- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062930017
作品紹介・あらすじ
ある地方の高校演劇部を指導することになった女性教師が部員らに全国大会の出場を意識させる。高い目標を得た部員たちは恋や勉強よりも演劇ひとすじの日々に。演劇強豪校からの転入生に戸惑い、切磋琢磨して一つの台詞に葛藤する役者と演出家。彼女たちが到達した最終幕はどんな色模様になるのか。2015年2月に映画化する、爽快感を呼ぶ青春小説の決定版!
感想・レビュー・書評
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定年間近のこの歳になっても、青春を描いた本を読むのは楽しいです。
もしかしたらこの本は学校の演劇部員にとってはバイブル的なものかな?著者もそこは意識して書いたのではないでしょうか。所々に「ここはこうした方がいいよ」とか「ここにも注意した方がいいね」とか、読者に丁寧にアドバイスしてくれているような場面が数多く散りばめられているのは演劇に疎い私でも感じました。
以前に読んだ、佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」が中高の陸上部員の間で広く読まれた(たぶん)のと同じように、プロ・アマ問わず演劇の世界で頑張ろうと考えている中高生にとってはうってつけの一冊だと思います。
もちろん、演劇に興味がない人にとっても珠玉の青春小説であることに変わりはありません。
※追記:読み終えてから平田オリザさんのことを調べてみたら、女性作家さんとばかり思い描いてましたが、なんと男性でした。そしてやはり本職?は劇作家、演出家となってました。こちらは納得!です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校演劇部のお話
青春小説というものですね
とてもよかったです
上級生が去り部長に就任した高橋さおりが主人公
演劇経験の先生が副顧問になったり、経験者が他校から
転入してきたりいろいろあり、そして演劇部も上を
目指し始動し・・・
話の流れに勢いがあり、先へ先へと読み進んでしまう
またいろんなことが起こり、飽きさせない
青春っていいですね -
群馬にある高校の演劇部が舞台。地区大会に敗れ3年生が引退することになり、自分たちの代が部を牽引する場面から始まる。先輩たちが果たせなかった地区大会優勝を目指そうとした折、演劇部強豪校から転校生がやってくる。
ひとつの目標に向かって真剣に悩み、考え、一途に挑む等身大の女子高生たちの青春記です。
大会に向けて選んだ題材は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。この名作をどう彼女たちが舞台にするのか興味深く、工夫を凝らした演出で挑んだ公演の様子はまるで目の前で行われているように場面が頭に浮かび、手に汗握りながら没頭しました。10代ならではの壁も垣間見え、少しづつ着実に成長を遂げていく彼女たちの姿は心強く、眩しく、羨ましくも感じました。
平田オリザさんの別の作品にも手を伸ばしたくなります。 -
典型的な女性が書いた本。一人称で、主人公は心の中で色々なことを取り留めもなく考えており、それが読者に筒抜けパターン。こういう語り口が一番苦手です。だらだらと考えていることや行動がいちいち書かれているので読みにくいところもあり、イライラしました。途中までは。
主人公が考えている不必要とも言える雑音は、後半になるにつれて徐々に無くなっていきます。最後は完全に演劇のことだけになる。その叙述によって、主人公が演劇に夢中になり、真剣になっていくという心情の変化を見事に表しています。それを狙っているのかは分かりませんが、いずれにしても素晴らしい作品です。とても面白い本を読んでしまったので、次の本を選ぶのにめちゃくちゃ悩みます。
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一人称の小説ひさしぶり。説明っぽいのが一切なく、日記のように物語が進む。何よりリアルな芝居の裏方描写。高校演劇やりたくなった。そして銀河鉄道の夜をちゃんと読みたくなった。
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演劇部に入っている身からして、本当にリアルに書かれたお話だとは思うのですが、やっぱり優秀な顧問の先生が来ないと始まらないと思わされました。(そこもリアルではあるけれど)
けれど、全国目指して頑張る演劇部のみんなは、とてもキラキラしていて、やっぱり高校演劇って青春!!
藤ヶ丘高校演劇部のみんな、国立行けたらいいな…。 -
とても良かった…!良い青春小説はいつまでも読んでいたく、読み終わってしまうのが寂しいですね
高校演劇がテーマの本作は、分かりやすく熱い!だとか心揺さぶられる!といった要素はどちらかというと薄く、
どちらかというと淡々とした雰囲気で進む作品でしたが、
劇中で公演を作っていく中で、現在の自分たちに、分からないなりに向き合っていく様子が眩しい
周りから少しずつ大きな影響を受けて完成した演目が上演されるシーンは
自分でもよく分からない涙が溢れた -
「ある地方の高校演劇部を指導することになった女性教師が部員らに全国大会の出場を意識させる。高い目標を得た部員たちは恋や勉強よりも演劇ひとすじの日々に。演劇強豪校からの転入生に戸惑い、切磋琢磨して一つの台詞に葛藤する役者と演出家。彼女たちが到達した最終幕はどんな色模様になるのか。2015年2月に映画化する、爽快感を呼ぶ青春小説の決定版!」
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高校演劇部を舞台にした青春モノです。スポーツでも文化系でも、熱中している高校生が主人公だと、キラキラ輝いて本当に楽しい!そして平田オリザさん。小説は初めて読みましたが、さすが演出家だけあって、登場人物のキャラクターが際立っていました。映画にもなっているようなのでぜひ見ます!