- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065147221
作品紹介・あらすじ
磊落な浪人生の兄と、気立ての優しい中学生の弟。
男の子二人のおかしみに満ちたやりとりを見守る姉は、間もなく嫁いでゆく。
自然に囲まれた丘の上の一軒家に暮らす作家一家の何気ない一瞬に焼き付けられた、はかなく移ろいゆく幸福なひととき--。
著者没後10年。人生の喜び、そしてあわれを透徹したまなざしでとらえた家族小説の傑作、初文庫化。
感想・レビュー・書評
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「絵合せ」の続編的作品。長女の結婚式前後の家族の生活が、いつもの筆致で綴られる。『昭夫と良二』というタイトルが表すように、結婚という一大事よりも、兄弟のふざけ合いやけんか(といっても、いつも弟が一方的にやられるのだが)の話題が目立つ内容になっていて、この辺りにも、日常を描くことへの作者のこだわりが感じられた。
もともと岩波書店の児童書シリーズの1冊とのことで、のちに少年文庫にも入っている。で、小学6年生以上を想定していることもあってか、文芸文庫版『絵合せ』収録の諸作品よりも、読みやすい。とはいえ、この淡々とした作品を当時の小中学生がどう受け止めていたのかを、知りたく思った。小学生の私には、読み通せなかったな、きっと…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
元は岩波少年文庫だったこともあってかさらさら読めました。家族の穏やかな日々の暮らしに、なんとも心がじんわりしてきます。良かったぁ。
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日常の一コマを丁寧に綴る。
明夫と良二という兄弟を中心に、姉の和子、子供達を優しく見守る父母。5人が暮らす井村家。
温かい家族の日常は、いつまででも浸っていたい空気に包まれている。
〝翌日〟を〝あくる日〟と言うのが、なんとも言えずやわらかい。