プロチチ(3) (イブニングKC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 109
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063524727

作品紹介・あらすじ

「永遠の野原」「ベル・エポック」「火消し屋小町」「たまちゃんハウス」「育児なし日記」「木村くんは男友達」など、多彩なストーリーで魅了する逢坂氏による本格男性育児マンガ。

徳田直は、生真面目でこだわりだしたら止まらない性格。対人関係でトラブルの多い直は、専業主夫として息子太郎の育児に専念。当初、自らの立場に戸惑い悩んでいたが、「プロの父親」として育児する事を仕事と捉え、これまでにない感覚が目覚める。読んで育児イメージトレーニング!少子化に喘ぐ日本の救世主は父親だ!!

仕事と育児の夫婦間闘争勃発!?プロチチ・徳田直は、他人とうまくコミュニケーションがとれないKYな男。彼は息子・太郎の育児をする事で、世間との接点ができ社会復帰をはたす。しかし直は、2歳になった息子の保育所やバイト先で様々な問題に直面! これまで以上に時間に余裕が無くなった直は、唯一の理解者だったキャリアウーマンの妻と、育児と仕事の配分に違和感を持ち始め、夫婦間闘争が勃発した!!

感想・レビュー・書評

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  • ベテラン少女漫画家の逢坂みえこが、青年誌イブニングで連載する育児漫画。

    主人公の直…アスペルガー症候群の気があり、会社員として上手くやることが出来ずに退職、専業主夫としてプロの父親業に勤しむ。

    妻の花歩…上辺だけの人付き合いが出来ない誠実な直に惹かれ、彼の起こすトラブルにうまいこと対処、サポートしつつ、編集者として忙しく働く。


    よくある子育て漫画の男女を逆転させ、主人公にアスペルガー症候群というエッセンスを加えた漫画を、青年誌で連載しているのです。

    私は、同作者の「永遠の野原」が大好きですし、この漫画も好きです。
    しかしこの漫画は、主人公が男性ではあるけれど、女性誌で十分連載できる内容だと思います。
    男性読者がどんな感想を持つのか、読みながら気になります!

    基本的に「育児は大変だ~」という内容なので、男性的には「こっちだって仕事が大変なんだよ!」てな反感を買わないのかな…?
    反感を買わないようにユーモアたっぷりに、プラスして働く大変さも書いてあるけれど、それでもそんな雰囲気は出てるから…

    私の気にしすぎかもしれませんが、男性にも楽しんでもらえてると、嬉しい。

  • あ~あるよなぁ、夫婦間の家事のバランス戦争w 面白おかしく描いているけど、案外深刻なのよ、うん。
    そのうちどーでもよくなるんだけどねぇwww
    そのほかにも盛り沢山の内容に満足。

    さて次は保育園での子供の問題かぁ。
    これはねぇ、子供もダメージだけど親がそれ以上にダメージ受けんのよ。
    基本親は『親ばか』なのだから子供の窮地に心が乱れるのは仕方がないよね。
    そんなわけで続きが気になる。

  • かなり重いテーマを次々に扱いつつ、安易な解決に走ることなく楽しく読ませる。素晴しい。

  • 1~3巻大人読みしたので、3巻分のレビューを一気に書きます。
    逢坂みえこ・・・ヤングユーを愛読していた時代に「ベルエポック」などを通して、どれだけこの方のマンガに感情移入し、そして救われてきたでしょう。働く女子は大変・・・そして、ラストは子育ての大変で終わっていたマンガ。その続きのように子育て全面のマンガですが、パパ(旦那さま)は「発達障害」。
    時代のポイントをつかむ設定はさすがです、そして衰えぬスピード展開とハートにくる「言葉」の数々。絵のデフォルメも上手すぎて、たまりません。
    また、私たち(たちって誰ですかね?)を応援してくれて、感謝です。

  • 家族は敵じゃない、夫婦は勝ち負けじゃない。助け合って私も頑張ろ。

  • 保育所のママ友とのコミュニケーションに始まり、今回も子育てあるある満載。僕自身も、子どもの保育所時代を振り返り、懐かしくなりました。
    「虐待」という重いテーマも。
    (ただし、重くなりすぎず、じーんとする感じで終わります。21話目の終わりの大ゴマ、ほんと印象的でした。)
    22話の「はやくしなさい」も、秀逸。
    「大人には「ただのわがまま」にしか見えないことでも
     子ども本人には絶対譲れない理由があるのだ」(p70)
    は、名言。

  • アルバイトだけど仕事に復帰した直は、職場でも受け入れられ、太郎君も広くて設備の整った認可保育所への入所が叶い、アスペルガーである直の子育て、そして社会復帰は順調です。
    そんな3巻なので、直は1~2巻のように疎外感にひどく苦しむようなことはない。働くこと、職場でコミュニケーションすることもクリアして、アスペルガーはこんな風に社会に受け入れられましょうみたいなちょっと予定調和っぽい幸せをつかんでいます。
    だから、アスペルガーの社会復帰の物語として自分が読んだ2巻までとは一転して、この巻は、単なる「男性による育児の物語」、最近よく聞くイクメンの物語になっています。

    この3巻で語られているのは、ママ友の愚痴を「傾聴」することで愚痴っていたママ友が自分が育児について夫に教えたり、話し合ったりしたことがなかったという「気付き」を得て、傾聴していた直が相談しやすい人として「人気者」になる、という、コーチングの教科書に載っていそうなお話、直が勤める書店で企画した絵本読み聞かせで、虐待に近いネグレクトを受けている子どもと関わった直のバイト仲間栗林君が、本屋の自分にできることは何だろうと考えるという、AC(公共広告機構)のCMに出てきそうな話、アルバイトがフルタイムになった直がハードで不規則な業務の正社員をしている奥さんの花歩さんに家事分担を求める、という、道徳の教科書に載っていそうな話、そして、家事分担をしてもらって少し時間に余裕のできた直が、乞われて合コンに参加させられる話です。
    主観満載の内容紹介から感じていただけるとおり、どのお話もかなり説教臭い教条的なお話になってしまっています。その上、どのお話も「正解」が書いてあります。
    虐待に対して、本屋の栗林君ができることは「知ること」「知ってもらうこと」「知ってもらえる場所と機会を作ること」だそうですし、ハードで不規則な勤務で収入を稼いでくる花歩さんの家事分担の方法は、「印刷所が休みな年末年始やお盆、あと校了明けの時期とかも余裕ができるので、まとめて借りを返す」だそうです。
    その通りなのかもしれないけれど、でも自分が読みたいのはマンガ、物語であって、説教臭い教科書が読みたいわけじゃあありません。2巻までと一転してしまって大変残念です。

    ただ、そんななか、子供の視点に言及しているところがあって、そこには共感できました。
    親の気分で怒鳴られたり可愛がられたり無視されたりした自分がどんなに不安だったか、「はやくしなさい」「なにやってるの」「なんでできないの」「いいかげんにしなさい」と言われ続けた自分がどれだけ嫌いになったか、目の前で両親が喧嘩するのがどんなに嫌だったか、本当によくわかります。まさに「僕らのトラウマは僕らの代で止めるべきだ。息子に継がせるのは絶対よくない」です。トラウマの連鎖、自分も止めるつもりで頑張ろうと思います。

  • 花歩さんの器の大きさに脱帽。

  • 共働き家庭における『家事分担戦争』...

    読んでて身にしみた・゜・(ノД`)・゜・

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