神遊の城 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065140253

作品紹介・あらすじ

応仁の乱末期、若き甲賀忍・望月三郎兵衛は細川京兆家当主暗殺のため京の今出川屋敷に潜入するが、返り討ちに遭い、行動を共にした相思相愛のくノ一・お詮を失って独りで生還する。10年後、足利第九代将軍義尚が、六角家征伐のため2万の軍勢を率いて湖南の鈎に陣を敷いた。三雲新蔵人に名を改めていた三郎兵衛は復仇のため、異父妹のお喬らと鈎の陣に夜襲をかける。奇襲は当初成功したかに見えたが、将軍に深手を負わせるにとどまる。藤林半四郎という手練れの武士に強烈な反撃を受けたためだ。新蔵人は朋輩を逃がすためにお喬の目の前で爆死。異父兄に恋心を抱いていたお喬は、その死を受け入れられず復讐を誓う!

感想・レビュー・書評

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  • 赤神諒『神遊の城』講談社文庫。

    忍者エンタメ歴史小説。

    神遊観という忍術の秘密が後半に明かされる。三雲新蔵人と藤林半四郎という希代の忍術の使い手が混迷極まる物語をさらに複雑にしている。

    応仁の乱末期、若き甲賀忍の望月三郎兵衛は、細川京兆家当主暗殺のため京の今出川屋敷に潜入するが、返り討ちに遭い、行動を共にした相思相愛のくノ一であるお詮を失う。

    10年後、三雲新蔵人に名を改めた三郎兵衛は復仇のため、2万の軍勢を率いる足利第九代将軍義尚の湖南の鈎に陣に異父妹のくノ一のお喬らと夜襲を掛ける。

    夜襲は失敗し、藤林半四郎という手練れの武士に強烈な反撃を受けた新蔵人は朋輩を逃がすため、お喬の目の前で爆死する。

    新蔵人に恋心を抱いていたお喬は、その死を受け入れられず復讐を誓うのだが……

    本体価格780円(古本110円)
    ★★★★

  • いわゆる「分身の術」の分身が意識を持ち始めるという話。そこにそれぞれの「物語」が生まれてくる。
    伏線や人物の設定、話の展開も面白く、違和感なく展開・回収されていく。

    読みながら感じたのは、人は自らの経験や思考パターンなどから、己自信を縛ってしまっているのではないかということ。本作の中で言えば、「過去」や「自分は影だから」という思い。それはそのまま自分自身にも当てはまる。未来はこれから自分次第でどれだけでも変えられるのに。

    前向きに、希望を持って生きていこうと思わせてくれた一冊であった。

  • 足利将軍の遠征軍を甲賀忍者が迎え撃つ。愛と野望と忍術が交錯!〈文庫書下ろし〉

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著者プロフィール

1972年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。私立大学教授、法学博士、弁護士。2017年、「義と愛と」(『大友二階崩れ』に改題)で第9回日経小説大賞を受賞し作家デビュー。同作品は「新人離れしたデビュー作」として大いに話題となった。他の著書に『大友の聖将(ヘラクレス)』『大友落月記』『神遊(しんゆう)の城』『戦神』『妙麟』『計策師 甲駿相三国同盟異聞』『空貝(うつせがい) 村上水軍の神姫』『北前船用心棒 赤穂ノ湊 犬侍見参』『立花三将伝』『太陽の門』などがある。

「2022年 『立花三将伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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