人口論 (まんが学術文庫)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065133439

作品紹介・あらすじ

食料不足による人類の貧困は必然か。果たして克服できる困難なのかーーー。
飢餓による人類の危機を唱える経済学者。食料の不足を食材の新しい調理法で克服しようとする料理人。看護を科学的に分析し、以前なら落としていたはずの人命を救う看護師。”命”に向き合う三者三様のあり方。そうして貧しいがゆえに強く生きる一人の少年。さまざまなドラマを通して、名著「人口論」の真髄をわかりやすくまんが化。そして今回の主人公は。。。ネズミだチュー!

第一章 マルサス先生「人口の原理」
第二章 孤児オリバー「救貧院」
第三章 料理人ソワイエ「人口の妨げ」
第四章 クリミアの天使「必要は発明の母」


食料不足による人類の貧困は必然か。果たして克服できる困難なのかーーー。飢餓による人類の危機を唱える経済学者。食料の不足を食材の新しい調理法で克服しようとする料理人。看護を科学的に分析し、以前なら落としていたはずの人命を救う看護師。”命”に向き合う三者三様のあり方。そうして貧しいがゆえに強く生きる一人の少年。さまざまなドラマを通して、名著「人口論」の真髄をわかりやすくまんが化。

感想・レビュー・書評

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  • 等差級数的にしか増加しない食糧に対して、等比級数に増加する人口。登場人物のネズミたちには、本国イギリスのお株を奪う痛烈な皮肉が込められている。「人口論」は決して、増え続ける人類を救済する方法論などではない。「人口論」においては、救貧院のような慈善活動や救貧法は明確に否定され、ただただ自然が淘汰するに任せることが最善策であると説かれるのみである。マルサスと同じ時代を生きた人々は、目を背けたくなるような絶望に打ちのめされていたことだろう。現代の価値観では非情に見える「人口論」であるが、本書では「ネズミの国で起こった物語」としてあたかもフィクションであるかのようにサクサクと読み進めることができるため、入門書としてはベストな形と言えるだろう。

  • とても興味深い内容でした。
    今の時代でも、人口と食料の問題はあるので、重要な考え方だと感じました。
    絵も、見ていて楽しい絵でした。

  • バックミンスターフラーの書籍を読み知り得た哲学者
    経済学者。人口と食糧を基軸に人類の悲劇を説きつつその悲劇を回避する思考をわかりやすく解説してくれる漫画◎
    ちょうど今取組準備中のものごとにも十分なアイデアを授けてくれた(^^)
    まず感謝すべきはバックミンスターフラーだが、彼により出会えたマルサスにも大感謝!

  • 人口は等比級数的に増えるが、食糧は等差級数的にしか増えないため、食糧難は免れない。従ってある時点で間引きが必要で、戦争などの悪徳によって定期的に人口が調整される。後半では悪徳に抵い、希望を見出そうとする人間の姿が描かれる。登場人物が擬人化されたネズミなのも見事に痛烈な風刺。

  • ●貧困問題は社会制度では解決できません。なぜなら、すべての人間は「人口の原理」に支配されているから。
    ①食糧は人間が生存するために必要
    ②男女の性欲は必然で、将来も変わらない。
    この前提の上で人類の歴史を観察するど
    人口は等比級数的に増加するけるど、食糧は等差級数的にしか増加しない。
    ●人間は元々怠け者です。もし住む環境が楽園なら、我々は何もせずにずっと未開人のままでいるでしょう。人間を行動させる1番の動機は、快楽の追求ではなく、「苦痛の回避」。飢えや寒さを避けるために、人間は小屋を作り田畑を耕し始めたのです。

  • マルサス 人口論の漫画版。
    苦痛を回避するため、人間は発明して問題を解消していく。
    希望を持って生きていきましょう。

  • いただいた一冊。まあ面白そうだったのでありがたく読ませてもらいました。

    人口論の話なんだけど、不勉強ながら原書は読んだことがないので名言はできないのだけど、なんでナイチンゲールが出てくるんだろう?オリバーの話もソワイエの話も、原書にはないよね。理解しやすいと思ったのだろうか。だったら個人的にはもっとマルサスの人口論を掘り下げてほしかったと思った。

    これを読んだ人は、ぜひFACTFULNESSも合わせて読んでもらいたい。そしたらマルサスの言っていることは必ずしも正しいとは限らない事が分かるから。

    もちろんマルサスは18~19世紀の人なので、現代人と比較するのは間違っていることは認識している。

    それでも、マルサスの説は非常に説得力があり、本当のことなのではないか、と信じさせられる説得力がある。僕もFACTFULNESSを読んでなかったら、無邪気に信じていたかもしれない。

    でも決して未来はそんなに暗いもんでもないし、人口が今までのペースで無尽蔵に増え続けるわけでもない。そしてネズミのように誰しもが無尽蔵に子供を作るわけでもない。だって、先進国では少子化が叫ばれてるのだから。マルサスの理屈で言えば、少子化なんて起こらないはずだからね。

    FACTFULNESSはそのことに気づかせてくれる。ホンマに読んだほうがいいよ。

    じゃあこの本は間違っていて価値がないのか、というとそんなことはもちろんない。これはこれで重要な内容をはらんでいる。格差や極度の貧困が解消されなかったら、人口論で語られている世界が訪れる可能性は十分にある。

    それをちゃんと理解した上で、必ずしも未来は暗くない、でも暗い方向に倒れる可能性はいつでも持っている、ということを認識しておくことは重要だし、この本はそのことを示唆してくれている。

    マンガなので読みやすいがゆえに、表面的なところだけを把握して理解しないままで終わる可能性が非常に高いのだけど、原書を読む、他の本の内容と組み合わせる、などでより価値が出る一冊だと思う。

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    で 漫画本のことを知りました。 これなら読めそうです。
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    ブログ → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1280.html
    NetGalley で 第1章を読みました。続きを読みたい!
    https://www.netgalley.jp/catalog/book/158328
    2019/3/28 本が届きました。 これから読みます。

  • とりあえずネットギャラリーなるもの、初めての利用なので不備があればすいません。

    3冊リクエストした中で唯一の漫画がこちら。実在のトマス・ロバート・マルサスの著作「人口論」を漫画化したものだった。絵も見易く、皮肉なのかネズミを擬人化してあるところなんかは良い。私もマルサスの「人口論」は初めて知ったわけだが、漫画だけあってとてもわかりやすい。弱者を切り捨てないと人口はパンクする。前提としては2つ、第一に食糧(生活資源)が人類の生存に必要であることと、第二に異性間の情欲は必ず存在する。両方ともに本能的な部分なので避けられない。今現在は食糧も遺伝子組み換えなんかがあるので、本当にそうなのかは分からない。もしくは近未来に地球以外の惑星で植民地を作るとかの可能性も否定できない。当時としては画期的で不安を煽る発見だったのだろう。

    なんにせよ1巻のみだったので続きが気になるのだが、買ってまで読もうとは思わない。この手の研究等を志す学生諸君や、もしくはたまたま手に取ってマルサスの存在を知る、といったスタート地点として良いのでは。

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著者プロフィール

トマス・ロバート・マルサス。一七六六年イギリス生まれ。古典派経済学者。ケンブリッジ大学ジーザス・カレッジを卒業後、同カレッジのフェローなどを経て牧師に。九八年に『人口論』初版を匿名で発表。第二版より著者名を明記し、以後、一八二六年の第六版まで改訂を重ねる。〇五年に東インド・カレッジの歴史学および経済学の教授に就任。他の著書に『経済学原理』『価値尺度論』『経済学における諸定義』など。一八三四年、没。

「2019年 『人口論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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