地球は特別な惑星か? 地球外生命に迫る系外惑星の科学 (ブルーバックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065187333

作品紹介・あらすじ

地球のほかにも、生命を宿す惑星はあるのだろうか?
そのような惑星をどうやって探せばいいのだろうか?
理論と観測の両面から、系外惑星と地球外生命の探査の最前線を解説する!

地球外生命を探す場所として真っ先に思い浮かべるのは、火星や土星の衛星ではないだろうか――いずれも地球と同じ太陽系内の天体だ。しかし、宇宙には生命を探すべき天体がもっとたくさん存在する。

1995年、初めて太陽系外の惑星が発見された(その偉業を成し遂げたマイヨール博士とケロー博士は、2019年にノーベル物理学賞を受賞)。それは、地球から約50光年離れたペガスス座51番星のまわりをたった4日で公転する巨大なガス惑星だった。その後、世界中の天文学者が太陽系外の惑星(系外惑星)を探し、発見を報告してきた。その数は4000個を超えている。

最初の1個だけでなく、これまでに見つかった系外惑星の多くが、太陽系のどの惑星とも似ていない。不思議な軌道で公転する惑星がたくさん見つかっている。とすると、太陽系は特別な存在なのだろうか? また、どのような軌道を回る惑星であれば生命を育めるだろうか?

一部の系外惑星については、軌道だけでなく大気組成までも観測できるようになっている。そして、系外惑星の大気に生命活動の兆候を見つけようとする挑戦もはじまりつつある。「第二の地球」の発見は近い!

目次:
第 I 部 系外惑星探査小史――太陽系の理解から第二の地球の可能性まで
第1章 私たちのふるさと――天の川銀河、太陽系第三惑星、地球
第2章 最初の系外惑星が見つかるまで――挑戦、失敗、常識はずれの惑星
第3章 ケプラー計画がもたらした革命――画期的なアイデア、試練、膨大な発見
第 II 部 系外惑星探査の現在――探し方の進化と見えてきた世界
第4章 系外惑星の探し方――あの星に惑星はあるか?
第5章 系外惑星の多様性――事実はSFより奇なり
第6章 系外惑星が教えてくれたこと――太陽系は特別か? 地球は特別か?
第 III 部 第二の地球、発見前夜――ハビタブルプラネット探査とアストロバイオロジー
第7章 さらなる探査へ――第二の地球は見つかるか?
第8章 あの惑星はどんな世界なんだろう?――系外惑星大気の調べ方
第9章 系外惑星とアストロバイオロジー――宇宙に生命の兆候を探す

感想・レビュー・書評

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  • 2021-05-05 amazon 1210- p50%

  • ハビタブルプラネットは宇宙において普遍的な存在。

  • 9年前と比べて、系外惑星探査のフロンティアは広がっており、2020年代、30年代、40年代と着実に観測の計画が立っていること、そこに生命の存在、痕跡を探すミッションも含まれていることにわくわくしながら、読み進めた。とにかく最新の情報が漏れなく盛り込まれている印象で、大変、参考になる著作であった。

  • ☆━━…‥・企画展示・‥…━━☆
        宇宙(そら)をよむ
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    太陽系の外に存在する「系外惑星」を軸に、その特徴や探査方法を通じて、地球外生命体の有無について論じる系外惑星科学の入門書。

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  • 445-N
    閲覧新書

  • あくまでも地球の生命を基軸に議論が展開されており、全く異なる姿形をした生命については議論が発散しないよう触れられていない。
    地球に似た惑星の探査方法、パピダブルプラネットの定義、アストロバイオロジー、誰もがワクワクするであろう話が非常にわかりやすくまとまっている。

  • G445/ナ/20 棚:宇宙

  • 請求記号 445/N 52/2128

  • 続けてブルーバックス。もう地球は特別な存在とは言えない。同じような惑星が次々と見つかっている。しかし観測技術の進歩はすごい。ふつうに書かれているけれど、肉眼で見てあれくらいの明るさの星が、何日かの周期で、1%にも満たないくらいで明るさを変化させる。それを大型の天体望遠鏡だったり、宇宙空間にある天体望遠鏡を使ったりして観測し、惑星があると認識する。無数にある星とはいえ、この広い空で何を目当てに、どの星を観測するというのか。分かりやすく書かれているから、(それでもやっと)半分くらいはどういう原理で惑星を見つけるのかがわかったような気がするが、どうしてそんなことができるのかはさっぱり分からない。そしてアストロバイオロジー。何をもって生命と呼ぶのか。その定義の仕方で、ずいぶんと結果は変わってくるのだろう。しかし、地球にだけ生命が誕生したなんていうことは言えるはずもない。さて、地球外知的生命体が、地球との間に何らか交信しようとする、そしてそれを地球人が受けとめる可能性はいかほどか。いやあ、とにかくおもしろい。

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著者プロフィール

1981年、千葉県生まれ。2008年、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。博士(理学)。日本学術振興会特別研究員、国立天文台研究員、東京大学大学院理学系研究科天文学専攻助教などを経て、2019年よりアストロバイオロジーセンター特任准教授。科学技術振興機構さきがけ研究者(兼任)。未知の惑星の探索や、系外惑星の性質についての観測、系外惑星を観測するための装置の開発に従事。日本惑星科学会最優秀研究者賞、日本天文学会研究奨励賞・同欧文研究報告論文賞、井上科学振興財団井上リサーチアウォード、科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞などを受賞。

「2020年 『地球は特別な惑星か? 地球外生命に迫る系外惑星の科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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