観音さま (講談社学術文庫)

著者 :
  • 講談社
3.50
  • (0)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065137284

作品紹介・あらすじ

その相(すがた)は、仏から菩薩まで三十三変化。苦しみの中で名前を唱えて念じれば、即時に現れ、深い智慧をもって病やすべての厄害から救ってくれる……。古来、インド、中国、東南アジア、日本で救世主として愛され続けてきた<観音さま>。そもそも観音は、いつ、どこで生まれたのか。その御利益は。そして、中国や日本文化に果たした役割はーー。歴史的背景や、様々な観音像を検証、法華教の経典をひもときながら、「観音信仰」の真髄を探る。

『観音のきた道』(1997年刊 講談社現代新書)を改題、文庫化。

はじめに
第一章 観音とは何だろう
慈悲とは何か/観音の相(すがた)/「絶対無」の立場/応現のすばやさ/西田幾多郎の宗教論/観音とは自分自身である
第二章 観音の誕生
観音はどこで生まれたのか/『華厳経』/衆生の恐怖/阿弥陀仏の補処/菩薩の相
第三章 『観音経』の教え
西域の夜空の下で/『法華経』と鳩摩羅什/法華教の構成/法華教はどこで説かれたのか/観音の救済/観音と首飾り/娑婆世界への出現
第四章 観音信仰の歩み
中国相の観音信仰/水難に遭う/悪獣から逃れる/首をすげ替える/夢の中の観音/砂漠の守り神/人の苦しみを救う/観音信仰の歴史的概観
第五章 アジア民衆の中に生きる観音
庶民の中の観音/中国大陸の宗教/娘娘(ニャンニャン)信仰/観音のご利益/東南アジアの仏寺/マラッカの千手観音
第六章 観音、海へ
海と観音/観音の浄土/東アジアの観音霊場/観音示現の地/観音信仰の朝鮮伝播/海に立つ観音
第七章 観音と日本人
観音信仰はいつ伝来したか/「観音化身」の聖徳太子/観音経と観音像の成立―奈良時代/留学僧の役割/六観音信仰/鈴木正三の教え
おわりに
西国霊場三十三所/板東霊場三十三所/秩父霊場三十四所一覧   など

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ひたすら観音観音な内容で観音についての基礎が充実した書籍である

  • 西田幾多郎によれば、現世利益のために宗教にすがるのは、真の宗教心ではないという。一方で日本では、現世利益的性格だけでなく来世的な求苦的性格、国家安寧という護国的な性格も帯び、各地に観音霊場ができるなど、日本文化に影響を及ぼすこと大なるものがあった、という内容。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1927年神奈川県生まれ。駒澤大学仏教学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。
東京大学東洋文化研究所教授、国際仏教学大学院大学教授などを歴任。専攻は中国・朝鮮仏教史。
文学博士。学士院賞受賞。2001年没。主な著書に『般若心経講話』『華厳の思想』『維摩経講話』などがある。


「2020年 『朝鮮仏教史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鎌田茂雄の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×