変な知識に詳しい彼女 高床式草子さん(1) (ヤンマガKCスペシャル)

著者 : おはなちゃん

• 講談社 (2018年9月6日発売)

作品紹介・あらすじ

美人でクールで頭がいい憧れのクラスメイト・高床式草子さんに、バカで平凡な根済くんが告白したら奇跡的に付き合えることに！しかし彼女には意外な一面が‥‥。そうーー彼女は、変な知識に詳しかった‥‥。胸がワクワクするエロ雑学満載！高床式さんと一緒にひとつかしこく、ひとつやらしく。

感想・レビュー・書評

[猿山リムさんの感想 · 2023年11月8日]

　著者の別作品が気に入って辿り着いた作品だったように思う。
　タイトル…というか表紙が本編のすべてを表現しているような気はする。
　下ネタというよりは純粋な性雑学に精通した博識なヒロインが、内気な彼氏にだけ披露する性知識。
　そのシチュエーションに翻弄される様を描いたコメディ。
　性知識を披露するが性行為をさせてくれるわけではなく、でもこれは性行為を促しての発言なのかと…悶絶する彼氏心理は痛いほどよくわかる気もする。
　この表紙、ナビまで含めて完成された作品なので、選べるならば是非、帯があるものを・・・。

[『黒犬』の優樹さんの感想 · 2018年10月11日]

シンプルに言うしかないほど、凄ぇ過激
表紙から色気がムンムンの作品はいくつかあるけど、ここまで、男を殺しに来ている漫画も珍しいのではないだろうか
もう、私はその程度の事など気にしないと思っちゃいたが、この『変な知識に詳しい彼女 高床式草子さん』をレジへ持って行くのには、結構な勇気が必要だった
運良く、女性の店員さんがレジにいなかったから、すんなりと出せたが、もしも、女性の店員さんがいたら、逡巡しちゃっただろう
不思議なもんで、コミックゼロスやcomicアンスリウムは、女性の店員さんがいようと、平然と買えるんだがなぁ
今、ヤングマガジンを読んでいないので、適当な事は言えないけど、蘇募ロウ先生の『何で、ここに先生が！？』もレベルの高いエロコメディだし、ここ最近のヤングマガジンは、相当に攻めている
週刊少年マガジンも、時代の流れで、表現や描写が少年誌的にセーフなのか、と思うような作品が増えてきて嬉しい限りだが、それでも、この『変な知識に詳しい彼女 高床式草子さん』は連載できなかっただろう
しかし、この作品は単にヒロインがエロいだけのモノじゃない
私以外に読んだ人なら同意してくれるだろうが、何気に芯のあるラブコメだ
大好きな相手だからこそ、自分のあるがままを曝け出せる、曝け出したい衝動に駆られる、そんな当たり前の事が描かれている中身は、実に心のチ〇コが反応する
この作品のヒロイン・草子さんは決して、ビッチではない
恋人の根住くんが本当に好きだからこそ、様々なアピールをしてくれるのだ
表現の仕方は下品かもしれないが、下劣や卑猥ではない
綺麗な彼女に、ここまで濃密な愛情表現をされて喜ばない男なんて、いないだろう
むしろ、多少の邪魔が入る事を差っ引いても、草子さんを襲わない根住の男らしさの方が凄いかもしれない
時に、男子高校生として、性欲の前に屈してしまう事もあるが、何だかんだで一線は越えないよう、頑張っている
草子さんの色気だけでなく、根住に出来る共感もまた、このラブコメの武器に違いない
また、お前だけだよ、と言われるかも知れないが、作中の言葉戯びのセンスも結構、好きだ、私は
おはなちゃんってペンネームから想像できないほど、この先生は頭が良いのだろうな
（２）では、どんな言葉戯びで、作品のテンポを軽妙にしてくれるのか、楽しみだ
ケチの付け所は特にないが、あえて言うなら、タイトルにある通り、草子さんが披露する知識が変ってこと
面白いし、為にもなる。だが、日常生活で役に立つかは微妙だ。有効活用するとしたら、日常性活の時くらいか
この微妙っぷりが際立つマメ知識は、『天地創造デザイン部』のそれに近いと言えるので、そういう役に立たないけど面白い知識が好きな人にはお勧め
どの回も、草子さんと根住のイチャツキに砂糖を吐きそうになる
その中で、個人的にお勧めしたいのは、第１４話「みみそうじ【耳掃除】」だ
どこがいいのか、それを聞かれると、少し困るが、根住の変態性が極まっているってのは、勧める理由には確かに入っている
男は大体、変態で、それは否定できないが、ここまで、自分の欲に忠実な同性を見ると、ドン引きする以上に尊敬すらしてしまう
また、詰めの甘さから計画が破綻し、草子さんからのお仕置きを受けるラストも笑えた
予告からして、（２）も、かなり、このバカップルはイチャつくようだ
それも楽しみだが、個人的には、他の女の子や男子キャラも登場してほしい
共同で成年向けの同人誌を描いている、隠れオタクヤンキーと隠れエロ委員長のカップルが登場して、根住と草子さんの二人と友情を深めてくれれば滾る
この台詞を引用に選んだのは、おはなさん先生の攻めの姿勢に、感謝と敬意を示したいので
これを通した担当編集者さんの英断にも、同様の感情を抱ける
あえて言うなら、もうちょい、顔も似せても良かったかもしれない
毎度、反省しちゃいるが、すぐに痴色欲に飲み込まれる性質な根住が、次巻では、どの作品のパロディをかましてくれるのか、そこにも期待してる