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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784065127285
作品紹介・あらすじ
「愚将」を生み出した原因は、昭和陸軍の組織体質にあった
牟田口廉也は、インパール作戦を失敗に導いた陸軍司令官として知られている。だが、それのみを切り取って牟田口を「愚将」と断じてしまってよいのか。また、責任は彼個人のみに帰せられるべきなのか。本書は牟田口の軍歴を丹念に追うことで「愚将」像を再検討してゆく。参謀畑を歩んでいた牟田口を、支那駐屯軍に左遷せしめた二・二六事件とその後勃発した盧溝橋事件。「常勝将軍」の名を与えたシンガポール攻略作戦。そして、大本営の裁可のもとで発動されたインパール作戦。彼の軍歴の背景から、陸軍の異様な体質が浮かび上がる。不健全な人事、不可解な決裁……昭和陸軍という組織は、自ら「愚将」を生み出したのだ。
*以下、本書目次より抜粋
はじめに
第一章 エリート参謀からの転落
第二章 日中戦争の火蓋を切る─盧溝橋事件
第三章 「常勝将軍」の誕生─シンガポール島攻略作戦
第四章 インパール作戦─敗戦の責任は誰にあったのか
おわりに インパール作戦の呪縛
あとがき
参考文献一覧
みんなの感想まとめ
組織の体質が生み出すリーダーの姿を深く考察する本書は、牟田口廉也という陸軍司令官を通じて、昭和陸軍の異常な人事や決裁の仕組みを明らかにします。特に、インパール作戦の失敗を背景に、彼がなぜ強硬策を進めた...
感想・レビュー・書評
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名将、知将、現代だったらビジネスリーダーとか、言い方違えどトップに立つ人間になるには、という本はもちろん多い。
逆に、愚将はいかにして生み出されたのかという逆の本。
牟田口廉也はインパール作戦の愚将として知られる。
なぜ誰もが失敗を予感する作戦を強硬に進めようとしたのか。
盧溝橋事件での牟田口の先走りと、それを追認した男、河邊の存在があった。
その二人は南方軍司令と、軍司令長としてビルマに立ち、二人に対するザ・忖度が続く。
上に向かってNOと言えない組織がトップの暴走を加速させる。
崩壊する組織の特徴を学ぶ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
牟田口廉也 「愚将」はいかにして生み出されたのか。広中 一成先生の著書。インパール作戦を失敗に導いたことで知られる牟田口廉也陸軍司令官。終戦記念日の時期になると毎年のように牟田口廉也陸軍司令官の名前が出てくる。牟田口廉也陸軍司令官が失敗したことは事実かもしれないけれどほかのだれかが牟田口廉也陸軍司令官と同じ立場にいたら失敗を防げたかどうかはだれにもわからない。インパール作戦を失敗に導いた牟田口廉也陸軍司令官に自分可愛さあまっての無責任な言動があったとすればそれは批判されても当然のことなのかも。
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近代史を少し深掘りした人には有名な人物。
彼を中心に無謀な作戦が立案され実行し、大勢の命が散ったのは歴史的な事実。
彼が歩んだキャリアと紐解きながら、なぜ愚将として有名になってしまったかを分析&解説した本。
結論から言うと不適材不適所なのだろう。しかし、そうなった背景には日本陸軍のカルチャーが深く関係していることもわかる。
個人の責任だけでなく、日本陸軍という組織としての責任も大きい。日本陸軍の組織的な欠陥は、「失敗の本質」という書籍に詳しく書かれているのでそちらも参照するとわかりやすい。
個人の責任という意味では、戦後も裁かれるものの罪に問われることなく日本で病気による最期を迎えたという点を指摘するコメントも多い。
しかし終戦後60年以上経っても愚将として語り継がれており、本人の性格や資質について今も尚、研究対象になっているという事実は不名誉であり、魂という側面においてはかなり重い罰を背負っているというのが、私の所感である。 -
牟田口廉也の評伝だが、関連する戦史まで広めに扱う。焦点は盧溝橋事件、シンガポール島攻略作戦、インパール作戦の3つ。シンガポールの作戦は、他の2件とは異なり牟田口は「常勝将軍」とのあだ名を得るが、それでも著者は、牟田口の人命軽視や作戦遂行への焦りからの被害拡大を指摘している。
盧溝橋事件とインパール作戦に際し著者が指摘するのは、「不適材不適所」の派閥人事。2.26事件後、皇道派の牟田口は実戦経験が乏しいのに支那派遣軍に「左遷」される。この人事がなかったら盧溝橋事件の拡大は抑えられたのか、考えてしまう。
同時に著者は牟田口個人だけの責任とはしない。両件で上司だった河邊はじめ上位組織が支持や承認したことも指摘。そして、人事と合わせ、日本軍の組織としての不合理性が原因としている。 -
文献の丹念な研究に裏付けられた名著。文章も、論理立てて書かれていて、読みやすい。
物事はすべて、人間の判断の積み重ねによって起きる。1人の人間の判断は大きくないが、決して小さくはない。インパール作戦の責任は、日本軍の組織全体にある。しかし、牟田口のプライドが、多くの人間を死に至らしめたことも否定できない。やはり、多くの人間の生死を人の判断に委ねることになる、戦争という行為そのものを無くさなくてはならない。 -
いかに日本陸軍が酷い組織であったことがよくわかる本である。また改めて牟田口が無能な軍人であったことがよくわかる。この組織と牟田口のせいでどれだけの若い命が戦場で失われたことか。無駄死にである。戦後も反省することもなく、自分の正当性を疑わず、のうのうと生きたことに怒りを覚える。
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東2法経図・6F開架 289.1A/Mu91h//K
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単に愚なだけであったら、指揮官に採用されてはなかったはずで、個人的な性格上の問題点と、派閥争い、事なかれ主義の上司などによって不幸が起きた過程がよく伝わった。
派閥争いが明治維新の藩単位で起こっていることを見ると、明治維新そのものの功罪を考えないといけない気がする。 -
2018年8月読了。
情実人事が組織運営にどんな結果を招くか、その視点から読むと大変参考になる。
また、インパール作戦以前の牟田口中将がどんな戦歴を積んできた人物なのかも詳細に記載あり。
著者プロフィール
広中一成の作品
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