- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065211045
作品紹介・あらすじ
近年の考古学の進展により、日本人の文化の根源がはるか縄文時代に行き着くことがわかってきた。信仰も、縄文人のアニミズムが多神教となって継承されている。世界のほとんどの国々が〈強い唯一神〉をもつ一神教へ「脱皮」していったのに、日本人が多神教的な習俗を変えようとしなかったのはなぜか。古代ヤマト建国も「強い王を生みたくない」という発想から成し遂げられていたことが明らかになってきている。おだやかな多神教的発想はまるごと『古事記』神話に描かれていて、だからこそ〈八十万の神々〉の活躍を、みな知りたくなるのだろう。現代的視点から『古事記』神話の全体像を解き明かす。
〈目次〉
第一章 『古事記』序文の謎
・マンガ:太安万侶の奏上、壬申の乱の大海人皇子(天武天皇)の活躍
・解 説:摩訶不思議な『古事記』の世界、『古事記』と『日本書紀』の2冊の歴史書をなぜ必要としたのか
第二章 天地創造
・マンガ:イザナキ・イザナミの国土造成と神神の誕生
・解 説:はじまりの神が『日本書紀』よりも増えていく謎、なぜ淡路島が一番はじめに造られたのか、『古事記』はアマテラスを女神と断定してはいない
第三章 出雲の国譲り
・マンガ:ヤマタノオロチ退治、スサノヲの出雲建国と、出雲の国譲り
・解 説:考古学が教えてくれるヤマト建国直前の日本列島、銅矛文化圏と銅鐸文化圏の発想の大きな差、なぜ神話は出雲と南部九州だけなのか
第四章 天孫降臨
・マンガ:サルタヒコとアメノウズメ、天孫降臨と高千穂、笠狭碕(野間岬)
・解 説:神々は渡来人なのか、天皇家と海人のつながり、朝鮮半島最南端と九州北部は同一文化圏だった
第五章 海幸山幸神話
・マンガ:海幸山幸神話、ウガヤフキアエズの誕生
・解 説:なぜ奴国の王が神話に登場するのか、海の民が国の命運を左右した時代、ヤマト黎明期の二大勢力の激突
第六章 神武東征
・マンガ:神武東征説話
・解 説:なぜ神武は南部九州からヤマトに向かったのか、大物主神は大国主神ではなかった、日本海の祟りを恐れたヤマト政権、神武東遷は事実だった
感想・レビュー・書評
-
現代の視点から解釈していてとても興味深い。
が、もともと古事記は様々な神がいる(しかも同一人物なのに名前が沢山ある)という複雑な構造なのだが、この現代解釈でも聞いたことのない人物名が出てきて正直とても混乱する。
ある程度、日本史の知識はあると思っていたがそれでも混乱する。
とはいえ、古事記自体の流れはスッと入ってきやすい本ではあった。
日本武尊の話もあればもっと嬉しかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示