新装版 七回死んだ男 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 2958
感想 : 202
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937665

作品紹介・あらすじ

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。資産家の祖父は新年会で後継者を決めると言い出し、親族が揉めに揉める中、何者かに殺害されてしまう。祖父を救うため久太郎はあらゆる手を尽くすが……

――鮮やかな結末で読書界を驚愕させたSF本格ミステリの金字塔!

感想・レビュー・書評

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  • 「反復落とし穴」という設定が新鮮でとても楽しめました。ラストにかけて真相に近づくにつれ、一気読み。ゾワッとしたり、えー!?っとなったり、見事などんでん返しが待っていました。

  • タイムリープを7回繰り返してしまう青年が祖父の死を防ぐために奮闘していく物語。
    タイムリープ物はどうしても「なんでもあり」感が強いので、納得感があるかどうかがわかりにくい印象だったが、論理的でしっかりとしているので読みやすかったです。
    必死に死を止めていくという作風ではあるが、ギャク調でありコミカルに進んで行くため読みやすく読むことが出来た。そしてその中に隠された伏線やどんでん返しが上手い具合に効いていてとても満足でした。途中のギャグでとある人物の存在を意図的に消したり、祖父の死因をあえて明示しなかったりという所がその後のどんでん返しに繋がっているのがとても良かったです。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    大庭久太郎:木村良平
    大庭世史夫:内田雄馬
    大庭富士高:寺島拓篤
    大庭加美寿:根谷美智子
    大庭道也:小山力也
    渕上胡留乃:田中敦子
    鐘ヶ江葉流名:山崎和佳奈
    鐘ヶ江舞:竹達彩奈
    鐘ヶ江ルナ:日笠陽子
    槌矢龍一:三木眞一郎
    友理絵美:伊藤静
    渕上零治郎:中田譲治

  • 反復落し穴,タイムリープ。遺産相続と後継者争い。七回死亡する祖父,各回犯人が違い,前回の犯人を確保しても別人が犯人の繰り返しに混乱。
    奇妙な周のズレに違和感,自己認識できない人の死の発覚に唖然とした。

  • 同じ日を9日繰り返す特殊能力を持った主人公「久太郎」が何者かによって殺害されてしまった祖父を助けるために、あれやこれや試行錯誤して奮闘する物語。
    主人公含め登場人物全員がクセのある人間で、
    最初は抵抗があったものの中盤からはそれが面白く思えてしまいました。
    (特に総出で枕を・・・)
    また「副題」も毎回シュールで思わず笑ってしまうほどです。
    全部読み終えた後にタイトルの意味や、疑問に感じていた違和感もスッキリできました。
    あれ?これ殺人事件の話だったよな・・・?
    と、思えるくらい気づけば登場人物全員をなぜだか愛おしく感じ、
    最後の最後までドタバタしていて「らしい」終わり方でした。

  • 久太郎くんの特異体質をベースに物語は淡々と進んでいきますが、すごくロジカルで楽しい一冊でした。
    SF要素が強すぎず、同じような事が繰り返されるなか、あ、これ謎解きのヒントじゃない、って、早く答え合わせをしたくなる感覚にじわじわ引き込まれちゃいました。

    ストーリーテリング的な各章のタイトルが潔し。

    「SF本格ミステリー」、またチャレンジしてみましょう。

  • 作品紹介にあるように、同じ日を繰り返す体質を持つ主人公が、殺されてしまう祖父が殺されないように繰り返される1日で運命を変えようとする。
    同じ日の描写ばかりで飽きるかなーと最初は思ったけど翌日はどうなるのかとか気になって面白くて一気読み。
    それだけに最後の伏線回収とかがすげー!!とならずちょっと期待外れになってしまった…
    SFとか全然興味がない私でもこの作品は面白かった。

  • 9回ループはさすがに多すぎて飽きてしまった。。。
    ループものといえば、ドラマのブラッシュアップライフが好きだったけど、ブラッシュアップのように職業や友達などが大きく変わる訳でもなく、この本は1日をループするので、さほど大きな変化もない。
    最後の伏線回収を楽しみにしていたけど、自分にはあまり刺さらなかった。
    読むのは速い方だけど、この本は読んでいてスラスラ読めず何だか読みにくいなと思っていたら、新装版あとがきを読んで納得。読点が極端に少ない!!
    改めてパラパラ見ると本当に読点がほぼない。
    読みにくいのは目が悪くなったから?疲れてる?とかモヤモヤしていたけど、原因がわかってスッキリした。
    伏線回収よりもこの読みにくい謎が解けたことが1番スッキリした。

  • タイムリープミステリー

    何度も何度も殺される祖父。タイムリープして死なないように対策しても犯人が変わって結局死んでしまう。

    軽い文体で緊張感がかなり低減される。
    コメディ要素もちょっと入っていて何が起こるか全くわからない楽しみがある。

    事件の真相もなかなかに納得できるので、全編通して良い作品だった。

    問題は登場人物の名前が難しいこと
    ☆3.7

  • 初めて西澤さんの小説を読んで見ました!

    SFな推理小説+恋愛も少々って感じの作品ですね〜
    この小説で登場する“反復落とし穴”は主人公の能力ではなく
    体質という部分がSFチックですね。
    9週目で本当の翌日になる設定が良い!

    しかも被害者は少ないので、推理もある程度絞れて
    予想しながら、読み進めることが楽しくできました。

    登場するキャラクターも個性的でクセもあって
    修羅場シーンは幾つかあって良かったです。

    今回も、見事に予想が外れましたが笑
    トモリさんの論理的解説は納得しておりますが、
    本当かどうかは未確定な部分がありますね!

    なので、色んな想像が出来てしまう。
    実はヒサタロウと同じ体質を持った人がいるとか!
    そんな事を考えながら読んでました!

    僕は小学生の頃、反復横跳びは得意でした笑

  • まさかあそこでそんなことが…!
    同じ日の出来事が繰り返されてるけど、ちょっと内容が違っててダラダラした感じではなく、すごく面白かった!
    死の真相が驚きだった。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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