旬 5 (講談社コミックス 月刊少年マガジン)

著者 : 高倉みどり

• 講談社 (2004年12月17日発売)

感想・レビュー・書評

[きうりさんの感想 · 2013年3月30日]

この作品は、当巻から急激に面白くなっていきます。

これまでは少年漫画らしい「料理バトル」ものだったのですが、５巻からは、あくまでもバトルを土台にしつつ、主人公の料理に心を揺さぶられる名脇役たちを巡るヒューマン・ストーリになっていきます。

またこのヒューマン・ストーリーが実に面白い。
これまでのバトルシーンでは、例えばミスター味っ子に代表されるような「うまい！」というときの大げさな描写がいくつかあったのですが、正直ぎこちない印象でした。
でも登場人物の繊細な心理描写に主眼が置かれるようになったら、途端に物語もキャラクターも生き生きとしてきました。
これは想像なのですが、作者は少女漫画肌なんじゃないかな。
絵柄もそうですが、心理描写のための演出にそういう雰囲気を感じます。コマ割りとか、間の置き方とかが板についています。

著者プロフィール

「マガジンGREAT」にて読み切り作品『Good luck flying』でデビュー。
主な作品に『平松っさんの心理学』（全3巻）、『MALEBITO』（左上路朗名義・全3巻）、『旬 ～味彩の匠～』（全8巻）、『らずべりぃmix』（全4巻）などがある。

「2021年 『ラブゼミ　～上野教授の恋愛講義～（1）』 で使われていた紹介文から引用しています。」