海と陸をつなぐ進化論 気候変動と微生物がもたらした驚きの共進化 (ブルーバックス)
- 講談社 (2018年12月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065138502
作品紹介・あらすじ
海の微生物が解き明かす「生命史」のミステリーとは? 気鋭の若手学者が大胆に描き出す、体の大小と生殖頻度からみた進化のドラマ!
感想・レビュー・書評
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生物の飛躍的進化はいつ、どこで起こったか?約3390万年前、南極の環境が激変したことを契機に、生存に不利な時期を「休眠」戦略で生き延びた微生物が大繁栄した。やがてクジラやアシカ、ペンギンなど、海洋生物の体構造や種数の進化を促したその生物は、陸上で暮らす馬や植物とも共進化を遂げていた!?地球規模の環境変動から読み解く壮大な生命史!
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◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB27412021 -
図書館
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冒頭で語られた二酸化炭素の吸収についてのリクジョウ銀行とカイチュウ銀行の例えが非常に面白く、期待を持って本文になだれ込めた感じだ.植物プランクトンの珪藻の増減と地球環境の変化が、海洋生物ばかりでなく陸上生物の繁栄/衰退に関与しているという仮説を、様々なデータで補完している.具体的の証拠を精力的に収集しており、上記の仮説が真説になるかどうかは予想できないが、かなり有望だと感じた.プレートテクトニクスで大陸がダイナミックに移動し、それに伴って海水の流れが変化し、湧昇が起こって藻類が増減する.それを餌とする生物が増えてくる.楽しい話だった.
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元々プランクトン等に興味があった訳ではないので、最初の方は読むのに時間がかかったが、後半は面白かった。大陸の移動に伴って何がどう変わり、その結果がプランクトンの数にどう影響し、さらにそれが、、、と展開していく下りは特に興味深く読めた。
著者の研究の苦労を語る部分と、研究の成果を紹介する部分が、もう少し整理されてる方が良いように思うし、ブルーバックスとしては、前者はもしかしたら不要かも。普通の新書向き? -
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表紙がきれいだったので手にとったようなものだが、表紙の図形が植物プランクトンだったとは…という驚きから始まる。
内容は、植物プランクトン(主に珪藻類)に焦点を当て、著者の研究の内容や、発見の物語、そしてプランクトンから始まる進化の仮説といった感じ。
最終章である四章がメインの進化の話となり、他は全てプランクトンの話だったり、著者自身の研究生活の話だったりなので、少しだれてしまう人も少なくないと思う。
個人的には海から陸への進化かと思って楽しみだったが(内容をチラ見もしていないので勘違い)、当然だがほとんどが海に関する話で、陸については遠巻きに見て、一番最後にチラ見する感覚なのでそこだけ悲しかった。