第5章 個人として取るべき行動
第6章 新たな課題
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◆マインドマップ◆
http://image01.wiki.livedoor.jp/f/2/fujiit0202/93df6191cfaf8cbb.png -
楽できるか、できないかの価値判断が優先する感情音痴が部下にいる身としては勉強になった。自分がフリーライダーにならないよう、気をつけて生きていこう。
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年功序列と成果主義のハザマで起きる問題を鋭く切り裂いている。その対策もきっちり示していて好感が持てる。
著者の一人である渡部幹氏は北大卒のため、山岸俊男ともつながりがあるのだろう。社会的ジレンマや集団主義的文化に近い言及もあり、「心でっかちな日本人」などと関連して読むと面白い。