古代天皇制を考える 日本の歴史08 (講談社学術文庫)

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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062919081

作品紹介・あらすじ

古来、千数百年にもわたり連綿と続く天皇制。しかし、それは創成期と同じかたちで存続されてきたわけではない。そもそも、古代、天皇の権力を育み、その権威を支えたものとは何か。天皇以前=大王の時代から貴族社会の成立、院政期までを視野に入れつつ、七人の研究者が、朝廷儀礼、神祇祭祀、神話等多様な角度から古代天皇制の本質と変容に迫る。

感想・レビュー・書評

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  •  倭国から日本国へ、大王から天皇へ。古代におけるこの大きな歴史的変化を、主として天皇に着目して論じた論集をまとめている。

    ○大王・王族と畿内群臣との関係を即位儀礼に着目して論じたもの
    ○「王化」の進展を、記紀、風土記に見られる"国見"や"植樹"に関する記述から追っていくもの
    ○エミシ政策の推移を通して、中心と夷狄の関係を考察したもの
    ○東アジア全体の中で、天皇号の意味合いを考察したもの
    など、多面的な論述がされている。

     単行本刊行からは既に20年経っているが、大まかな研究動向の見取り図として現在でも十分参考にできるものと思う。
     

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    古代天皇制の成立や役割、夷狄との関係、祭祀などの各種テーマ毎に解説している。これまでに通史で読んだ内容をまとめた内容で勉強になった。
    しかし、一言に天皇制と言っても歴史の中で少しずつ変化があった事が分かる内容だった。

  • 2016.09―読了

  • 天皇制の起源については漠然と理解していたつもりではあったが、色々な視点から整理されており勉強になった。各時代の流れが分かり頭が整理された気がした。こういうテーマは読むのに時間が掛かるが、これはこれで良い。古代の多様な国際交流が改めて確認できた

  • 古来、数千百年にもわたり連綿と続く天皇制。しかし、それは創世期と同じかたちで存続されてきたわけではない。そもそも、古代、天皇の権力を育み、その権威を支えたものとは何か。天皇以前=大王の時代から貴族社会の成立、院政期までを視野に入れつつ、七人の研究者が、朝廷儀礼、神祇祭祀、神話等多様な角度から古代天皇制の本質と変容に迫る。

  • 「借」(大学の図書館)

    古代からの天皇制について様々な角度から考察してる。
    個人的には、最後の章の文字や神話からの考察が面白かった。

  • 複数の論者がいろいろな視点から古代の天皇制について論じている本
    レベルが高くとてもいい内容だと思います

  • この歴史シリーズにあって、この巻は小休止というか、歴史記述ではなく、「古代の天皇制」というテーマで様々な角度から複数の筆者が論じる、考察と議論の書となっている。
    やはり、淡々とした歴史叙述よりも、私にはこういう本の方が断然面白い。
    「王権はいかにして可能なのか?」という、私自身が抱えている疑問においても参考になった。
    氏族制と神話。
    ここから王権が生まれる。
    それはやはり、演劇的なものかもしれない。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科教授。主要な著書に『日本の歴史06 道長と宮廷社会』(講談社学術文庫、2009年)、『律令国家と隋唐文明』(岩波新書、2020年)、『藤原道長 摂関期の政治と文化』(山川出版社、2022年)など。

「2023年 『藤原道長』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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