猛犬 忠犬 ただの犬 (講談社文芸文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062901840

作品紹介・あらすじ

「動物文学」というカテゴリーを確立し、国民の支持を得た戸川幸夫の原点ともいうべき自伝的小説。もの心つく前から動物好きであったという著者が、さまざまな気質の犬と育った九州の幼い頃から、運命的な犬との出会いをする旧制高校時代までを、愛情を持った動物への的確な観察眼で描き切る。それは犬への鎮魂歌であると共に己の成長の証であった。

感想・レビュー・書評

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  • 戸川幸夫の自伝的小説です。

    クロ、名前不詳、ジャック、アカ、ペス、S、四郎、ジョンとエフ、ハチ公、牙、太郎・太刀、霧と多くの犬たちが登場し、作者の犬への強い愛情を感じることはできます。
    ただ、6回も出産し、そのたび子犬が他に譲られたり殺されたりし自分も他に譲渡されたSはあまりにも不憫ですし、現在こういうことをすれば悪徳ブリーダーと言われてしまいます。
    また、太刀がジキルとハイドのようになったとありますが、人間もそうだったのではないでしょうかね。そもそも自分で面度見れないのに飼うのはいかがかものなんでしょうか。
    それにしても、犬以外の話が長すぎます、特に前半。

  • こよなく動物と自然を愛し続けた著者の自伝的小説。
    少年から青年へと成長していく過程でさまざまな犬との出会いと別れを綴った作品。

    この犬の名はジャックといった。
    ドイツ人が飼っていたのに
    ジャックという名は不似合だが、
    どうしてだろうと疑問をもつ者は一人もいなかった。
    P79〜80より

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著者プロフィール

1912年、佐賀県生まれ。東京日日新聞社(現・毎日新聞社)に入社後、1955年に小説『高安犬物語』で直木賞を受賞。作家専業となり動物小説を次々と発表、「動物文学」をジャンルとして確立。多数の小説や児童文学作品を手掛ける。

「2018年 『新装合本 牙王物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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