- Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065223796
作品紹介・あらすじ
〈「古典」は創造される〉
儒家たちが己の思想の正否を賭けてテキストと格闘し続けた、エキサイティングな二千年の思想史!
□「子曰く」……孔子は本当にそう言ったのか?□
春秋時代の弟子たちが残した師の言行は、口承で、あるいは竹簡や木簡によって紀元後に伝えられた。
それはさらに時を経て、前漢から宋、江戸時代の日本に至るまで、儒教の思想家たちの強い意志と意図とともに編纂、継承され、ついに『論語』は東アジア最大の古典としてつくりあげられた。
鄭玄、何晏から朱子までの儒家、江戸の伊藤仁斎、荻生徂徠らはあるべき聖賢の思想をいかに追い求めたか。
『論語』テキストの系譜を、ひとつの思想史として描き出す!
「本書が扱うものは、『論語』の形成過程と、朱熹の『論語集注』が成立するまでの解釈史である。しかも、そこで明らかになることは、『論語』とは、孔子の「ありがたい」言葉が収められているものではなく、長い歴史の中で、思想家たちの意図のもと孔子の言動は作られてきた、という事実である。それでは、『論語』を読むことに意味はないのか。そうではあるまい。『論語』などの古典は、時代や個人に応じて受け取られ方が異なるからこそ、時代を超えた普遍性を持って読み継がれてきた。『論語』も、それを手にした一人ひとりの思いに基づいて読まれてきた」(本書より)
感想・レビュー・書評
-
【書誌情報】
製品名 『論語』――孔子の言葉はいかにつくられたか
著者名 渡邉義浩
発売日 2021年02月12日
定価:2,090円(本体1,900円)
ISBN 978-4-06-522379-6
通巻番号 743
判型 四六
ページ数 308
シリーズ 講談社選書メチエ
NDC 123.83 経書
◆〈「古典」は創造される〉 儒家たちが己の思想の正否を賭けてテキストと格闘し続けた、エキサイティングな二千年の思想史!
「子曰く」……孔子は本当にそう言ったのか? 春秋時代の弟子たちが残した師の言行は、口承で、あるいは竹簡や木簡によって紀元後に伝えられた。それはさらに時を経て、前漢から宋、江戸時代の日本に至るまで、儒教の思想家たちの強い意志と意図とともに編纂、継承され、ついに『論語』は東アジア最大の古典としてつくりあげられた。鄭玄、何晏から朱子までの儒家、江戸の伊藤仁斎、荻生徂徠らはあるべき聖賢の思想をいかに追い求めたか。
『論語』テキストの系譜を、ひとつの思想史として描き出す!
「本書が扱うものは、『論語』の形成過程と、朱熹の『論語集注』が成立するまでの解釈史である。しかも、そこで明らかになることは、『論語』とは、孔子の「ありがたい」言葉が収められているものではなく、長い歴史の中で、思想家たちの意図のもと孔子の言動は作られてきた、という事実である。それでは、『論語』を読むことに意味はないのか。そうではあるまい。『論語』などの古典は、時代や個人に応じて受け取られ方が異なるからこそ、時代を超えた普遍性を持って読み継がれてきた。『論語』も、それを手にした一人ひとりの思いに基づいて読まれてきた」(本書より)
[https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000348952]
【簡易目次】(※一部の漢字は非表示)
第1章 『論語』はいつできたのか―成立過程の謎を追う
第2章 孔子の生涯と弟子たち
第3章 孔子は『易』を読んだのか―『論語』の形成と「三論」
第4章 矛盾なき体系を求めて―鄭玄の『論語注』
第5章 「道」という原理―何晏の『論語集解』
第6章 継承されたものと失なわれたもの―皇侃の『論語義疏』と〓〓の『論語注疏』
終章 「古注」と「新注」―朱熹『論語集注』と江戸儒学
『論語集解』抄訳詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
孔子の言行を記録したとされる『論語』というテクストが、どのような経過をたどって成立し、こんにちにまで伝えられてきたのかということを解説している本です。
「はじめに」には、「本書は、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、早稲田大学のオンライン授業のために用意した原稿をまとめたものである」と書かれており、孔子の生涯や弟子たちについての入門的な解説も含まれています。また、定州『論語』や『斉論』の発見によって、『論語』のテクストの形成過程が明るみに出されてきたことなど、近年の研究についても触れられています。
さらに、鄭玄の『論語注』、何晏の『論語集解』、皇侃の『論語義疏』や邢昺の『論語注疏』など、朱熹の「新注」以前における『論語』解釈の歴史を、それぞれの解釈の特色とその時代背景を中心に紹介しています。
『論語』というテクストをめぐる解釈の重層性がわかりやすく解説されていて、興味深く読むことができました。 -
早稲田のオンライン授業用のテキストがベースらしいが、、まあ教養レベルかなという感じがする。もっとも近ごろは高校でまともに漢文を勉強しないらしいから、これで学部レベルなのかもしれない。物足りなくて、途中で放棄。