- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062883009
作品紹介・あらすじ
中小企業が日本経済を支えているのではない。
中小企業こそが日本経済の中核なのだ。
中小企業の再生こそが、日本経済の復活と地方創生のカギとなる!
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グローバル展開の戦略と秘密を大公開!
世界中の美容師や理容師から愛用されている鋏、
世界20ヵ国以上に輸出されているニッパー、
小惑星探査機「はやぶさ」や東京スカイツリーにも使われているばね、
新幹線の車輪をつくる工作機械、紙幣印刷機の重要部品など、
中小製造業24社の戦略と技術を明かす。
これが日本の底力だ!
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◆中小企業が世界シェアトップの集団になるためのノウハウとは◆
・新しい販路の開拓/量産品から高品質品へ
・原料へのこだわりと匠の技/辞任の時期を公言して改革に臨む
・大量注文にはいっさい応じない/在庫はムダではなく財産である
・受注平均ロットが5個でも儲かる理由
・値引きしてまで売らない/営業部隊はいらない
・「もやもや」を聞き出すことから始める
・国内生産にこだわり中国・韓国には輸出しない
・計画生産はしない/社内メールで物事を決めるのは禁止
・管理部門なんていらない/社員の8割が女性
・経営破綻寸前からの復活
・20年先を見越して技術を磨く
・大手の進出できない新たな市場を自らつくる
・他社と同じことをしていたら生き残れない
・営業構造を変える/心臓部は中国に移さない ほか
感想・レビュー・書評
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世界中の美容師や理容師から愛用されている鋏、世界20カ国以上に輸出されているニッパー…。これが日本の底力だ! 厳しい条件下にありながらも、世界を制覇した中小製造業24社の戦略と技術を明かす。【「TRC MARC」の商品解説】
関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB40222462詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大手からの受注が獲得できていても、買い叩かれているのか、価格交渉権がどれぐらいあるのかというところは、事業基盤として見ていかなきゃいけないところ。
海外進出についても、良いものを作っているのなら積極的に挑戦すべきと思えた。 -
世界に冠たる中小企業というテーマでいくとどうしてもこうなってしまうのか、事業者向け製品の製造販売を行う製造業ばかりで、ブランド力で顧客を惹き付ける戦略やマーケティング戦略として秀逸な取り組みがなく、バランスとして満たされない感覚が残った。
事例として取り上げられている企業は、見事というほかない好事例ばかり。共通するのは、技術力ヘの徹底した経営資源の集中と設備投資、技術へのこだわりと創意工夫を尊ぶ組織文化の醸成によって強固な差別化による競争優位を構築し、価格競争から一線を引いて、高価格高機能で事業を成立させていること。
意外に感じたのは、工作機械を内製化して、機密保持と差別化の源泉としつつ、完全カスタマイズによる自社工程への最適化を図っていた企業が多かったことと、何社かは、トヨタ式で言うところの「在庫のムダ」を気にせずに、材料在庫をふんだんに保有することで短納期対応や柔軟な生産体制を確立していたこと。これは、圧倒的な利益率と取引条件による資金余剰があってはじめて可能になるものかもしれない。
あと、ほとんどの事例企業で、ベテランの経験と勘でミクロン単位の精密加工を実現しているということが誇らしげに紹介されているが、標準化とマニュアル化、自動化への投資と努力を真剣にしなければ、いずれ超精密加工が自動化されて差別化要素を失い転落してしまう恐れがあるのではと危惧した。自社の現有の暗黙知としての技術を、他社に先駆けて標準化し、自動化してしまう戦略性が必要ではないかと。 -
●マルト長谷川のニッパー 新潟
●ヤナギヤのカニカマ 山口
●阿波スピンドル 徳島
●ユミックスの金型 大阪
●プラスチック金型はKTX 愛知
●東海バネ工業 大阪
●東光舎 はさみ 東京
●金属パイプ 武州工業 東京
●大型工作機械 ホンママシナリー 大阪
●超精密工作機械 安田工業 岡山
●実験用装置 北野精機 東京
●ワイヤレス口腔内カメラ アールエフ 長野
●ナノテク装置 エリオニクス 東京
●超精密鏡面加工 TDC 宮城
●精密位置決めスイッチ メトロール 東京
●プリザーブドフラワー 大地農園 兵庫
●抵抗器 ニッコーム 青森
●湖北工業 滋賀 コンデンサのリード線
●オハラ樹脂工業 愛知 自動車プラスチック部品
●フォトマスク研磨 秩父電子 埼玉
●大型旋盤ベアリング アンテックス 東京
●油圧部品 高林製作所 石川
●東南精機 愛知 切削加工
●非破壊検査他 シグマ 広島
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数々のグローバルニッチトップ企業を紹介した本。内容は、表面的で薄っぺらい。残念ながら、特に得るものはなかったな。
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会社数では99.7%、従業員ベースでは70%を占める、日本の中小企業。その中で世界に冠たる企業の経営戦略が紹介されている。
何と言っても、共通しているのは、オリジナルがあるということ。どの会社も、この会社でしかできない独自の強みを、持っている。
よく日本は、技術では勝るが、ビジネスでは負けると言われている。
本書で紹介している中小企業の技術力・匠の技は、特に抜きん出ている。
基本は、素材から販売に至るまで、垂直統合であるが、一部は、隣接企業とのアライアンスや中小企業向けの融資・地場の金融公庫などを活用している。
政策で、これら中小企業が連合を組む仕組みが出来れば、本当の意味で日本の底力が発揮されると思った。 -
力作。
よく取材されていると思う。
強い中小企業は、オンリーワンを持っている。
他と違うことをする。常識にとらわれない。
トップの強い気持ち。 -
経産省の「グローバルニッチトップ企業」に選出されたような特徴的な中小企業が数多く紹介されており、「こんな会社もあるんだ」と軽く読むにはいい本。
一方で、各社の紹介はカタログ丸写し同然の美辞麗句を並べただけの文章、しかも明らかに技術や製品を理解していないと思われる表現も多い(ピンぼけと手ブレの区別さえついていない)ので、製造業について多少なりともかじった人にとってはストレスの溜まる本だと思います。 -
ヤナギヤの経営方針
①誰もやらないことをやる
②あの会社がなくてはダメと頼られる会社となる
③仕事を知り尽くす
④一歩先を提案する(p.32)
北野精機が、普通のメーカーと異なるのは、実験装置のデザインに徹底的にこだわること。「いくら性能がよくても、デザインが悪くては使う研究者も気持ちが良くないし、設置した研究所や研究室の雰囲気を壊すことになりかねない。気持ち良い環境でなければ研究成果にも影響が出かねない」との哲学に基づいている。(p.118)