保健室経由、かねやま本館。3

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 255
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065207949

作品紹介・あらすじ

※このシリーズは1巻完結型です。基本的には、どの巻から読んでも楽しめます。

〇下記にひとつでもあてはまる子は、必読!
□ 「かねやま本館」の秘密が知りたい
□ 人の目が気になってしまうことがある
□ 「優しいね」って、よく言われる
□ 「自分」を好きになりたい
□ 友達というよりは、親友がほしい
□ 学校生活で、悩みがある
□ 湯治場(トージバ)って、なに?
□ 温泉が、好き!

〇あらすじ
――保健室の地下に、湯治場があった!?
第60回講談社児童文学新人賞受賞作『保健室経由、かねやま本館。』のシリーズ第三巻目!

●著者紹介
松素めぐり
1985年生まれ。東京都出身(東京都在住)。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。
『保健室経由、かねやま本館。』で第60回講談社児童文学新人賞受賞。

●主な内容
不思議な住民が営む、不思議な湯治場「かねやま本館」。とうとう、その秘密が明らかにーー!!

おっとりしており周りから舐められがちなムギは、うっかり「かねやま本館」の規則を破ってしまう。
ムギは少しずつ零れ落ちていくかねやま本館の記憶をたぐりよせるように、
「かねやま本館とはなんだったのか」「小夜子さんとは何者なのか」に迫っていく。

銀山先生って何者? かねやま本館って何? 温泉には効能が? 
「疲れたら、休んでもいいんだ」
かねやま本館で出会う子どもたちとの交流や、温泉での休憩を通し、自分自身の悩みに向き合っていく、心温まる物語。シリーズ第三巻

感想・レビュー・書評

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  • 今回も行ってきた。かねやま本館へ。そして"分館"にも……。

    悩める中3男子と女子の話。
    不思議な湯治場で出会う。
    ここって何だろうね?と冒険もする。
    湯治場の2つの規則を、一人が破ってしまう。
    破るとどうなるのか……
    その先は………………(内緒)

    今回の“温泉の効能”は、「還る」「思慕」「完遂」。
    その日のその人の心に合った“お湯”に導かれる。
    そしてその自分に向き合っていく。

    「錆びていいんです。かっこよくなくても、笑顔でなくても、そのままのあなたでいいんですよ」という言葉に励まされた思い。

    今回、この不思議な湯治場、かねやま本館の謎が明らかになる。
    何となく予感はしていたが、明らかにされると物語が終わってしまうので、うやむやにしてほしくもある。
    シリーズ4が出たそうなので、楽しみにしよう。

  • 3作目、最高傑作なのでは?


    ついにかねやま分館が現れたシリーズ3作目。
    正直いって、キヨや小夜子さんの事実はそんなに驚きはなかったけど、登場人物たちの気持ちに寄り添って物語を進んできた読者に、最高の答えを示してくれたようにおもう。

    なによりチトの伏線回収よ!
    大終盤!エモすぎて悲鳴あげた

  • シリーズ3作目。
    性格が真逆ともいえるムギとナリタクが、同時期にかねやま本館に通うことに。
    本当の自分に気付いていく様子や、少しずつかねやま本館の秘密が明かされていくのにワクワクして、一気に読了。
    エピローグも素敵で、満足感いっぱい。
    児童書というくくりにしておくのはもったいないので、大人にも読んで欲しい。

  • このシリーズほんとに大好きだ。読んだ後どうしようもなく胸がギュッとなる。
    周りを気にして言いたいことが言えないムギと、イケてる自分でいようと努力するナリタク。合わなそうな二人が毎回同じお湯に呼ばれるのはきっと似ている二人だから。
    ムギは規則を破ってしまうけど、前回とは違うパターン。正直最後は二人にはやく再会してほしい!って思ってしまったけど、「焦るな」ってことなのかな。書かれてはいなかったけれど、約束が果たされてたらいいな。

  • 今回は二人の主人公という設定でしたが
    人間は一人ひとり思うことも感じることも違うということを、とても分かりやすく言葉にされていて、読み終わったあとすぐに我が子に勧めたほどでした。

    いよいよ、かねやま本館の謎も解き明かされて行きますが、不思議なことに
    謎が解けても、もう一度読みたいなぁ、他の物語も読みたいなぁと思わせてくれました。

    それは私自身が主人公たちと同じように、かねやま本館に行った気分になり、そこにいる人や空間が好きになったからだと思います。

    謎が解けても読み続けたいお話、最高です。

  • かねやま本館シリーズ3作目。
    今回、温泉に招待されたのは、父と衝突し家を出た姉を見てだれにもNOと言えなくなったムギと、帰国子女でイケメン仮面が外せなくなったナリタク。

    ボーイ・ミーツ・ガールの花咲くお話でした。

    “錆びる”ことの意味がよかった。

    銀山先生と小夜子さん、キヨと本館の秘密にも迫ります。

    続刊希望!

  • 今回は地味な女子とイケメン男子がかねやま本館で癒されます。
    かねやま本館の秘密はいろいろ明らかになるけど、ここでしかない出会いというテーマはおもしろいので、シリーズをもっと読んでみたいです。

  • 思ったことがはっきり言えず、友だちとの関係に悩んでいるムギ
    倉庫の裏に見つけた「第二保健室」のドアを開けると……

    「イケてる」キャラをつくり細心の注意を払って人気者を演じているナリタク
    「第二保健室」のプレートがかかった男子更衣室のドアノブを回すと……

    「第二保健室」
    そこは休息が必要な中学生だけが招かれる地下の不思議な湯治場「かねやま本館」への入口

    黄色いおだやかな灯りのこぼれるかやぶき屋根のレトロな平屋建て
    迎てくれるのは、輝くように美しい女将の小夜子さんとおじさんくさいチビの男の子キヨ

    「かねやま本館」に通ううちに現実世界の生きづらさを理解しあい気持ちが通いあうムギとナリタクだったが……

    第60回(2019年)講談社児童文学新人賞受賞作のシリーズ第3巻
    2020年6月の第1巻発刊と同時に大きな反響が起きた作品の完結編、2020年10月刊

    「かねやま本館」の秘密がとうとう明らかになる

    発想も構成も描写も兼ね備えた新人作家に期待大

    《ひとつでもあてはまる子、必読!》
    □ イケメンって悩みがなさそう!?
    □ 「優しいね」って、ホメ言葉?
    □ 友だちからどう見られているのか気になる
    □ 「自分」を好きになりたい
    □ 湯治場って、なに?
    □ 「かねやま本館」の秘密を解き明かしたい!

  • 恋愛要素もあったり、かねやま本館の確信に迫ってきたり…学生の頃から見せたい自分や合わせてしまう自分に苦しんでる姿が、印象的でした。どのタイミングに入ってきても、2人は出会う。前2作ではそんなこと無かったですね。ナリタクとむぎちゃんは正反対のように見えて、お互いに必要な存在だったのかもしれません。小さい頃に同じ絵本を読んでいたっていう所も個人的に好き!約束を破った場合のペナルティ。こう違いがあったのかと感心してしまいました。ラストの衝撃は、一生忘れない気がします。
    キヨと小夜子さん、そして銀山先生の正体…その生い立ちも、更に見えてきました。そして、新たな謎もちょこっと。あの世界、どうなっているんだろう?
    芋煮を食べた、他の2人は別のストーリーが待っているのかも知れませんね。

  • 今回の主人公はイケてる・イケてないで人を判断する男の子と、波風たてないよう何でも飲み込んで作り笑顔の女の子。最初は男の子の見下す感じに腹を立てながらも、主人公2人が打ち解けていって自分に素直になったり人を励ましたりと成長していくところに惹き込まれていく。
    また今回はかねやま本館の謎と、規則その二を破った場合の顛末に迫る巻で、謎解き要素が多く面白かった!
    かねやま本館での大事な人との出会いは現実でもいつか起こる。お話の温かさや希望に癒やされます。

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著者プロフィール

1985年生まれ。東京都出身。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。『保健室経由、かねやま本館。』で第60回講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。同シリーズ1~3巻で第50回児童文芸新人賞を受賞。アンソロジー短編集『1話10分 謎解きホームルーム』(新星出版社)4、5巻にも作品が収録されている。そのほかの作品に、『おはなしサイエンス 宇宙の未来 パパが宇宙へ行くなんて!』(講談社)がある。

「2023年 『保健室経由、かねやま本館。6』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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