周縁から見た中世日本 日本の歴史14 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062919142

作品紹介・あらすじ

国家の求心力が弱かった十二〜十五世紀、列島「周縁部」で起こった国境を越えた人々の自由な活動。安藤氏による津軽・十三湊の繁栄、琉球王国の成立と中継貿易の展開等、海域での国境を越えた交流により、交易を基盤とした自立的な権力は形成された。多様な民俗と文化が織りなす、もう一つの日本史を追い、京都中心の一元的な歴史展開を相対化する。

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  • 国家の求心力が弱かった12~15世紀、列島「周縁部」で起こった国境を越えた人々の自由な活動。安藤氏による津軽・十三湊の繁栄、琉球王国の成立と中継貿易の展開等、海域での国境を越えた交流により、交易を基盤とした自立的な権力は形成された。多様な民俗と文化が織りなす、もう一つの日本史を追い、京都中心の一元的な歴史展開を相対化する。

  • 沖縄自体が琉球王国としてその中に宮古や奄美という周縁を抱えていたというフラクタル構造。どこまでいっても中心はあるし、周縁もある。
    海洋民をめぐる様々なトラブルは文禄・慶長の役に関するひとつの見方を与える。
    前記の2冊とも沖縄の問題に奇しくも触れているが、今沖縄が日本の県であることは当然の事実ではない。

  • 東の果ての青森、西の果ての鬼界、そして中国にたいしダントツの朝貢回数を誇る貿易国家琉球、朝鮮と日本の間で揺れていた対馬など、複数の研究者によって語られる日本の周縁
    第一部、第二部はとても素晴らしい内容なのだが、第三部はやや毛並みが揃っていない

  • 講談社『日本の歴史』の第14巻。通史の中で○○時代としてではなく、「中世史の論点」としてテーマ設定した一冊。列島東北部、琉球、海域世界の三部構成となっている。東北はともかく琉球と海域世界は日本史のまさに周縁部分で、外国史のようなもの。興味深く読めました。

  • 周縁というのは、身分的な周縁ではなく土地的周縁でした。
    北と南の境界について。
    古代だったらいちいち中央のことを言われなくても分かったけど、中世は年号を言われてぱっと中央がどういう状態か分からなかったので、少ししんどかったかもしれない。

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著者プロフィール

1931年、東京都生まれ。東北大学助手、東北学院大学文学部教授。2021年6月没
【主要編著書】『宮城県の歴史』(共著、山川出版社、1999年)、『奥州藤原氏の時代』(吉川弘文館、2001年)

「2022年 『中世奥羽の世界(新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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