誰かを幸せにするために 大人の流儀8

著者 :
  • 講談社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065141168

作品紹介・あらすじ

今年の秋で、三十三年目を迎える。知らん振りをしてやり過ごすようにはしているが、夏の終りの雨垂れを病院の窓から見ていると記憶は容赦なく背中を叩く。――あの笑顔は、すべて私のためだったのだ。彼女は自分が生きている間は、このダメな男を哀しませまいと決心していたに違いない。人間は誰かをしあわせにするために懸命に生きるのだ。

感想・レビュー・書評

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  • 2018年初版。8作目まで来ました。本来、忖度と周囲の目を気にして生きてきた私が、小さな伊集院静になってきているような気がします。酒とギャンブル、時には喧嘩。そんな著者が好き勝手に自分の考えや世間に対して思うことを吐露している。それが心地よい。お母さんの凛とした姿が素敵です。そして著者の家人に対する想いや愛犬に対する想いに優しさを感じる。無茶な生き様とそんな優しさのギャップが人の心を惹きつけるのかなあ。

  • 「人は誰でも自分のことが可愛い」

    「それでいいのである。それでも生き続ければ、それだけで誰かを救っているのかもしれない。」

    平然と生きる。
    それこそが男なのかな。

  • 三十三年目の秋に…このお話しが心に響く…
    誰かを幸せに生きている人生を歩んで努力してきたか… この気持ちをすぐに忘れてしまいがち… 忘れててもすぐに気がつき自分を楽しく厳しく成長していく努力をしないとな〜

    ぜひ〜

  • 今回もまた良い。今回もお母さんが良いです。素敵。

  • 仙台のワンコの話に毎回心が和みます。
    「己以外の誰か、何かをゆたかにしたいと願うのが大人の生き方ではないか。」「この世で死ぬは易きこと。苦しくとも生きるが自己実現」

  • <女性のイラスト>

    本書第1章終わりのページをめくったとたんに僕の視線はその次のページのイラストに釘付けになった.わぁなんて素敵な女性なんだろうと思った.このイラストを描いたのは誰だろうと思った.作者を探したがこの本には何も書いてはいなかった.なんと不親切な!まあこの本の著者伊集院のプロフなんぞは少し削ってもなんともないのでイラストの作者を明かせ!

    中身は大杉漣さんが亡くなった事を悼んだり阿部ちゃんの会に招かれたことをプチ自慢してみたりと,まあともかく僕に言わせると浮いたり沈んだりの激しいエッセイである.やはりつまみ食い的にちりぢり散々に読んでおけば十分な本なのだろう.m(_~_)m(すまぬw)

  • ”誰かを幸せにするために”とタイトルにあります。
    これは誰かを幸せにするためにどうすればいいのか、ということを書いたものではなく、人は誰かを幸せにするために生きているんだ、ということがいろんなエピソードを通して書かれています。

    私もそうなんだ…と、気づかされ、それにふさわしい自分でありたいと思います。

     伊集院氏の近しい人の死のことも書かれていて、それが少し今の私の状況に似ているので、書かれている言葉がとても心に染みました。

  • あっという間に読める。でも比較的最近の話題を振り返りながら改めて自分なりに考えてみたり。

  • 大人の流儀シリーズ八弾。「亡くなった人の死は生き残った人のためにもある」「その人の死はあなたの幸せを見守ってくれている」「人の死は生きているその人と二度と逢えないだけ」「生きている当人には逢えないがその人は生き残った人の中で生きている」…死生観に共感! 自由奔放,無頼,それでいて繊細。結構無茶言っているが許せるし納得する。

  • 20181122 出たら必ず読んでいるシリーズ。さすがにここのところの内容はトゲが少ない、というか無い。自分にとってたまに厳しい視点からの意見が聞きたくて読み始めた経緯があるだけにどうなのだろう。ただ、つぎが出たら絶対に買うと思う。自分も同じだけ歳をとってる事を忘れないようにしよう。

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著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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