ふしぎな総合商社 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062915045

作品紹介・あらすじ

総合商社。それはじつはバブル期以降の急成長業界であり、「ポストバブルの勝ち組」である。
伊藤忠商事、住友商事、丸紅、三井物産、三菱商事。
バブル崩壊以降、五大商社のすべてが、吸収合併もされず、会社名も変わらず、
とりわけ2001年以降、利益もバブル発生前の約10倍に拡大させてきた。

日本人だったら、ビジネスに詳しくない人でも、上記の五大総合商社の名前くらいは知っているだろう。
多少、ビジネスに詳しい人だったら、「総合商社」が、他国にはない日本独自の業態だということも知っているだろう。

では、いまの総合商社は、実際にどんな仕事をして、どうやって稼いでいるか、
知っている人はどれくらいいるだろうか?

じつは、「知っている」と思っている人でも、その認識が一昔前までの認識であることが多かったりする。

たとえば近年、総合商社が儲かったのは、資源のおかげだと解説する専門家がいるが、これは事実の一部を捉えたものにすぎない。
さらには財閥などの企業グループをもとに権益を維持して稼いでいると解説する人もいるが、これなどはまったく事実とは違う。

かつては「売上命」だったのに、いまでは「売上ゼロ」でもボーナスが上がる営業部も存在する。いったいなぜ?

その「なぜ」に答えることは、ポストバブルの勝ち組になった理由を説明することでもある。
そこには、それぞれの会社で進んだ稼ぎ方の大変化があった。
では、働く人は変わらず、稼ぎ方を変えられたのはなぜか?

誰もが知っているけれど、実態はよく知らない総合商社。

その本当の姿を知ると、ビジネスの本質も見えてくる。
そこにはこれからの日本のヒントが隠されているかもしれない!

就活生のみならず、ビジネスパーソン必読の書。

【目次】
第1章 「ヘンな会社」としての総合商社
第2章 サラリーマンとしての商社マン
第3章 課題先進企業としての総合商社
第4章 ビジネスとしての総合商社
第5章 仕事としての総合商社
第6章 商人としての総合商社
終章  総合商社の未来

感想・レビュー・書評

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  • 点だらけのビジネスを手掛けている印象だったけど、やっとひとつの線で結ぶことが出来た。
    心地よい腹落ち感。

  • 商社業務の不透明さ、わかりにくさを丁寧に紐解いてくれている一冊だった。
    この世の中で商社だけがやっているビジネスはほぼない。むしろ、その多様性が商社の強みでもあるというのを、過去の事例をもとに説明してくれている。
    商社は両生類(投資会社と事業会社)だという見方も納得できる。商社の仕事を振り返りたいときにまた読みたい。

  • 実際に何をやってるか外からわかりづらい総合商社について、過去からの変遷も含めて、具体的に説明をしてくれているので、これから就職を控える学生をはじめ、総合商社のビジネスを理解したいビジネスマンにとっても有用な書。本書では、戦略やトップダウンのリーダーシップではなく、全社の危機感からボトムアップで、ビジネストランスフォーメーションが生まれたと主張してるが、この点は少し疑っている。もちろん、現場の頑張りはあったという前提で、その頑張りをうまく吸い上げて、既存事業推進派との対立の中で、強烈にリーダーシップを発揮して、会社をトランスフォーメーションしていったリーダーないしチームがあったはずで、それは、どんな課題と苦闘しながら、成し遂げていったのかのアナザーストーリーも知りたいと思った。

  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1章 「ヘンな会社」としての総合商社/第2章 サラリーマンとしての商社マン/第3章 課題先進企業としての総合商社/第4章 ビジネスとしての総合商社/第5章 仕事としての総合商社/第6章 商人としての総合商社/終章 総合商社の未来

  • タイトル通り総合商社は不思議だど思った。総合商社の現在の繁栄は、90年代の冬の時代があればこそだとわかった。危機の経験を糧にする、と。
    また、総合商社はキメラというのは金言。白黒つけないからこそのビジネス、存在意義があるということか。

  • 商社とは、事業投資と金融投資の両生類であり、どちらかに特化しようと舵を切ると、衰退するであろう、という主張が面白い。
    経験からきた新事業への取り組み方や仕事その物への姿勢など、ためになりました。

  • 本書全体を通して商社内で昔は売買の仲介ビジネスが軸だったのに対して、今は事業投資が軸になっているとの内容が繰り返されていた。

    簡単に言うと、今と昔では常識が違う。

    今の「常識」が将来でも「常識」であるとは限らない。

    商社業界は冬の時代から先見の目を光らせていた。

    それは正しいのか、なぜそれをするのか、考える事を辞めない人が周りとは色の違う特別な存在になれるのだろう 

  • 商社出身の著者が商社について説明した本。
    バブル前後での変化など勉強になった。
    本当に幅広い仕事だ。

  • ●商社はポストバブルの勝ち組

  • 2019年2月14日(木)〜2月19日(火)
    日本語: 3冊目 (合計: 3冊)

    ・三井物産株式会社に以前勤めていた、小林敬幸さんが執筆しているので、総合商社が具体的にどの様な仕事を行なっているのか、順序立てて説明されているので分かりやすい。

    ・総合商社という業界が、契機により売買仲介型から事業投資型へとビジネスモデルを変化させる経緯と歴史について学べる。1971年のニクソンショックによって、低成長時代に入ると「商社冬の時代」と言われる。1973・1979年のオイルショックにより「資源の輸入から資源の安定的調達」へと機能を変える。また1985年のプラザ合意による、円高の影響で「工業製品の輸出から工業の海外進出支援」へと機能を変化させた。

    ・ブエノスアイレスでのクレーム対応の仕事に苦しんでいる際に、元を取ろうと、休日にアンデス山脈を旅行したエピソードから、商社で働く人の前向きなマインドが感じられて惹かれた。

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著者プロフィール

税理士(近畿税理士会芦屋支部所属)・ファイナンシャルプランナー。1975年生まれ。兵庫県神戸市出身。大阪大学文学部史学科卒業。大学卒業後、ユニチカ株式会社の経理出納部門、太陽誘電株式会社の債権管理回収部門、SRIスポーツ株式会社の税務部門、個人会計事務所での税理士業務を経て、2008年9月神戸市内に税理士事務所を設立。現在は税理士・ファイナンシャルプランナーとして、個人事業者の開業支援や小規模法人設立、会計ソフトの指導をメイン業務に、兵庫県(おもに神戸市)や大阪府などを中心に活動している。

「2019年 『新版 3日でマスター! 個人事業主・フリーランスのための会計ソフトでらくらく青色申告』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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