ダマシ×ダマシ SWINDLER (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065187920

作品紹介・あらすじ

偽りの時間でも、まちがいなく良い思い出なのだ。

結婚をしたはずの男がいない。婚姻届は出されておらず預金も消えていたが、とにかく、もう一度会いたい――。依頼を受けた小川令子は男が結婚詐欺の常習犯だと突き止めるが、事件は殺人に発展する。一方、小川の事務所の謎めいた所長・椙田は、ある大きな決断を。

ひとつの終わり、そして始まり。Xシリーズ完結!

みんないろいろな、過去がある。

感想・レビュー・書評

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  • Xシリーズ完結。

    とっても読みやすくサラッと読み終えたけどモヤモヤが凄い。
    このシリーズは絶対にまとめ読みがよろしいかと。小さな伏線などは正直忘れてしまっていて残念。きっと感想を書いていいほど深く読み込めてないな。

  • 少しウェットな感じで、xが締めくくられる。

  • Xシリーズ完結編。
    椙田から少し明かされる事情、真鍋のその後と永田さん、他シリーズからのキャラクターが登場し、完結編にふさわしい。
    事件自体は派手さはないのだけど、小川さんの自己認識の進展やその後の物語が、今回の肝。
    残念ながらネタバレを見たあとに読んでしまったのだけど、初読だったら絶対気づかずに読んで、ラストにウワーとなっていたはず。
    小川さんと彼の話も短編集「レタスフライ」に登場してるらしいが、全然覚えてない。
    あのときは刀ノ津診療所の話で十分泡を食っていたから…笑。

    もう真鍋と小川さんの掛け合いが見られないかと思うとかなり寂しい。
    シリーズ唯一?の東京を舞台にした本シリーズは、アッサリしていて大人向けで、そこが好きだったなと思う。
    小川さん、同年代だし、明るい諦めの境地におおいに共感できる。
    応援したいキャラ。ぜひ再登場してほしい。

    私が数年間放置していた森博嗣、今回の本で大体追いついたようだ。
    ここまで、SM、V、四季、ギリシャ文字、Xを読んできた。
    SF臭の強いシリーズは苦手なんだけど、百年、スカイクロラ、Wあたりに手を出すときが来たのかもしれない。

  • 自分が上村さんの立場だったらどうかなぁ。
    まさか自分がって思うけど、詐欺って実際にあるんだと考えると恐ろしい。

    シリーズ1作も読んだことないのに、完結篇に手をつけてしまった。
    主人公まわりの人間関係がいまいちよくわからなかったのは、おそらくそのせい。

  • 再読。Xシリーズ第六弾にして最終巻。一つの終わりと新たな始まりの予感、あるいは小川令子の解放の物語。再読なので犯人などの諸々は覚えていた。今考えてみるとこのシリーズはわりと真っ当にミステリしていた気がするなぁ、突飛さはあまりないけれど堅実な物語たちだった印象。Gシリーズを再読してからこちらに取り掛かったので痛感したが、上村さんはきっと詐欺師の男に彼の面影を見ていたんだろうなぁ…。そう考えると本当に彼女には幸せになってほしい。

  • うわぁーそうくるか!!
    ファンサービスに感謝です!!
    小川さんも真鍋くんも永田さんも上村さんもみんな幸せになれますように。

  • p93
    「弱音は駄目。それじゃあ、見た目は大人、頭脳は子供じゃない」
    「子供って、弱音吐く?」

    p122
    「絶対に駄目。来ても、ドア開けないから」
    「そうですか……。つまり、家にはいるんですね」

    p234
     たとえば、愛する人の笑顔を一度見ただけで、一日仕事で頑張れる。数秒間の笑顔が、大きな仕事を導くことになるのだ。でも、それは、笑顔を見せた人の能力ではない。仕事をする人間がもともと持っていた能力だろう。


    2017年刊行。他作品と比較すると、現代を舞台にしたXシリーズ最終作。
    Gシリーズのメンバーのサプライズ登場もあり。

    椙田、小川、真鍋はX,Y,Zのジェネレーションのアイコンとしても部分的に描かれていたのかなぁ、と想像。
    成熟しきった中年男性、年は重ねてもどこか未熟なアラサー、基本フラフラフワフワしている若者(食べることが大好き)。
    危険に身を置くこと、誰かに仕えること、自分で考えるのが苦手なこと(そのうえ失敗することを誰よりも嫌う)。
    世代を経るごとに、どんどんデジタルネイティブになっていく。真空管スピーカーを好む小川の趣味はオールドで愛おしい。それを繋ぐのが亡くなったパートナー。

    椙田のハラスメント気味な質問も小川との関係性を象徴しているように感じます。ズレと慣れ、許容と歩み寄り。シリーズを通して読めば、二人の関係に口出しする人はいないはず、と思いたい。
    レトロをテーマにしていたはずで、根底にはノスタルジック(真空管、故人への想い)でメランコリック(未成熟さ)が醸されていたように思えます。そのうえでジェネレーションやジェンダー、仕事観的なものがサブテーマ的に浮かんでくるのが面白かったです。
    大好きなシリーズになりました。

  • 自分が学生の頃はS&Mシリーズ時の萌絵みたいな人に憧れていたけど、社会人になった今は小川さんに憧れる。憧れというか、友達になりたい。

    真鍋くんが小川さんをこの仕事に向いてると思ってたことが意外だったし、やろうと思えばすぐ決断できるタイプだった、ということも意外だった。

    多くが語られない分、まだまだ知りたい部分がたくさんあって、また数年後の元椙田事務所の人たちを知りたいなと思った。
    シリーズとしては完結ということで、けっこう寂しい。

  • 3.5
    Xシリーズ6弾にして最終巻。再生と出発。結婚詐欺の依頼をメインにして話が進む。椙田と小川の出会いが描かれ、小川の前職の社長から、小川を頼むという言われたことを明かす。小川は、事務所を継ぐことに。真鍋と永田は結婚することに。椙田は高飛び。レタスフライのエピソード。午前がAM、午後がPM、背中合わせなので、AMP=アンプということらしい。分解すると、R.O.が彫ったリング。依頼人の上村恵子が一緒に働くことに。訪ねてきた萌絵と抱き合う。本名はメグミ。加部谷恵美らしい。おお。
    依頼人の上村恵子は、27歳で静岡で小学校の教員をやっていたが、半年前に出張で東京にやってきたときに、鳥坂大介と知り合い結婚の流れになったらしい。その間の加部谷の話が気になるところ。χの悲劇では、海月が登場するが、離れてしまったよう。

  • 面白かった。
    これで終わってしまうと思うと、もったいなくて一気に読めずに時間がかかってしまった。
    途中で犯人がわかってしまうこともなく、楽しく読めたかな(上村さんが次のバイトだなとは気づいちゃったけど)、、、。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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