- Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065190166
感想・レビュー・書評
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日々、組織の不条理や矛盾に悩むビジネスパーソンたちへのささやかな応援ソング的な物語だ。
途中なんとなく展開が見通せる箇所もあったが最後の最後の逆転劇の展開は流石に予想してなかった。痛快の一言。
南田課長代理の言、「銀行ってのはな、知ってしまったら責任が生まれる商売なんだよ。だから、知らないほうがいいこともある。」 銀行員じゃないけど、わかるわ~。
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相変わらず面白い。前回前々回は少し扱うネタの規模が大きかったけど、今回は支店時代の話で、地域に密着してる分、半沢とお客さんとのやり取りがより温かみのある感じがして良かった。また続きを読みたい。
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久しぶりにのめり込んで読めた。
M&Aを推し進めようとする本部と、取引先の意向にしっかり耳を傾ける現場主義の支店。銀行内部の事情と社会の事情。
片方を良くすることが、必ずしももう片方を良くすることにはつながらないジレンマ。
池井戸さんらしく、絵画にまつわるミステリー要素を織り込みつつ、半沢の骨のある勧善懲悪のスタンスが爽快だった。
全ての社会人、組織人に読んでもらいたい一冊。 -
「人事が怖くてサラリーマンは務まらない」まさに半沢、これぞ半沢。爽快なストーリーに一気読みしてしまった。ドラマ然り、この本然り、同じサラリーマンとして大事なものを教えてもらっている気がする。
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半沢(ドラマ)に関しては、僕も間違いなく毎週楽しみにしていたわけで、今回のアルルカンも比較的すぐに読み切りました。(当然もっと早い人もいるんだろうけど)
僕は2012年ぐらいから池井戸小説はいくつかよんでいたことがブクログの履歴から確認されたのですが、半沢シリーズは、はじめに読んだのが「ロスジェネの逆襲」(いわゆる3作目)だったようでした。
先日まで放映していた、半沢(ドラマ)に関しては、後半は対立していた人々をどんどん巻き込んで半沢をバックアップしていく形が胸のすく感じでしたが、こちらのアルルカンに関しては(もちろん証拠を押さえて突き詰めていくシーンはありますが)当初のイヤな奴を味方にしていくシーンはなかった印象。
物語としては、半沢シリーズ第一作の「オレたちバブル入行組」の時代の大阪西支店の融資課長時代(第一作よりも前)の記述となっている。 少し驚いたのは、半沢と花ちゃんの間に「隆博」という小学生のお子さんがいること。テレビではここまで一度もなかったよね。(だからどうということはないのですが)
いつもどおりの対決のシーンも複数回ありますよ。 やっぱり、花言葉は「誠実」ではないけど、真正面からどこまでもまっすぐに生き抜く半沢には勇気をもらえますよね。
改めまして1~4までの小説も買って読み返してみたいと思う。(ちなみに銀翼のイカロスはブクログにも登録なかった:確か雑誌で読み切っただけか)
ビジネス書でないので抜粋は少なめ
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P294 「半沢課長は、ぜったいにお前のことは守るからだ。それだけはオレが保証する。組織の歪んだ論理のために、部下を傷つけたりは絶対にしない。あの人はそういう人だ」
「敵も多いが味方も多い―。 半沢課長のことを本部にいる奴がそういってました」
本多がいった。 「だけど、味方は圧倒的なシンパばかりなんだそうです」
P301 「誰もいえないことをお前がいい、誰も出来ないことをお前がやってくれる。それにオレたち同期がどれだけ励まされているかわかっているのか。お前がいてくれるからこそ、オレたちはこの組織に希望を持っていられるんだ」
「そこまで高く買ってくれてたとは驚きだ」
半沢はにこりともせずいい、まっすぐ前を見据えた。
「だが、自浄作用がなくなったら、組織は終わりだ。 今回試されているのはオレじゃない。この東京中央銀行という組織そのものなんだよ」
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壮大さは無い、バンカーとはこういう人なのかも、私には分からない。
しかし2人の絵描きとそれを取り巻く人々の物語は圧巻。原田マハの楽園のカンヴァスを思い出した。 -
Amazonオーディブルで聴いた。
半沢直樹5作目、時系列としては1作目より前?
私の好みとしては、
3作目(ロスジェネの逆襲)>4作目(銀翼のイカロス)>5作目(アルルカンと道化師)>2作目(オレたち花のバブル組)>1作目(オレたちバブル入行組)
今は般若心経の解説を聴いてる(脈絡がない)。
次は池井戸潤の「不祥事」を聴くかのう。 -
すべての銀行員の役員がそのような考えを持つものと錯覚してしまうストーリーだが、どの世界にも業績第一ということが使命になってしまうこともあるかと思う。 しかし、人を騙して儲けるという昔からある物語を現代風に表現した作品は読んでいて気持ちが良い! 新年やる気をもらえますね〜
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半沢直樹シリーズはこれが初めて。前作を読んでいると何かと分かりやすいのだろうが、初めてでも十分楽しめた。ドラマもじっくり見たことはないのだが役者の顔は浮かんでくる。
本作は謎解きの印象が強い。破産間近となった美術出版社の地下に描かれた絵は、一体誰が描いたのか…。推理小説と違い、だいたいの予想はつく。それ以上に、人間関係に切り込んでいく半沢の行動に興味をそそられる。お節介の風潮が薄れていく現在、自分を盾にして闘う姿はまさにヒーローそのものだ。これを機にシリーズを通して読んでみたいと思った次第。