愚劣 百万石の留守居役(十四) (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065181041

作品紹介・あらすじ

加賀百万石の留守居役・瀬能数馬は岳父の宿老・本多政長から薫陶を受ける。各藩留守居役との駆け引きを描く好評各下ろしシリーズ第十四巻目に突入。
加賀藩邸の不祥事を咎める評定所に臨んだ百万石の筆頭宿老・本多政長。神君家康の懐刀と言われた本多正信の血筋の登場に評定所の面々は圧倒され、本多の仇敵である老中大久保忠朝は目を剥いた。数馬も義父、政長を援護するため、江戸城を駆け巡る。政長は陪臣の矜持を保ちつつ将軍綱吉との謁見を何とか乗り切る。将軍と政長との間で交わされた話の内容がいっこうに漏れてこない。それを探る各藩留守居役との交渉をめぐり、数馬の周囲は騒然としてくる。なおも江戸に留まる政長に随伴した数馬は、本多家と吉原の累代からの関わりに驚嘆する。宿老不在の加賀でも、あらたな難題が。急遽たずねてきた越前松平家の重鎮が、予想をはるかに超える要求をつきつけてきた!

感想・レビュー・書評

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  • 愚劣 ー 百万石の留守居役シリーズの14作目。
    2019.12発行。字の大きさは…小。

    加賀前田家・筆頭宿老の本多安房政長は、5代将軍綱吉の命で江戸へ出府して来た。
    評定所での弁明と将軍綱吉への目通りを終え、ゆっくり江戸見物をしている。
    各藩は、本多政長がなぜ江戸へ出て来たか、綱吉とどのような話をしたか知りたがり、加賀藩の江戸留守居役はその対応に追われる。

    国元・金沢では隣国・越前松平家の次席家老・結城外記が、本多政長の留守に藩主・前田綱紀に面会を求めて来ている。
    その対応に、本多家嫡男の本多主殿政敏が対するが、ぼんくらの部屋住みを演じる。
    結城外記は、前田綱紀に面会できるのか…、その狙いは…。
    越前松平家・留守居役の須郷が吉原を訪れた本多政長と瀬能数馬たちを吉原の者達を使い襲わせる…。
    この結果、瀬能数馬は吉原で大きな力を得る…。

    次回は、どのような展開になるか楽しみである。
    仮祝言を挙げた琴が、少ししか出なかったのはガッカリ。早く琴が数馬と江戸で暮らせるように…。
    前回から主役が瀬能数馬から本多政長に変わった、これでいいのか…。

  • シリーズ第十四弾。

    加賀藩宿老・本多政長が江戸に留まっている件で、その思惑を巡って周りがザワザワ。
    当の本多翁は悠々と数馬と共に江戸を巡っております。数馬もこの機会にしっかり色々と吸収してほしいですね。
    一方、金沢では越前松平家の重鎮が藩主の無理難題をゴリ押しにやってきて、本多政長の嫡男・主殿さんの手腕が問われるところです。
    そして越前松平家の留守居役の逆恨みにより、吉原で襲撃を受けた数馬達は、それをこてんぱんに返り討ちすることで、吉原への“貸し”をゲットします。かなり大きなその“特典“を数馬が今後有効に使う事ができるのか、次巻以降の展開が楽しみです。

  • 裏の企みがいくつもあって、大変だわ。

  • 上田秀人先生のロジカル時代小説
    みんな大好き陰謀実践論
    成長期の瀬能を老練な陰謀家達が
    事細かに言葉・行動・貸し借りの
    意味を詳細に書く
    日常常識で当然の事と見るか陰謀
    と見るかは生まれ育ち方によるね

  • 面白いですね。えっ、ここで終わりって感じで、半年後の続編が凄く気になります。本田政長良いです。次の打ち手が楽しみ。一方、主役の数馬はもう少し成長して欲しいなぁ。

  • 江戸に留まる本多政長に随伴した数馬は吉原の秘史に触れ驚愕する。〈文庫書下ろし〉

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著者プロフィール

上田秀人
一九五九年大阪府生まれ。大阪歯科大学卒。九七年小説CLUB新人賞佳作。二〇〇一年作家デビュー。歴史・時代小説を中心に活躍。主な文庫シリーズに「闕所物奉行 裏帳合」(中公文庫)、「禁裏付雅帳」(徳間文庫)、「聡四郎巡検譚」「惣目付臨検仕る」(光文社文庫)、「奥右筆秘帳」(講談社文庫)、「町奉行内与力奮闘記」(幻冬舎時代小説文庫)、「表御番医師診療禄」「高家表裏譚」(角川文庫)、「日雇い浪人生活録」(ハルキ文庫)、「辻番奮闘記」(集英社文庫)、「勘定侍 柳生真剣勝負」(小学館文庫)など。一〇年『孤闘 立花宗茂』(中央公論新社)で第十六回中山義秀文学賞を受賞。二二年「百万石の留守居役」
シリーズ(講談社文庫)で第七回吉川英治文庫賞を受賞。『翻弄 盛親と秀忠』(中公文庫)など著書多数。

「2023年 『夢幻(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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