その鏡は嘘をつく (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062933438

作品紹介・あらすじ

鏡ばかりの部屋で発見されたエリート医師の遺体。自殺とされたその死を、検事・志藤は他殺と疑う。その頃、東池袋署の刑事・夏目は同日現場近くで起こった不可解な集団暴行事件を調べていた。鍵を握るのは未来を捨てた少年と予備校女性講師。人間の心の奥底に光を当てる、著者ならではの極上ミステリー。何度読んでも落涙のベストセラー短編集『刑事のまなざし』に次ぐ「夏目信人」シリーズ、初の長編。

感想・レビュー・書評

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  • 初めての作家さん。
    シリーズ物と知らず第2弾を先に読んでしまった。
    面白くどんどん読み進んだ。
    事件の奥深くに潜む闇が浮き彫りになっていく様が興味深かった。
    医療施設の事業継承が難しい時代になり、医師の子女に生まれた境遇は、経済的に恵まれ幸せな反面、期待への重圧の大きさは如何ばかりか…。



  • 薬丸さんにハマって、100円のを多数買って…その一冊。
    シリーズもんやったんや。「夏目シリーズ」。第2弾や。
    別に前作知らんでも面白いけど。
    殺人事件とかが絡んでくると必然的に警察もんが増える。
    こんな風変わりな刑事さんもええな。熱い刑事が好きなら合わんかも。個人的には、飄々としてるけど、凄い実力あって、中身は熱いってのが好み。上の言う事聞かんとか…夏目さんは、後者の部類。なので良い。
    ちょっとした事に疑問を持ち、真実を暴く。
    ここでは、浅川の部屋。
    検事の志藤との対決も見もの。
    自殺を他殺とするまでは、同点、それからが…
    やねんけど、もう、そんな鋭い感覚が自分にはないから…対決を眺めるだけに…
    このシリーズも頑張って読もう!
    自分の姿を鏡で見てるか…?髭剃り跡とかの部分的なものしか見てない。
    今の自身がどうかをキチンと見て、ちゃんと進んでるが点検が必要かも?
    何かこの作品の感想になってないような(ーー;)

  • 「刑事のまなざし」に続く夏目刑事シリーズ第2弾。
    前作で夏目刑事の人柄に惹かれファンになり、今回の物語でも行動や想いにブレなく真相を追求する姿が素敵だった。

     エリート医師が池袋の一室で遺体で発見された。当初は自殺と考えられたその死を、検事:志藤は些細な疑問点から他殺ではないかと考え始める。
    その一方で夏目刑事は、深夜に現場近くで起きた暴行事件を調べていて、別視点から2つの事件の関係性を疑い始める。

     志藤検事が夏目刑事をライバル視しているのに対して、夏目刑事は気にせず飄々と我が道を行く感じで捜査をするのが良い。捜査のためとはいえ、女子大学生と友達みたいになれるのも夏目刑事の魅力の1つだと思う。

     今回の物語では、お医者さんになるために塾に通ったり浪人して再チャレンジする学生や親、指導する先生が出てきて、それぞれに想いがあって、それを夏目刑事が細部まで汲み取り核心をついていくのがすごい。
     跡継ぎのために無理に続けなければならないって他の人からしたら贅沢な悩みかもしれないけれど、本人にとって精神的に相当辛いだろうな…

     色々な事情が絡み合っての悲しい事件。けれど、誰かを大切に思う気持ちが人を動かしていることを改めて感じた。
     

  • 夏目刑事シリーズ第2弾です。問題なくおもしろいけれど、ヴォリュームの割にはそんな複雑なストーリーではありません。最後の取り調べシーンは夏目も志藤検事も個性のあるいい味をだしていた。
    やはり夏目刑事シリーズはいいです。どっちがいいかと問われたら短編のぎゅっと詰まって中身が濃い感じが好きかなあ。

  • 刑事夏目信人シリーズ、第二弾。
    『刑事のまなざし』に次ぐ長編です。

    主役は刑事夏目ですが、検事の志藤の活躍もあり、ダブル主役と言えるでしょうか?

    鏡ばかりの部屋で発見されたエリート医師。
    そして、現場近くで発生した不可解な集団暴行事件。
    全く別の2つの事件が、奇妙に絡みあう。

    果たして、夏目と志藤は、この謎を解き明かすことが出来るのか?

  • 夏目シリーズの第2作目の長編。これは好みの問題だが、この後もシリーズは第3、4と続くが短編集の方が面白いと思う。
    この作品は夏目ともう一人志藤検事が主人公のようなもの。最終的には夏目の深い洞察により真実が明らかになるが、志藤の思い込みもミスディレクションの伏線というには物足りなく、かといって痛快な終わり方でもなく、全体に普通の作品で纏まった感じだ。

  • 『刑事のまなざし』に続く夏目刑事シリーズの第2弾。前作は連作短篇集であったが、本作は長編である。前作では、様々なエピソードから夏目刑事の洞察力と人間としての温かみが伺えたが、本作はその部分で少し物足りなさを感じた。

    鏡で囲まれた部屋の中で発見されたエリート外科医の自殺体。検事の志藤は他殺を疑い、捜査を命ずる。別な集団暴行事件を捜査していた夏目刑事は、やがて志藤検事と対峙するのだが…

    『天使のナイフ』、『闇の底』、『悪党』などなど素晴らしい作品を上梓し続い薬丸岳には、どうしても高いレベルの作品を求めてしまう。

  • 夏目刑事がいい味出してるなあ。
    シリーズ物と知らずにこちらから読んでしまったので、「刑事のまなざし」も読んでみたい。

  • 夏目信人シリーズ2作目。
    ですが…
    そのことを知らずに薬丸さんの本だから、と手にしました。
    冒頭に登場したのは志藤検事だったので、彼が主人公かと思っていたら、夏目刑事登場で驚いたわけです(汗)。
    全く違うタイプの夏目刑事と志藤検事。
    夏目刑事はやっぱり良いなぁ…

  • 夏目刑事シリーズの2作目ということだが、前半はあまり登場せず、父の敵を討つために検察に入ったという志藤検事が中心。
    そして、志藤検事が担当する事件と、夏目刑事が捜査している事件が、やがて一つに収斂されてゆく。
    二人の捜査の対比を描きながら、予想を覆す事件の真相にたどり着く。
    今後、志藤検事の検察を志望することとなった事件、そして父の敵とする人物と対決する捜査が描かれるのだろうか。楽しみである。

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著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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