江戸前エルフ(3) (マガジンエッジKC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 64
感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065207710

作品紹介・あらすじ

東京都中央区月島。江戸時代より400年以上の歴史を刻む『高耳神社』。祀られたるそのご神体は、異世界から徳川家康に召喚され、すっかりひきこもったエルフのエルダでした。ネット通販のおとりよせスイーツに歓喜したり、昔ながらの遊びに興じたり、氏子の皆様に甘やかされたり、麗耳様と呼ばれる雅なエルフが遊びにきたり。江戸時代より東京をずっと見守り続ける女神は、変わらぬ明日の平和を祈っています。

感想・レビュー・書評

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  • ふたりを横目に見守って、見守られるエルフもこれで三人目(?)

    神様エルフ「エルダ」とお世話巫女「小糸」の日常は相も変わらず楽しくて。
    三巻となれば、真に日常的なエピソードを深める頃合いということで、いっそう安定してまいりました『江戸前エルフ』三巻のレビューをお送りします。

    主役ふたりがいれば最低限話が成立する部分もあるのですが、今回は小糸の妹で輪にかけてしっかり者の「小柚子」が等身大の小学生らしいところを見せてくれたりと見逃せないエピソードもしっかり込みです。
    今の下町に紐づきつつ、自室で完結します江戸からの追憶とサブカルの物語も地歩は固まりました。
    東京、月島の外には出でずとも、ちょっとした冒険と挑戦の日常と参りましょう。

    ところで小柚子のエピソードなのですが、過ぎ去りゆく時間に思いを馳せる「かわらずのエルフ」の横顔はもちろん。それだけに留まらず一喜一憂で今を過ごす姉妹の表情が生き生きとしていて素敵だったと言わせてください。
    寄り添う時は後ろ姿、それを見守る年長者の横顔という演出は実に心憎い。

    最新の遊びをきっかけに古い遊び――江戸の風俗の講釈を加えながら今を楽しむ姿勢は崩さないこの漫画ですが、ここで取り上げられたのが江戸時代から今も現役の「シャボン玉」というのはなかなかに示唆が聞いていて嬉しいですね。温故知新と言っても変わらないものはある。

    弾けて消えるシャボン玉、だけどあれから人々は今も皆が知る遊びとして吹き続けている、そういうことですね。

    それからこの巻で外せないポイントとしてさらにもう一点。「東京都月島」からはじまるお馴染みのナレーションを駆使することで、「エルダ」&「小糸」のいつもの一日を紹介するという、そんな話がやってきます。
    ここまで読んできた読者に一層理解を深めてもらうエピソードなわけですが、行動とナレーションのブレやら一致やらでその都度オチが作ってくる手法が一々巧みでした。

    普段は、ひとつの話を三つの幕合に分けた構成を通しにしただけあって、なかなかの破壊力でした。
    エルダの場合は外見と行動とナレ―ションのギャップから、だんだんズッコケっぷりが納得を生む手法。
    小糸の場合は一見しっかりした外見とは打って変わって内心で考えてることが等身大で子供っぽさも混じる。

    よって行動のズレ、ギャップがわかっていても意外性を生む手法が冴えることでふたりの差別化が実に面白い。
    同じ一日なので時間帯によってはリンクも生まれたり、などと対の話だからこその仕掛けも良かったですね。

    そしてこの三巻における三番目のセールスポイント! 東京大阪とくれば中間地点はどこなのかなと思った読者にお答えしましょう。次なるエルフは金沢のハイソでセレブなお姉さん「ハイラ(以下略)」さんなのです。

    外見はパーフェクトなのに何もかも隙だらけ、けど現代のサブカル文化にはとにかく強いエルダさん。
    外見も物腰も完璧なのに、ギャンブル狂ってだけで残念美人を演出するハイラさん。
    人に歴史あり、エルフにも歴史あり。エルフ同士の横のつながりがあるわけで、エルフには巫女のお付きもいるわけで、正反対のようで似た者同士なところもある彼女たちの動向が気になる……というところで三巻は引きです。

    徳川家康に召喚された東京のエルフ、豊臣秀吉に召喚された大阪のエルフ、と来れば二度あることは三度ある。
    けれど三度続けば偶然は必然に変わる。
    てなもので、この分だと日本全国各地の古き良き風俗文化の紹介とご当地神様エルフが紐づいて話が広がっていくのかもしれませんが、その辺は四巻に乞うご期待といったところでしょうか。

    日常を描きつつ、少し違った視点も当て、そして予測は出来ても予想外の新展開。
    まさに一巻二巻で私なりに思ったことを上回る展開力でした。長命者の憂鬱に重きを置いた今までとは違ってカラッとして、明確な続きを意識した〆だったのでその辺りからも四巻以降の流れに注目したいですね。

  • ■書名

    書名:江戸前エルフ(3)
    著者:樋口 彰彦 (著)

    ■概要

    東京都中央区月島。江戸時代より400年以上の歴史を刻む『高耳神社』。
    祀られたるそのご神体は、異世界から徳川家康に召喚され、すっかり
    ひきこもったエルフのエルダでした。ネット通販のおとりよせスイーツに
    歓喜したり、昔ながらの遊びに興じたり、氏子の皆様に甘やかされたり、
    麗耳様と呼ばれる雅なエルフが遊びにきたり。江戸時代より東京をずっと
    見守り続ける女神は、変わらぬ明日の平和を祈っています。
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    ご神体のエルフが繰り広げるコメディ漫画の3巻です。
    本作も相変わらずネットで買い物したり、おいしいものを食べたり、と現在の
    日常を満喫しています。

    また、最後の方では、新しいエルフも登場し、新しい展開になりそうです。
    と言っても日常コメディ漫画なので、大きな変化はなく人間物語が繰り広げられて
    いくと思います。

    本作でも江戸時代のうんちくは健在です。
    この漫画のウリはここでもあるので、豆知識として楽しめます。

  • 家康、秀吉の次は利家❗️
    信長とか政宗とか元就とかも出てくるかなぁ

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