作品紹介・あらすじ
狂気に迫りおおせた作品。――朝井まかて
最後の1ページ、ここまでやるか。――石田衣良
ここまでおぞましい作品に接したのは初めてだ。――伊集院 静
読みながら私も本気でおそろしくなった。――角田光代
情動の底の底にある不安感を刺激される。――花村萬月
選考委員、全員戦慄。
第13回小説現代長編新人賞受賞作。
長野の冬は長く厳しい。スポーツインストラクターの賢二は、一軒のモデルハウスに心を奪われる。「まほうの家」という売り文句がついたその家は、たった1台のエアコンで家中を同じ温度で暖めることができた。寒がりの妻と娘のためにも、真剣に購入を考え始める賢二だったが、実家のことが気にかかる。年老いた母と、引きこもりの兄。二人を古い実家に残し、新しい家を買っていいものか。意を決して母に相談するが、意外にもすんなり納得してくれた。
「いつも監視されているから、隠しておくのも大変なんだ」
わけがわからない兄の言動は気になるものの、賢二は家を建てる決心をする。
1年半後、新居は完成し、新しい家族も生まれた賢二は幸せの絶頂にいた。ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘――。想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など屋外へと波及していき、ついに関係者の一人が怪死を遂げる。
ひたひたと迫り来る悪夢が、賢二たち家族の心を蝕んでいく……。
圧倒的な恐怖で選考委員を驚愕させた、「イヤミス」を超える、世にもおぞましい「オゾミス」誕生!
感想・レビュー・書評
絞り込み
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オカルトじゃないですか。基本的に夜読書をする私は自分の快適睡眠確保の為、一気読み。お陰様で闇に震えることなく安眠する事が出来た。
登場する方々全てが人により狂う様、心の闇がてんこ盛りなこの作品を読んで対人関係に前向きになるはずも無いので感情移入型タイプの方にはオススメできない。
愛しき人を亡くし狂う人間、愛しき身内を守る為狂う人間、狂う人間によって狂う人間(語彙力)
ちょっと風変わりに善意が伝わらず狂ってると思われがちな人間。沢山の「狂」が溢れている。
雰囲気はとても好きでしたが「オゾミス」に期待し過ぎたやもしれない。ラスト1ページで ここの事か... と察したが、ゾッとしたと言うより不快感の方が強かった。不安が動揺と錯乱に繋がる心境は理解出来る反面、その謎が解明されさらに解決しても尚その感情が消えない。そんな身勝手に納得出来る心の広さを私は持ち合わせていなかったようだ。
ー精神を病む病気ーの問題定義
本人の意思と周りの希望の違い。
に、大変興味を持ちましたがこの作品ではサブタイトルな位置付けだ。振り返ってみると子供の頃好んでいた二宮敦人作品を思い出す。エンタメ基質が強いのでティーンエイジャー向けかもしれない。
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2023年に映画化されるんですね、知らなかった^^;
いつも行く有隣堂の目立つ場所に文庫本が山積みされていて、行く度に気になっていた一冊、何気に覗いたブック○フで見つけてしまいました(^^)
途中でとんでもない恐怖を感じ、一度ページを閉じてしまいました(><)
主人公はジムでインストラクターとして働く賢ニ。
結婚し、子供にも恵まれ幸せな家庭を持っています。
そして念願のマイホーム。
次女も生まれまさに幸せの絶頂。
でも本作は家族の心温まる物語ではありません。
愛する家族がありながらも、賢二は不倫をしています。
子供時代、賢二の父親はDV癖があり、両親は離婚。
たった1人の兄弟である兄は統合失調症を患い引きこもり、いつしか賢二は実家にも寄り付かなくなります。
いやいや、不倫のドロドロでもなく、DVのトラウマでも、兄の引きこもりを深掘りするのでもないんです。
そう、タイトルにもあるマイホームが舞台。
心温まる家族と暮らすはずのマイホームに潜む恐ろしき影。
時を同じく次々と賢二に関わる人々が命を落としていきます。
中盤で影が登場した時に私の脳裏に蘇ったのは映画「リング」の鏡に映る女性の姿ヽ( ̄д ̄;)ノ
こりゃ、今夜はお風呂で髪の毛を洗えない...(TT)
って思いながらも結局はお風呂休憩を挟んでの一気読みとなりました。
明かされた真実、何より兄がかっこいい(←死んでしまうので、不謹慎でもありますが)
ただなんだろう...やっぱりラストがちょっと...
確かにある意味で驚愕のラストではあるんですが...
その分、☆4つ。
ここ最近、海外のグロい作品を続けて読んできましたが、日本のホラーは体感温度が下がりますね。
あっ、これミステリー作品でしたね。
オゾミス。
説明
内容紹介
長野の冬は長く厳しい。インストラクターの賢二は、1台のエアコンで家中を暖められる「まほうの家」を購入する。ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘。想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など屋外へと波及し、ついに関係者が怪死を遂げる……。第13回小説現代長編新人賞受賞作。
狂気に迫りおおせた作品。――朝井まかて
最後の1ページ、ここまでやるか。――石田衣良
ここまでおぞましい作品に接したのは初めてだ。――伊集院 静
読みながら私も本気でおそろしくなった。――角田光代
情動の底の底にある不安感を刺激される。――花村萬月
選考委員、全員戦慄。
第13回小説現代長編新人賞受賞作。
長野の冬は長く厳しい。スポーツインストラクターの賢二は、一軒のモデルハウスに心を奪われる。「まほうの家」という売り文句がついたその家は、たった1台のエアコンで家中を同じ温度で暖めることができた。寒がりの妻と娘のためにも、真剣に購入を考え始める賢二だったが、実家のことが気にかかる。年老いた母と、引きこもりの兄。二人を古い実家に残し、新しい家を買っていいものか。意を決して母に相談するが、意外にもすんなり納得してくれた。
「いつも監視されているから、隠しておくのも大変なんだ」
わけがわからない兄の言動は気になるものの、賢二は家を建てる決心をする。
1年半後、新居は完成し、新しい家族も生まれた賢二は幸せの絶頂にいた。ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘――。想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など屋外へと波及していき、ついに関係者の一人が怪死を遂げる。
ひたひたと迫り来る悪夢が、賢二たち家族の心を蝕んでいく……。
圧倒的な恐怖で選考委員を驚愕させた、「イヤミス」を超える、世にもおぞましい「オゾミス」誕生!
内容(「BOOK」データベースより)
長野の冬は長く厳しい。スポーツインストラクターの賢二は、寒がりの妻のため、たった1台のエアコンで家中を暖められる「まほうの家」を購入する。ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘―。想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など屋外へと波及していき、ついに関係者の一人が怪死を遂げる。ひたひたと迫り来る悪夢が、賢二たち家族の心を蝕んでいく…。第13回小説現代長編新人賞受賞作。
著者について
神津 凛子
1979年長野県生まれ。歯科衛生専門学校卒業。現在歯科医院勤務。3年前より小説を書き始め、小説現代長編新人賞は今回で2回目の応募となる。長野県在住。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
神津/凛子
1979年長野県生まれ。歯科衛生専門学校卒業。現在歯科医院勤務。4年前より小説を書き始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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★3.5
長野の冬は長く厳しい。
スポーツインストラクターの賢二は、一軒のモデルハウスに心を奪われる。
「まほうの家」という売り文句がついたその家は、
たった1台のエアコンで家中を同じ温度で暖めることができた。
寒がりの妻と娘のためにも、真剣に購入を考え始める賢二だったが、実家のことが気にかかる。
年老いた母と、引きこもりの兄。二人を古い実家に残し、新しい家を買っていいものか。
意を決して母に相談するが、意外にもすんなり納得してくれた。
「いつも監視されているから、隠しておくのも大変なんだ」
わけがわからない兄の言動は気になるものの、賢二は家を建てる決心をする。
1年半後、新居は完成し、新しい家族も生まれた賢二は幸せの絶頂にいた。
ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。
我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。
赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。
地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘――。
想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など屋外へと波及していき、
ついに関係者の一人が怪死を遂げる。
ひたひたと迫り来る悪夢が、賢二たち家族の心を蝕んでいく……。
小説現代長編新人賞受賞作。
話題の本だから読んでみた。
「イヤミス」を超える、世にもおぞましい「オゾミス」
本当におぞましかった。
犯人は早めにわかっちゃう。
そうなったのは何故なのか…原因もおぞましい。
次は何が起こるのかと、先が気になって読まされましたが、
どこかで過去に読んだ様な展開。
予想される展開が繰り広げられてゆくように感じた。
最後の最後にまた悲鳴をあげる事になった。
極悪のラストだ。
ホラーでもなく、ミステリーでもなく何だろう…。
人間の怖さをじわりじわりと押し付けられている感じ。
怖すぎる。気持ち悪い。
読後感も最悪だぁ。
著者の「ママ」も手元にある…
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怖すぎる、、、(涙)
途中で、これはヤバイこれ以上読むのはやめよう・・・と思ったのだけれど(怖いの嫌い)
途中でやめる方がずっと恐怖が続く気がして
がんばって読みました。
読み終わって辿り着いた所は、怖いんじゃなくて
グロいでした、、、
最後の結末、もうちょっと何とかならんかったのか。
インパクトありすぎの一冊でした。
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閉所恐怖症
サイコパス
胸糞グロ
ラスト1ページやばい
兄せつない ヒーローだったんだな
黒髪ロングのお化け描写はちょっと飽きている
赤ん坊の目ん玉に映る女
p202、203
精神疾患は治療のゴールは完治ではない。
本人が“楽”と思える状態でいい。
なのに、周りの人間が完治させたい、元の本人に戻って欲しい と思うがあまり本人を追い詰めてしまう
というくだり、ハッとさせられた。
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ええっ、もうええっ。ってラスト。
始まりは主人公の身勝手さそのくせ妻を疑い続けるところに腹が立ったが、後半バタバタと色々詰め込まれてきた。
本田さんの過去は壮絶の割にさらりと書かれている。
奥さんがとにかくラストまで可哀想だった
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最後まで気が抜けないホラー・サスペンス。
小さな欲望や過ちが巡った負の連鎖が大きな狂気となり襲いかかる話。自分の罪を忘れて無責任に家族を壊している賢二より、病んでも家族の罪を背負って生きた兄のほうに好感が持てた。弟に嫌われても、それでも家族を守ろうとした兄の聡の最期の姿には涙が出た。それにも関わらず、聡が最期に守った命が奪われた場面は強烈だった。なんの為に彼は亡くなったのか…やるせない気持ちになった。
辛い境遇で育った賢二には同情するが、だからといって不倫をしていいわけがない。父親を殺めていいわけがない。小学生の頃にうさぎを殺した時点で、偏った考えを正すべきだった。
警察に相談するべきだった。
そうすれば、家族を壊すことはなかったのに。
只々、悲しかった。
この本はある意味、一番身近にいる大切な人を大事にする教訓になった。
因みに、ラストページを読んだあとで最初のページを読むと狂気が続いていることがわかる。
そうして、また誰かの心は壊れる。
続く狂気が垣間見える、狂気は戦慄もの。
お好きそうだなと思ったら、
映画館で秋にご覧あれ!
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これは…
師匠からの挑戦状だと勝手に解釈し手に取りました。
言いたいことは沢山ありますが、あまりにもリアルで身バレしてしまいそうなので一言!
しばらくお暇をいただきます(TT)笑
だけど、こんなおぞましいお話の中でも
あ、って気ずかされることがありました。
お兄さんの病気の事で、本人はここまで回復すれば十分幸せだって思ってるのに周りの人達は元のお兄さんに戻るまでか完治だと思ってしまっている事。
自分ではない誰かを尊重するのって本当に難しいなぁと思いました。
誰かを思いやることも大切だけど、誰かを受け入れることも大切で難しいのかもしれないです。
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内容(「BOOK」データベースより)
長野の冬は長く厳しい。スポーツインストラクターの賢二は、寒がりの妻のため、たった1台のエアコンで家中を暖められる「まほうの家」を購入する。ところが、その家に引っ越した直後から奇妙な現象が起こり始める。我が家を凝視したまま動かない友人の子ども。赤ん坊の瞳に映るおそろしい影。地下室で何かに捕まり泣き叫ぶ娘―。想像を絶する恐怖の連鎖は、賢二の不倫相手など屋外へと波及していき、ついに関係者の一人が怪死を遂げる。ひたひたと迫り来る悪夢が、賢二たち家族の心を蝕んでいく…。第13回小説現代長編新人賞受賞作。
読後感がとても悪い。
読んでる間も常に気持ち悪くてゾワゾワする。
時々、誰目線の語りなのかわからなくなったり...
他人が我が家に住んでたら...気持ち悪すぎる...
著者プロフィール
1979年長野県生まれ。2018年に『スイート・マイホーム』で第13回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー。同作は、監督・齊藤工、主演・窪田正孝で2023年実写映画化が決まっている。他の著書に『ママ』がある。
「2023年 『サイレント 黙認』 で使われていた紹介文から引用しています。」
神津凛子の作品