そして扉が閉ざされた 新装版 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.42
  • (22)
  • (49)
  • (83)
  • (16)
  • (2)
本棚登録 : 754
感想 : 59
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065224465

作品紹介・あらすじ

富豪の若きひとり娘が自動車事故で不審死して3ヵ月、彼女の遊び仲間だった男女4人が、遺族の手で地下シェルターに閉じ込められた! あの事故の真相は何だったのか? 4人が死にものぐるいで脱出を試みながら推理した意外極まる結末。極限状況の密室で謎を解明する異色傑作推理長編。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『ほんタメ』で紹介されていたので読んだ。岡嶋二人の作品は初めて。こちら、なんと37年前の作品なんですね。ミステリとしてはほぼ古典じゃん、と期待せず読んだが、犯人は誰か、どうして犯行をなしたのかが意外でとても楽しめた。

    核シェルターにいる現在と咲子の別荘における3ヶ月前のあの日を交互に回想しながら、主人公目線で物語は進む。そんなシンプルな構造。

    主人公は「自分は犯人ではない。だが、この4人の中の誰かが咲子を殺したらしい」と確信している事実だけを読者に見せる。
    閉じ込められたシェルターで犯人を推理するうちに、事件なのか事故なのか、不可能犯罪ではないのか、愛する鮎美の様子がおかしい、などいろいろな要素が起こり、不測の事態もあり、最後に急転直下で真相がわかる。

    主人公目線で物語を追っていた自分も衝撃の真相にページを戻って見直してしまった。
    『そして扉が閉ざされた』は核シェルターの扉はだけではなく、あの日の別荘の扉も掛けてるのかな。
    なんか上質の舞台劇を見たような気持ちになる作品だった。

  • 少ない登場人物の中に犯人を推理する、読み始めると犯人が誰なのかを知りたくなり、とばしなが一気読み。予想外の犯人も面白かった。
    最初のシーンの情景が浮かばず、ふわふわしていたのでマイナスポイントです。

  • ミステリーとして非常に魅力的。魅力的なのに、登場人物は魅力的ではない。でもやっぱりストーリーとしてな好き。

  • 学生時代ぶりに読んだ。
    内容は完全に忘れていたはずなのに、
    真相の部分だけは読んでる途中で思い出してしまった。

    そのせいで楽しみ半減。

    登場人物の会話が、現代ではしないような感じで、逆に新鮮だった

  • 本格ミステリー
    核シェルターに閉じ込められ、脱出しながら以前起きた殺人事件を考察するお話 
    真相には驚かされたが、如何せん登場人物の行動や心情を共感できず、結末は消化不良

    2021年電子書籍発刊とあるが、新装版で初版は1987年
    携帯がないため古臭く、読みながらツッコミを入れてたが
    なるほど‥ 時代背景が重要なことを学ぶ
    だが、
     カロリーメイトは非常食
     アルファロメオは富豪ステータス 
    これは今でも変わらないことにブランド力の凄さを感じた

    琴線メモ
    ■歴史は、夜、作られるの

  • オチは予想外で面白かった。
    ただ登場人物は誰一人好感を持てず、「よくこいつを庇おうと思ったな」と思い、感情移入できなかった。

  • ドロドロの人間関係からくる殺人事件ものを見たい方はどうぞ
    まさに昼ドラ

    人間関係だけでいえば何となく東野圭吾「レイクサイド」を思い出してしまった

    本格推理ではあるが結末は案外呆気ない印象

    なんか色々と釈然としない作品
    アイスピックそこに置くか?とかもうちょい雅代に関しても掘り下げて欲しかった

  • 岡嶋二人著の作品は、『クラインの壺』に続いて、2作目です。やはり、面白いです。シェルターに囚われた男女4人という密室という設定です。男女のグループが囚われるお話の場合、私はその中での殺人が起きるケースを多く読みましたが、この作品は、事件が起来た後にその事件について議論する為の場所として、用意されています。
    事件の結末も予想していなかったので、驚きです。

  • 密室、出られない、互いを疑い合う…
    その設定だけで、絶対読んじゃうやつです!
    登場人物が少ないので、感情移入して読める…かと思いきや、登場人物に好きになれる人がいない、、
    若い時期ならではの、無敵感というかなんというか、、こんなものかねぇと思いながら読み進めました。
    結末は、、ある程度は納得いくかな。面白くは読めました。

  • シェルターに閉じ込められた男女4人が事件の真相に
    迫って行く様を丁寧に描いていた。
    登場人物も少なく、基本的にシェルターのみ、
    それでも中弛みせず、通して面白い。

全59件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡嶋二人の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
夕木 春央
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×