メーラーデーモンの戦慄 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
3.26
  • (5)
  • (15)
  • (23)
  • (9)
  • (1)
本棚登録 : 164
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065131367

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • エロや上木らいちの活躍が控えめなのと、過去作を読んでいないとついて行けない部分があるのが難で単体として読むと消化不良気味ですが、らいちのヒントからロジカルに絞っていく過程は読み応えありますし、黒幕の動機もなかなか面白いです。短いながらもミステリー要素ふんだんに盛り込み、破綻させずに纏め上げる手腕もお見事だと思います。

  • 2018.11.12読了。このシリーズも、もう5作目になるんですね。

  • 援交探偵上木らいちシリーズの最新作 。
    相変わらずくだらないという褒め言葉を捧げたい。 メーラーデーモンを名乗る者からメールが届いた後、連続殺人事件が発生。名探偵らいち、藍川刑事と過去作入り乱れたお祭り感のあるお得?な作品。

    シリーズで読んでいる人には堪らないエピソード(読んでいないとわからない)もあり、それも活かされていたと思う。○ころの彼やっぱり好きだわ笑 事件の本質よりも、登場人物や読者自身が試される、いやらしい真相(もちろんエロの意味でね)に至るまでのロジカルな部分は非常に楽しませてくれる。

    誰裁や双蛇密室のような暗い話の方がどちらかといえば好みなのだが、シリーズとしては非常に前向きな、今後に期待できる作品であったことは間違いない。
    それにしても、ニュース番組の場面はただただ作者がふざけている。笑わせてくれた。

    読者への挑戦はシリーズファンなら嗅ぎ付けられるギリギリのラインか…私は全くわからなかった笑

  • 待望のらいちシリーズ最新刊。荒唐無稽なようでロジカルなトリックは相変わらず。らいちがツイッターを使って藍川にメッセージとヒントを届けるところは舌を巻く緻密な面白さ。バイブというエッチな性具がキーになっているところもこのシリーズらしくて良い。これまでのシリーズの登場人物たちが青の館に集結したり、作者がワイドショーに登場したりとメタ的なネタも笑えた。
    ちなみに……、最初の犬飼の事件、私はすぐ真相を見抜いてしまったのは変態の証で良いでしょうかね。

  • 2018年104冊目。シリーズの集大成と言わんばかりに、過去作の登場人物が大集合し、シリーズをなぞりながら進む解決編はファン垂涎ものです。そっちに力が入り過ぎてて、本筋の印象が弱まってしまってるのはご愛嬌。

  • そいつからメールが届くと一週間後に死ぬ。
    ホラーじみたシリアルキラーと探偵の対決は早坂ファンに捧げられた推理合戦へと発展する。
    謎解きが救済になる事と、謎解きが愉しい事を重ねる。
    誰かによって解かれるも良し、でも自分の手で解けたとき、それはとても得難い体験になる。

    三つくらいの意味で今までの集大成っぽい作りなのでお祭り感を存分に味わう。
    相変わらず、いろいろ組み込むのが上手。

  • 2018/09/23読了

  •  かなり呆れた『双蛇密室』に続く、上木らいちシリーズの新刊が届けられた。何だかんだで気になるこのシリーズ。今回も呆れさせてくれるのか。

     ミステリ界屈指の曲者である早坂吝さんだが、ドローンやAIなど、最新の技術トレンドを取り入れる柔軟性は、特筆すべきだろう。そんな早坂さんであるから、このようなネタの料理はお手の物。どのようなネタかは伏せておく。

     前作の事件でショックを受けた藍川は、警視庁を長期休職し、自分探しの旅に出る。たどり着いたその館は…こんなところであの作品と繋がっていたとは。それはともかく、藍川不在の中、連続殺人事件が世間を騒がせていた。

     ターゲットに予告メールを送りつけた後に、殺害するという犯人のやり口。ところが、そのターゲットの条件というのが…。該当者は限られるため、情報の出所はすぐ判明する。おいおい、そんな不祥事、今どき情報セキュリティ研修の事例にも載っていないだろう。しかし、そこは曲者の早坂吝、これで終わりのわけがない。

     ライバルであるはずの3大キャリアトップの、奇妙な関係。実際のドコモ、ソフトバンク、auのトップは、たぶん仲が悪いだろう。社名こそ実際とは変えているものの、この人のモデルはやっぱりあの人なのかと苦笑してしまう。

     うーん、この勘違いはちょっと苦しいか。動機の面は短絡的だが、大手キャリアの本音も、当たらずといえども遠からずなのだろうか。それはともかく、今回もエロ全開の推理と真相に、ああこれが上木らいちだね、と思ってしまった。

     今でも根強い需要がある、「あれ」。不便が多いかと思えば、その不便さがメリットだという声もある。自分も含めて大多数の、便利さを享受している人たちは、そもそも幸福なのか。よくないとは自覚しつつ、もう引き返せない。

     おかしいな、何だか考えさせられてしまった。そういうシリーズではないのに。

全20件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

早坂 吝(はやさか・やぶさか)
1988年、大阪府生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学推理小説研究会出身。
2014年に『○○○○○○○○殺人事件』で第50回メフィスト賞を受賞し、デビュー。
同作で「ミステリが読みたい! 2015年版」(早川書房)新人賞を受賞。
他の著書に『虹の歯ブラシ 上木(かみき)らいち発散』『RPGスクール』『誰も僕を裁けない』
『探偵AI(アイ)のリアル・ディープラーニング』『メーラーデーモンの戦慄』などがある。




「2019年 『双蛇密室』 で使われていた紹介文から引用しています。」

早坂吝の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×